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あわあわちゃんとしあわせなお城

あわあわちゃん
あわあわちゃん
あわあわ あわわわ
あわあわちゃん

丘の上で夜空を見上げてたあわあわちゃん
キレイなお星さまを繋げて絵を描いてみたり
とっても楽しそう♪

そこへ夜空からぴゅーんと近づいてくる光に
ふと気が付きました。
なんだろう?光がだんだん大きくなって……

「わあっ!?」
その光は流れ星で、あわあわちゃんのすぐ近くに
ストンと転がってきました。
まるでこんぺいとうのようなその流れ星に
恐る恐る近づくと、そこにはなんと
1人の男の子が乗っていたのです!

その子は、今まであわあわちゃんが出会った
どのお友達とも違っていました。
急いで1番お姉さんのお友達を連れてくると
「わぁっ、人の子なんて久しぶりに見たわ!」

あわあわちゃん達が住んでいる雲の上では
あまり人と関わる機会がないそうです。

「でもどうして流れ星に乗っていたの?」
そう聞くと、その男の子は少しずつ少しずつ、
話し始めてくれました。

「ぼくは、星の国の王子です。とても大切な女のコを探しに、お城を出て探しに来ました」

星の王子さまの名前は輝夜くん。
以前、お忍びで行った月の国のお祭りで一緒に遊んだ女のコともう一度会いたくて、星の国から来たそうです。

「その女のコは、とても笑顔が素敵な子で、ぼくが星の国の王子だと知らないはずなのに分け隔てなく接してくれたんだ」
「ずっと悩んで苦しかった事も、初めて会ったのに優しい顔でただ聞いて受け止めてくれたんだ」
「だから、どうしてももう一度会いたいんだ」
「そして伝えたい、その子が好きだから」

あわあわちゃんはその話を聞いて、何だか
とてもお手伝いしたくなってきました。
どうしても、2人を会わせてあげたくなったのです。

「ぼく達も、またその子と会えるようにお手伝いするよ!」

気がついたらそう言っていました。
お話を聞いていた他のお友達たちもおんなじ気持ちになってくれていたのです。

月の国は小さな国です。
女のコは、茶色の肩ぐらいのかみに白い肌、身長はすらっと高い、目の色は薄い茶色……

みんなで探せばきっと見つかる!
あわあわちゃんとお友達たちは思いました。
話をして、お友達になった輝夜くんと月の国に行きました。

でも、いくら小さな国でも同じような特徴の
女のコはいくらでも居て、ほとんどの家やお店を
まわってみても、輝夜くんの大切な女のコは
どうしても見つかりません……

月夜のベンチで途方に暮れていると、三日月に
乗った女のコがお城から丘へ向かって行くのが
見えました。

その子を目にするまで落ち込んでいた輝夜くんは
「間違いない!あの子だ!」と丘へとすごい速さで走っていきました。

あわあわちゃん達も大急ぎで丘の上へ向かいます。

丘の上へ着くと、輝夜くんがその子と色々
話していました。
「お祭りの時から忘れられなかったんだ、ぼくの事、覚えている……?」

「えぇもちろん!実は、わたしもあなたを探していたの」

「えっ?それは、どうして……?」

「その前に自己紹介するね、わたしは月の国の姫の月紬です」

「ぼくは、星の国の王子の輝夜……やっと会えた」

「あなたを探していたのは、忘れられなかったから。普段自由がないわたしにとって、あなたと飲んだコーヒー牛乳の思い出や、わたしが作ったクッキーをうれしそうに食べてくれたりしたこと、一緒に撮ったフォトはかけがえのない宝物になったの」

「ぼくもだよ、普段言えない事をたくさん月紬ちゃんには話せた。ぼくは、月紬ちゃんが好きなんだ!」

「わたしも輝夜くんが好き。でも、月の国と星の国では結婚は出来ない……悲しく終わるだけだわ」

そこへ、あわあわちゃんが話しかけます。
「ねぇねぇ、輝夜くんと月紬ちゃん」
「今持ってるもの、全部要らない?捨てられる?」

2人は同時に言いました。
「もちろん、「輝夜くん」「月紬ちゃん」と一緒に居るためなら!」

「じゃあぼく達の雲の上においでよ、ちょうど小さなお城が出来たけれど住むお友達も居なかったんだ♪王子様とお姫様にはぴったりだよね」

あわあわちゃんたちと風さんに乗ってふぅわりと雲の上に到着した、輝夜くんと月紬ちゃんは、そのあまりの美しさにおどろいてしまいました!

小さなお城は、あわあわちゃんの透き通った身体でキラキラ見えます。

「ここなら誰にも見つからないよ、大丈夫♪」

元々、別々の人と結婚させられそうになっていた
2人は、この小さなお城で結婚式をする事にしました。

雲のドレスにタキシード、お日様の光のアクセサリー、ティアラ。結婚指輪にはお互いの国の光を使って交換します。

結婚式って初めてだけど、なんだかとっても
うれしくなるなぁ♪

あわあわちゃんとそのお友達たちは、
とても嬉しくなってお城の周りをくるくる飛んだり
踊ったりし始めました。

それをお日様がちょっとお手伝い。
あわあわちゃんたちの体が虹色に光る魔法をかけてくれて、虹色に染まった美しいお城で、あわあわちゃんとお友達に見守られながら、2人は幸せな
結婚式を挙げました。

「いつまでも一緒に居ようね♪」と月紬ちゃん
「永遠の愛を、月紬ちゃんに誓うよ」と輝夜くん

ぼくも、いつか誰かと結婚してみたいな……
あわあわちゃんもそう思える程に、本当に優しく暖かく、楽しい結婚式の日になりました。

幸せになってね、2人とも♪

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