俺、雑魚すぎ
じゃこじゃないです。
雑魚(じゃこ)は、煮干しの別名。出汁雑魚(だしじゃこ)とも呼ぶ。
ざこです。
雑魚(ざこ)は、商品価値の低い魚、特に小魚の総称。転じて大した人物でない人をこのように呼ぶ。
未来に待ち合わせするための連続講座『言葉の企画2020』に参加して、4カ月経過、合計7回の講義は5回が終了。残り2回。
ぼくは総選挙で一度も得票数1位になったことがありません。
「涙しました」なんて書いてもらえる課題を提出してる人もいるのに、
ぼくの課題は誰にも伝わらない。
何者にもなれていない自分に胸が痛い。
焦りばかり先行する。喉が狭い感じがする。唾が通りにくい。
「何かすごいものを書かなければ」という使命感。
「みんながアッと驚く何かを提出する自分」が視界の裏にいつも映る。
こうなればいいのに、と願い、夢見て、自分を奮い立たせる。
でも結局は映るだけ。テレビや映画と同じで、別世界の出来事に過ぎない。
小学生のころ、何をするにも成功する自分のビジョンを頭に思い浮かべた。
というより、勝手に思い浮かんだ。
50m走、跳び箱、ドッジボール、異性との会話、テスト。
50m走はクラスで1位だし、
跳び箱は誰よりも高く飛べるし、
ドッジボールは最後までフィールドに残って外野を救うし、
異性との会話は流ちょうだし、
テストは90点以上。
全部、空想だった。
「ぼくが思い浮かべた理想像」=「実現しない」
何時しかこんな方程式が出来上がって、卑屈になってしまった。
この卑屈色に心が染まった心は、後にいじめの対象になり、更に色が濃くなった。
絵具で絵をかき終わった後の水入れの中の水の色みたいな濁った心。
濁った心は大学2回生まで続きました。
大学2回生から始めた情報通信系の営業アルバイトとNTTへの長期インターンシップで評価されたあたりから、水が新品に入れ替わった気がする。
無事就職活動も終了し、日立系情報システム企業に就職。
大学生時代の経験が活き、顧客からも高評価、営業成績も好調。
営業賞も受賞。鼻がフンフンなっていた気がする。
順風満帆。ヘッドハンティングを受けて転職にも成功した。
いつの日か見た「視界の裏のビジョン」を現実にできる力を得ていた。
想像したビジョンは叶う。なんと気持ちいいのか。
でもこれってよく考えたら、新卒入社後2年目に営業賞をもらうまでに大学時代を含めて情報通信業界に携わって4年かかってる。
ヘッドハンティングされるまでには更に2年を要しているので6年かかっている。
どうやらぼくは「視界の裏にみるビジョンを現実にする力」を得るまでには少なくとも4年、長ければ6年程かかるみたい。
ぼくは今、名づけ、コピー、PRなどの企画で「叶わないビジョン」を見続けている。
こんなに長い年月をかけないと叶わないのか。力が付かないのか。
ぼくは天才でも秀才でもなんでもなくて、ただひたすらに時間をかけて、うんと努力しないと、評価されないのか。
いや、こんなときこそ物は言いようだ。
きっと、噛めば噛むほど味が出るのがぼくなんだ。
んん、なるほど、冒頭部分、間違ってなかったのか。
俺、じゃこすぎ。