熟練者こそフリテンや和了り逃しをする
9/27のMリーグでフリテン誤ロンがあったそうですね。
麻雀一般の話としては、熟練者でもたまにはそういうことってあるよね~で終わりそうですが、それだけで済む話でもないなと思いました。
画像を持ってくるのが面倒なので数字(全てマンズ)で書きます。
2233344456 23467待ち (本来の手牌。6万を捨ててるのでフリテンで、3万を誤ロン)
2223344456 23457待ち (2万と3万を見間違え、この手牌だと思い込んでいた)
というケースで、確かこれは配牌時点で 2233444566 のところを、早めに6を切っていたと記憶しています。そして後から3を引いて、それを2と誤認した結果フリテンになったと。
私はこれを「いかにも熟練者がやりそうなことだなあ」と思って見ていました。もちろん誤認したことでなくて、6万を先切りしたことです。
私は見ていて「これは後で傷になりそうだな‥‥」と瞬間的に思ったのですが、まさか誤ロンになるとは。
麻雀をやり慣れてくると、早めに形をシンプルにしたり、浮いてる中張牌を先に切ってターツを決めたり‥‥といったことをやろうとします。
それは第一に振り込みたくないからで、落とした牌の代わりに安牌候補を持って進行するわけですね。いわゆる12枚麻雀や11枚麻雀をやっている。(単なる決め打ちな場合もありますが)
特にプロはこの傾向が強くて、それはなぜかといえば、何度も書いてきたように競技ルールではドラが少なく振込を挽回するのが難しいので、和了るよりも振り込まないようにと考えて守備に傾くからです。
実のところ赤5が3枚あって振込を挽回しやすいMリーグでやっても効果が薄い打ち方ですが、放送を見ていれば分かるように、ほぼ常に全員がこの打ち方をしています。
競技ルールでの癖がもろに出ているわけですが、しかしこの打ち方は、プロでなくても熟練者だったら割と普通にやっていることでもあります。
いくら振込を挽回しやすいといっても、簡単ではないですし、振り込みたくないという気持ちは誰しもありますからね。裏ドラという不確定要素もありますし。
なので赤あり麻雀でも頻繁に出現する打ち方ってわけですね。
こういう打ち方では早めに中張牌を捨てることになりますが、当然ながらそれは、後から引き返してきてフリテンターツになっちゃったり和了り逃しになっちゃったり、そもそもテンパイできなかったり‥‥ということを引き起こします。
そこを「安全を確保できたのだからしょうがない」で妥協するのが熟練者の麻雀なわけです。
熟練するほどリスクに敏感になるものですし、リスクを過大評価するのが人間の常で、まあ自然な姿ではありますね。
そのような人間の性質がもたらしたフリテン誤ロンだったし、その原因となる6万先切りだったなあ‥‥と私は思いました。
プロぐらい四六時中麻雀のことを考えて生きていても、「ルールから導出される最適な打ち方とは何か?」とは考えないようです。
それを証明するように、Mリーグの面々は年によって守備重視になったり攻撃重視になったり、あるいは鳴きが増えたり減ったりと、揺れ動いています。
しかもそれは、ルールの理解が深まったからでなく、新加入選手のスタイルに影響されたからという面が大きいことは、折々のインタビュー等からうかがい知れます。
攻撃重視と言われる年でも12枚麻雀スタイルが依然として現役であることを合わせて考えれば、まだまだ打ち方は揺れ動いていきそうですし、その過程でどれだけフリテンや和了り逃しが起きるのか‥‥と想像してしまいますね。それもまた麻雀エンタメ、ということなのでしょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?