ヘッドハンターについて #2
シリーズで作成している『ヘッドハンター』ですが、なんとなく想定していた2/3の地点まできたので、二回目の説明をさせていただきます。
本来のnotebookのように思いついたものをメモするつもりで書いていますので、粗が多いと思いますが、それなりに情も湧いてきました。個人的に、清書版をいつか作成できたら、と思っています。こちらは、そのためのマトメのようなものでもあります。
前回の『ヘッドハンターについて』は『ジェミニ #2』まででした。今回は、その後の『シービングキャット』から『ハロウィンナイト』までです。ここまでを『ヘッドハンター』の中盤、それ以前を前半とさせていただきます。その後のお話『エクセプションナイン』がありますが、これに関してはストーリーと全く関係ないお話ですが、あとで軽く触れさせてください。
ここまで作成していて、最初の方から思っていた反省点が目立ちました。やはり誰が語っているのかがわかりづらいという点です。伊坂幸太郎さんの殺し屋シリーズで、視点が変わる度にその人物の印鑑が押される手法は、天才的でデザイン面でも優れた発明だと改めて思いました。
以下、各お話の語り手を明示し、内容を要約します。
『シービングキャット』
語り手:泥棒猫(通称ネコ)
ホテルミラージュで働いていたネコは、ジェミニの姉を連れ去ったウッドペッカーを追跡する。キツツキのもとで、ジェミニ姉の世話係をすることになる。
『リトルハンマー』
語り手:武器屋の弟子
ヘッドハンターたちの武器をメンテナンスする武器屋にネコがおつかいで訪れる。武器屋の弟子とネコの会話からヘッドハンターたちが使用する武器が判明する。また、公の治安維持組織の盾の存在が語られる。
『ハウンドドック#1、#2』
語り手:キツツキ(#1)、シューター(#2)
キツツキはターゲットの一人であるシューターと遭遇。重傷を負うが、シューターのヘッドハンティングに成功。シューターとの会話の中で、舞台となる国の名前が〝サクラ〟であること、また、〝招待状〟の存在が明かされる。シューターの言葉、「俺たちは、なにをすべきか迷ったら、ヘッドならこうするって考える」がフリークスの行動指針であることが判明する。
『リセマラ#1、#2』
語り手:害虫(#1)、ネコ(#2)
古いフリークスであるペストは、ヘッドハンター協会にて新人のチュートリアルに利用されていた。協会の暗部を知り、精神的に追い詰められたネコはペストを完全に破壊する。それはペストの望みでもあった。またネコは、ペストの最期の言葉(「ワタシは、XXXです」)により、抗えない不条理が背景にあることを本能的に悟る。協会の機関誌ブレードレターで連載している『狩り狩りクン #123』のフリークスはペストがモデル。
『ドンガメ』
語り手:鈍亀
性質上、対フリークスでヘッドハンターの後手に回ってしまうシールドが、〝メッセンジャー〟へのアプローチを積極的に仕掛ける。そのメッセンジャーは、シールドの隊員のドンガメのガールフレンドだという。彼女はドンガメとのディナーの約束(シールドの罠)に現れなかった。
『ホワイトラビット』
語り手:白兎
ドンガメとのディナーデートの約束の裏側で三月のウサギとの逢瀬をする白兎。メッセンジャーとして招待状をばら撒く目的の白兎は、恋人のドンガメにはすでに招待状を渡していることを独白。仲間であるはずのフリークスの三月のウサギを手にかける。
『ストレイキャット』
語り手:キツツキ
協会員御用達のバーで、女王蜂(通称蜂)を見つけたキツツキは、彼女から力の拡張方法をきく。また、蜂はすでに招待状を受け取っていること、そして招待状は性行為によってばら撒かれることを知る。バーのマスターの口角が切り裂かれた生傷は、『ブランクヘッド』の後日譚であることを示す。
『ブランクヘッド』
語り手:脳なし(バーのマスター)
『ストレイキャット』の前日譚。元フリークスであると噂のバー『ne'er-do-well(能無し)』のマスターは、ヘッドの夢をみる。夢でみたヘッドと正体不明の自分自身を重ねるマスター。すると、協会に書き換えられた脳が自分自身を狩れと命令を下し、自傷に至る。「あんたならどうする」とヘッドと重なる自分自身に問いかけるも、フリークスなら誰もがもつ行動指針が失われていることがわかり、〝脳なし〟であることを再認識する。
『ラプター』
語り手:ネコ
かつて世話になった梟の屋敷に、ネコは招待状を盗む目的で潜入。そのなかで、すべてのフリークスがみたヘッドの夢をみる。そのヘッドの像とペストの最期の言葉(「ワタシは、ヘッドです」)について思いを馳せる。ここでネコは、抗うことのできない絶対的な存在の影を再認識する。屋敷内で不在と思われたアウルと接触。ネコが招待状だと思っていたものは、ゴールデンレコードへのアンサーレプリカだった。「招待状をキミに渡そう」とアウル。
『トリマー』
語り手:仕分人
『リトルハンマー』で既出の処刑人之剣の持ち主がトリマーであることが判明。メッセンジャーである白兎を捕え、招待状を渡すように促すトリマー。白兎は、自身の命と引き換えに三月のウサギの頭を差し出し、性行為をする以外の方法で招待状を取り出す方法がある可能性を示唆する。
『ハロウィンナイト』
語り手:ネコ
アウルの屋敷のコレクションルームの奥で、数々のフリークスの頭を発見したネコ。そこで、ネコの身を案じアウルの屋敷に乗り込んだキツツキと合流する。もう招待状を受け取ったと話すネコに、キツツキは自身の軽率さを後悔する。
『エクセプションナイン』
語り手:ネコ
タイトルの通り、メインストリームとは関係のない例外のお話です。バトル漫画のキャラクターが急にサッカーや野球をやり出すアニメの謎の回を再現したくてねじ込みました。私の夢のひとつはネコの夢オチで叶いました。
中盤で出てきたワードについて
・招待状
『ハウンドドック』内でシューターによって招待状について初めて言及される。主にフリークスのメッセンジャーがその拡散を担っているらしい。招待状は粘膜の接触によって渡されるほか、その先にあるパーティと関係があることが示唆されている。
・ヘッドハンターの武器
『リトルハンマー』や『ハウンドドック』でヘッドハンターが使う武器について触れられている。主に頭部の切断、または破壊することを目的としている。
―ピーピングトム(覗き魔)
キツツキの武器。螺旋状の刃が特徴。彼の舌はフリークスの首を両断することができるため、ピーピングトムは、相手の動きを止める目的で使われる。肉が抉られ穴が開くため、彼はウッドペッカー(キツツキ)と呼ばれる。
・サクラ
『ヘッドハンター』の舞台となる国の名前。傍若無人に振る舞うフリークスとそれを狩るヘッドハンター、名ばかりの治安維持組織の盾が物語に絡む。お盆やハロウィンなどが存在する。
―シールド――SHIELD(Security Headquarters for Investigation and Law Enforcement Defense)。お鍋のフタやカメと揶揄される。銃器を取り締まる銃法にはうるさい。
・ヘッドハンター協会
キツツキなどが所属する組織。『リセマラ』や『ブランクヘッド』内で脳の書き換えや人工知〝脳〟なるものについて触れられている。新人ヘッドハンターのチュートリアルでペストを非人道的に扱うほか、機関誌ブレードレターで洗脳的、偏狭的なプロパガンダを発信する。
・ゴールデンレコード
アウルの屋敷にてネコが発見する。その存在感からネコはそれを招待状だと誤認する。サクラの言語ではない言葉で返されたゴールデンレコードへのアンサーレプリカ。
・ヘッドハンターとフリークス
ヘッドハンターやフリークスは、動物や虫に喩えられることが多い。ヘッドハンターはそれを屋号といい、フリークスはエイリアスと表現する。また、それぞれがもつ不思議な力の源は同じところにあり、いつか返さなければいけない力であると彼らは認識している。
前回、キツツキと蜂のイメージを作成しましたが、今回も新たに登場したヘッドハンター二人を作成しています。AIにて試行錯誤しながら切り貼り・加工してなんとかイメージに近づいたような気がします。
『ヘッドハンターについて』にて、キツツキと蜂のイメージ画像もAI版に差し替えています。また、そちらではなかなか要望を理解してくれないAIに苦戦する様子も載せています。絵を描くのは、なんとかAIさんに頑張っていただこうと思いました。書く方に集中したいです。
左:泥棒猫
中盤では、主人公的な振る舞いを見せてくれました。
右:仕分人
白兎を捕えながら、彼女がシールドと繋がっていることを理由にあえて逃す。独特のバランス感覚で仕分けを行う。※『狩り狩りクン #123』のヘッドハンターは彼がモデルです。これは、どこにもそれについて推測する部分がないので、私の思い込みかもしれません。
中盤の相関図と起こった出来事
・キツツキがシューターを狩る。
・ネコがペストを破壊。
・白兎が三月のウサギを狩り、その頭をトリマーに差し出す。
夏のお盆の時期から始めた物語はハロウィンを迎えました。お話のメインストリームの時間軸がリアルとだいたい一致しているので、キツツキの唯一のウソから始まった物語をエイプリルフールで終わらせることも考えましたが、長くなってしまうので、クリスマスの夜にメリークリスマスで終わらせようとなんとなく思っています。
上記はあくまで予定ですが、私がクリスマスの夜に空けられない予定ができてしまうこともなくはありませんし、その前に登場人物が全員死んでしまうかもしれません。
物語のテーマは、抗えない絶対的な力と戦うことです。
それでは、また引き続きよろしくお願いいたします。