相手の捨て牌を読みたいと思っている人へ
こんにちはMahjong Academy Channelの新谷です。「捨て牌を読めるようになりたい」とのリクエストをいただきましたので捨て牌読みを勉強するための事前知識を紹介したいと思います。
※捨て牌を置く場所を河(ホー)と言います。麻雀学習や解説では一般的に「かわ」と呼びますので以降は捨て牌と言わずに河(ホー・かわ)と表記します。話をする時は「かわ」でお話いたします。
ポイント① 河を見て相手の手牌全てを読むことは不可能
リーチをされた相手の河を見て手牌をピンポイントで13牌当てることは不可能です。これは麻雀の世界チャンピオンでも出来ません。
麻雀は相手の手牌を当てるゲームではない
鳴いた手牌はメンゼンに比べて手牌を推理しやすくなりますので、沢山鳴くと言い当てることが出来たりします。
ポイント② 全く読まなくて良いわけではない
完璧に読めないからといって全く読まなくて良いわけではありません。河は相手の手牌に関する情報で溢れています。ピンポイントで当てられなくても予想を立てることは押す時もオリる時も必要になりますので相手の河を見る習慣をつけましょう。
ポイント③ 読みは1つの要素で判断するものではない
読みに確実性はありませんので、読む要素を増やして総合的に判断する必要があります。こんなフレーズを聞いたことはないでしょうか?
画像↑の河は相手のリーチで手牌は自分の物とします。リーチ宣言牌が7sで、6・9sは通っていない。自分もドラを含むピンフ形のイーシャンテンで6sを勝負したら「ロン」メンピンドラ裏の8000と言われ点棒を支払おうとしていたら、別の人から一言。
「見え見えのソバテンじゃないか、なんでそんなのが出てくるんだよ」
と言われました。
この出来事皆様どう思いますか?友達同士のや家族麻雀で一度は経験ないでしょうか?知らない人に雀荘で言ったら一発出禁クラスですので、このフレーズを言ったことのある人、今も言ってしまう人はよ〜く注意してくださいね。
相手の河から読む時に考えられる種類は
色読み・捨て牌相読み・スジ読み・牌理読み・上下読み(ブロック構成読み)・裏スジ(間四軒)・またぎスジ・ソバテン・打点読み・人読み、壁・ワンチャンス・ドラ関連 などなど
多岐に渡ります。その中の一種が先程出てきた「ソバテン」という考え方です。ソバテンとはテンパイした時に捨てられた牌の近くが待ちになっていることが多いという考え方で、リーチ宣言牌は(ツモ切りを除く)テンパイした時に捨てられる最たる例ですのでその牌のソバは危ないという読みの一種です。ただしその読みの精度はかなり低いものです。リーチ宣言牌のソバが待ちになることはありますが当てはまらないケースがほとんどです。例を挙げるとこの形↓。
この形だと7sを切ってリーチするため待ちは69sとなります。しかしこの形でも14mではなく69sから埋まると7sを切って14m待ち、23mから埋まると8sを切ってイーペイコーに7sから埋まるとソーズ3面張、8sが来ると78sのテンパイになりますから画像のケースでない限りソバテンになりません。(イーシャンテンの形を勉強するとソバテンにならないケースが沢山理解できます)
多くのデータから見てもソバテンが待ちになることはありますが、他の危険牌と大差はないということが示されています。
今回言われてしまった「見え見えのソバテン」というものは現代麻雀の考え方では存在しません。そもそもソバテンが見え見えということはあり得ないですし、単なる危険牌の一つを押して勝負したらそれが結果的に放銃になっただけなのです。
ポイント④ 読みは危険度の高低判断と放銃時の打点予測に使う
先程の6sは間違いなく危険牌の1つです。しかし危険牌は数多くある状況でしたので自分の手牌が良ければ勝負に値します。先程のように手牌が程よく良ければ勝負できますが毎回良い手牌に巡り合うわけではありません。上手く放銃せずに回りたい場面、現物が無くオリたい場面では相手の河を見て危険度の低い牌を選ばなくてはなりません。そんな時に読みは最大限活かされます。
先程の手牌に似ていますが先ほどよりも形の悪いイーシャンテンになりました。イーシャンテンにするには6sかドラの7mか形の悪くなる4mを切らなくてはなりません。しかしこの手牌では基本的に勝負しづらいので7sをツモ切ることをお勧めしますが、安全牌は7sしかありませんので次巡以降、捨てる牌の危険度をランク付けするとこの中で低いのは2pか2mになると思います。(現状全て危険牌)
これは相手の河を見ると
変則的ではなく通常のリーチ手順に見え、ピンフやタンヤオ形が予想される
下のブロックが先に捨てられ上のブロックが後から捨てられていることからメンツ構成や三色を考えるとしたら456より上のブロックを持っている可能性が高そう
3mよりも9mを後から捨てていることからマンズの上を持っているか6mとのスライドかドラがきた時の保険としていたなどドラ絡みは捨て難い
ピンズはリーチ宣言牌の前に8pを捨てていることから8pの絡む5〜9が捨て難い(2〜4が安全と言っているわけではない)
ソーズは36sのリャンメンのみリーチ後に否定されている。リーチ宣言牌が7sなので4〜9は捨て難い(1・2が安全と言っているわけではない)
このようにチラッと思考を巡らせたとしても相手が何で待っているかは判明しません。リーチまでの捨て順で考えるとピンズの下とマンズの下の優先度が低い(先に捨てられている)事から2pか2mがこの中では危険度は低いと判断し、2mは一度通ればもう一度捨てられるので2mを優先して捨てます。打点は変則的では無い事からリーチのみの1300点からピンフ形でメンタンピンドラの8000点くらいまでと予測する。この読みがピタリ当たることはほとんど無いが安牌が無く勝負しづらい手であることから仕方なく2mを捨て安牌が増えるのを願い放銃の道は回避できるよう努力する。
ポイント⑤ 読めることは少ないのだから
相手の河から危険と安全を分けることが読みの第一歩です。意外とこれが完璧にできる人は多くありません。そして完璧には読めないのだからこそ安全牌をあらかじめ用意するように手を組めるようになりましょう。
読みの深さは雀力に比例しますが麻雀のゲーム性故に完璧に読める人はいません。しかし知識を深めることで読みの精度をあげたり危険に見える牌が実はそれほど危険では無いことが分かったりします。今後「読み」を細かく分類して紹介していきますが読みはあくまでも判断材料の一部に過ぎないことを念頭においてください。しかしながら、
読みを覚えると自分が上手くなった気がして麻雀がより一層楽しくなりますよ
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