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yomogi86
私、ヲタク先生。【7】
「休職」ができないので、仕方なく一年間過ごしたわけですが、ここでとんでもない事件が起きてしまうのです。
とある時、教頭先生に言われた言葉です。
「森岸先生は、自分が一番大切なんでしょう」
はい。正直に言います。私は世界で一番私が嫌いです。
その一言を言われた時、私の中で何かが壊れました。この間ノートでお話した、夢が壊れた音。多分、その音なんだと思います。
私はトイレの中に籠って泣きました。泣くことはいつでもあったけれど、今回ばかりは勝手が違っていました。
「私は世界で一番私が嫌い」
と、何度も何度も口にしました。
泣きじゃくりながら、何度も口にしたのは自分自身を呪う言葉でした。自傷行為とも取れるようなこの言葉、なんで出てきてしまったのか、私でもよく分かりません。でも、その時はずっと繰り返していました。
もし、学校の中ではなく家の中であったなら、私は間違いなく叫んでいたでしょう。もう限界だ、と。それとも、獣のように吠えていたかもしれません。事実、やってみたかったです。
それで誰かが拾ってくれるなら、と期待しながら。
声を押し殺して叫びました。目の前が真っ暗になりました。
それでも、誰も助けに来てはくれません。
それでも、立ち続けるのが教師ですか?
自分が嫌いな人間が教師になってはいけないでしょう。
じゃあ、なんで私ここにいるの?
なんで、なんで、なんで、と繰り返します。声が枯れました、胸が切り刻まれるように痛みました。
それでも、笑っていなければいけないのですか?
私は、なぜ教師になりたかったのかも忘れ、ただただトイレの小さな小さな個室の中で、息を殺して絶叫していました。
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