達人の鳴き方(チー編)&孤立のドラについて

これまで、鳴き方の秘訣といえばカンチャンやペンチャンなど、悪いかたちを鳴いて、リャンメンを残すのが至上主義となっている。基本を教えるような麻雀本であるならば、それで正解である。しかし、このnoteを見ている方はこのようなことは百も承知である。達人の鳴き方やツキを見極める鳴きというひとつ上の鳴き方について皆さんの引き出しを増やすようにしたい。
例えば

二四四五

のような形があったとする。この時に基本であれば、三をないてから、四五にしての三六待ちにするのが基本を教える麻雀本のセオリーである。しかし、二(三)四のチーでは「三六もあるかもしれない」と読まれることもある。というか、小島武夫にこのなき方をした時に三六を捨てられることがなかったという経験がある。
とするならば

「六から鳴いてみよう」

と考えるのはいかがだろうか?
この鳴きでいろいろなことが自分にわかり、相手に分からせないようにするいろいろなことがある。

まず、ツキの流れ。
二四と持っていることでもし五が来たのならば、好調の証。巷の麻雀や赤を入れた達人戦で赤五を引いてこれば最高である。どのタイミングが別として二四五と持っていたり、脈略なく二が出て来るので相手はこちらの手牌を読むことが難しくなる。
また、ここで二を引くというのもメリットがある。二四四五から六を鳴いているということから、萬子の一〜三はないだろうということで二を捨ててくればポンができる。
このようにして、例えば、マンズ周りの牌を引くことで良いツモをしていることがわかるようになる。

次にスピードを重視するという話。
今はスピード麻雀を意識する人が増えてきた。こんな時に「カンチャンしか鳴かない、六を見逃す」では、スピード感が劣ってしまう。
モチロン、面前でリーチができれば最高であるが、そうと言ってられない場合もある。こういう時に鳴いて手を作ることを覚えていただきたい。きっと引き出しが増えると思う。

これまではメリットの話である。
次はデメリットとその対処方法である。
鳴いて麻雀を作るというもう1つのポイントが鳴いた後に他家の要牌をツモってきたり、こちらのムダヅモが続いたりとして遅れをとった時にはどこかのタイミングで守備に回らなくてはいけない。下家のキー牌となるだろう危険牌を切って、あがらせることはもちろん、鳴かせてもいけない。捨てて情報を見せてはいけない時もある。
この時には方向転換という視野を入れておく必要がある。

相手の要牌や手が進まないというデメリットを少し応用しよう。
それは孤立牌のドラの話。いつまででも3〜7のドラを1枚ポツンと残っているような状況は危険の前触れ。手牌に関係ないからといって切ってしまうのはダメで、ドラをトイツにするようなつもりで中盤まで持っている度量も必要である。
相手の手が進んでいないのならば捨ててしまうという発想はまだありなのだが、ドラを切れば流石に目立つ。私が皆さんに披露している公式ルールはものすごく目立つし、赤入りであったとしてもドラを切ることはインパクトがある。
いうまでもなく、中張牌をポンチーされるのは最悪である。
この場合は3〜7のドラを2枚重ねることができれば最高である。こういうのも手作りと言ってもいいだろうと考えている。ドラ2枚は2飜アップ、得点はおよそ4倍となる。
ドラの2と8を含めた中張牌を終盤に切る時には相当な覚悟が必要である。

ちなみに、一昔前は好牌先打(こうはいせんだ)と言って、自分の理想を作るときに四四五の時に四を先切りして、相手に三六待ちはないだろうと相手に間違った読みをさせるように切るというやり方も流行っていたが、ここ最近はブクブクに中張牌を持って手を進めていく傾向も出てきた。しかし、Mリーグの話を聞くと、充分形をスリムな形にして安全牌を一つ抱えるという方法を選ぶ場合もあるようだ。麻雀のやり方も時代と共に変わってくる。

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