出生数最小75.8万人と知って
今朝の日経に「23年出生数、過去最少75.8万人 人口は初の80万人超減」とありました。
それでちょっと思うことがあり、今日は書いてみようと思います。
出生数が減っている、そして、増えていっていない
子どもを持つことを諦めるのは、お金だけが理由ではありません。
子育て補助金が解決するのは、「お金」が理由で子どもを持つのを諦めた人だけ。
私は今、保育の仕事をしているのですが、
自分の子どもを育てている時は、子育てが苦しくて仕方がなかった。
子どもは可愛いですよ?
子どもを持つことが出来て良かったなと、心から思っています。
でも、子育てって、自分の時間(自分のことをする時間)が奪われるし、
仕事をしていたら、子どもが病気になったら、仕事の調整(休むとか、お迎えをどうするとか)が必要になります。
そして、親になったら、親を辞められないんです。
仕事なら、退職するとか転職するとか、辞められます。
でも親は、一旦親になったら、辞められないんです。
子どもが成人すれば、いちおう一区切りは付きますが。
そして、子どもが大学を卒業するまでと考えると、教育費は数百万円から数千万円です。そう考えると、子育ての補助金は、全然足りません。
子どもを持たない選択をする理由は、お金の他に、何があるのでしょう?
女性ならば、子どもを持つことで、自分の仕事のキャリアが失われたり、昇進が遅くなってしまうおそれがあります。
良い親になれない、自信がない、という人もいるでしょう。
両親が離婚している、親が毒親だった、など良い親の見本が身近にいなかったことで、自分が親になっても子育てをうまくできっこないと思っている人もいるでしょう。
そして、女性であれば、子育ての負担が女性に傾きがちであることも、「子どもを持ったら女性である自分が貧乏くじを引くことになる」と思ってしまう場合もあるでしょう。
男性が子育てしようと思っても、仕事の帰りが遅いとか激務で無理、という場合も多いのです。
そういえば、ロバート・キヨサキさんの考案した「キャッシュフローゲーム」では、子どもはプレイヤーのポケット(財布)からお金を取っていくもの扱いなんですよね。子どもが増えると、プレイヤーの上がり(ラットレースを抜け出し、不労所得だけで生活できる状態)が遅くなってしまいます。
でも、
子どもを持つこと、子育てはプライスレスです。
私は保育の仕事をしていますが、お世話している子ども達が可愛くて仕方がないです。
日々の笑顔や、ミルクを飲んでいるときの音や匂いや表情、遊んでいる時にくるくる変わる表情や、寝顔…癒されます。
子どもを持つと、お金や手間はかかってしまいますが、一緒に過ごす楽しさは、何ものにも代えがたいものがあります。
子どもを育てながら、もう一度、自分も一緒に育つ、という面もあります。
子どもの頃、なかなか親に乗せてもらえなかった、デパートの屋上などにある、小さい子向けの乗り物。ある程度大きくなったら、
「あれは赤ちゃん用だよ」と言われ、結局、乗ることができずに大きくなった自分。
(もしかしたら、自分の記憶がない、もっと小さい時には乗せてもらったのかもしれませんが)
私は子どもを持ってから、子どもと何度もその乗り物に乗りました。
大人の自分は、その乗り物に大喜びで乗ることはもうありませんが、
「あぁ、こんな感じだったかな?」
「ほんわか、ゆっくり、子どもと一緒で楽しいな」
と思いました。
子どもがいることで、もう一度、子ども時代を自分も追体験できるんです。
子育て補助金は大変ありがたいものですが、
お金だけではなく、
女性に子育ての負担が偏りがちな現状で、
女性の負担がもっと軽くなるようにするとか、
男性が子育てにもっと関われるようにするとか、
地域で子育てを見守る体制を整えるとか、
子育てをつらくしている様々な要因にもっと目を向けていく必要があると思います。