見本みたいなガンプラの作り方(あるいは見本みたいなラーメン)
俺たちはラーメンが食べたい
こんにちは。マシーナリーとも子です。
ガンプラを作りました。
水星の魔女の「ガンダムルブリスソーン」というやつです。
プラモというのは料理に似ておりまして、とりあえず買ってきて説明書の通りに作ればなんかそういうものが出来上がります。例えるならばインスタントラーメンのようなものです。
でもインスタントラーメンは説明書の通りに作ると
こうです。具がない!
箱にプリントされてる写真は具沢山で美味しそうなのに!
でもインスタントラーメンはえらいので具がなくても美味しい。
ガンプラも同じで
箱にプリントされてる写真はカッコいいのに
説明書の通りに作るとなんか物足りない。色とか。
でもガンプラもえらいので色が足りなくてもちゃんとかっこいい。
しかし我々はラーメンに具を入れたりしたくなったりしますね?
ガンプラもやはりラーメンと同じでチャーシューとかメンマとか乗せたりしたくなる時がある! すると
こうなります。
俺たちはガンプラに具を乗せたい!!
というわけで今日はガンプラにチャーシューとかを乗せてラーメンの袋に書いてあるラーメンみたいなやつをなんとなく作れるようになる方法というか「俺はこうしてる」というのを書こうと思います。なんとなく久々にこういうやつが書きたくなったから……。ラーメンを作るぞ!
ラーメン食べたいな。
ラーメンを作る
具体的に具が乗ったラーメン……ややこしくなってきたので普通にもうガンプラって言うわ。ラーメンってなんだよ。
ガンプラを作るとき、私は以下のような感じで作ってます。
1.仮組み
2.どう仕上げるか考える
3.改造したければする
4.ヤスリがけをする
5.塗料を買いに行く
6.サーフェイサーを吹く
7.エアブラシで色を塗る
8.筆で色を塗る
9.デカールを貼る
11.ツヤを整える
12.シールを貼る
13.完成
リストに起こすと多いな。嫌になってきた。とにかくこうしています。それぞれの作業がなんなのか、なんの意味があるのかは追々話す。
1.仮組み
まずは説明書の通りに組み立てます。組み立てねーとどんな形になるかわかんねーし。
いわゆる「素組み」とも呼ばれる工程ですが「素組み」という言葉については宗教戦争があり、あるのでめんどくさいので避けます。ガンプラは接着剤を使わずにパチパチ組み立てられるので「パチ組み」と呼んだりもしますがなんかもうこれも死語な気がするな。好きに呼んだらいい勝手にしたらいい。
とにかく説明書の通りに組み立てると
「かっこいいなあ」
とか思ったり
「ここがムカつくな」
とか思ったりします。ラーメン食って(またラーメンの話してる!)「具がもっと欲しいな」とか思ったり「味が薄いな」って思ったりするのと一緒です。なよで解決していきます。
2.どう仕上げるか考える
組み立てると「もっとこうしてやりてえ!」という欲望が芽生えるのでそれを叶えるための行動をしたり、インターネットで他に作ってるやつの写真を見たりして「これはパクれるぞ!」と思ったりしてインスピレーションを養います。
ここでは寝たりTwitterを見たりするだけで何もしません。
あるいは組み立てたままのガンプラを机の横に置きっぱなしにしておいて1週間くらい足を捻ったりして遊んだりして過ごします。
3.改造したければする
2のときに悶々としたプランに基づいて改造の必要があればします。
別にこれも発生しないことが多い。ただ色が足りないから塗りたいだけなんだがみたいなときには発生しない。
今回は改造というほどのものではないですが「ルブリスソーンは腕と脚を入れ替えるとアーマード・コアの逆関節みたいになってかっこいいぞ」もいうのを見かけたので真似しました。
あと左手が寂しいので適当な他のガンプラから銃をひったくって持たせました。
このままだと袖に手が微妙に干渉してすぐポロッと落ちるので適当に袖をニッパーでカットしたりして辻褄を合わせたりもしました。
昔はプラモ作るくらいしかやることがなかったので
「脚が短いからノコギリで両断してプラ板を挟んで伸ばすぞ!」
とか
「頭がカッコ悪いからイチからパテで作り直すぞ!」
とかやったりしてましたがいまはそんなこと全くやりたくないのであんまり改造しません。
4.ヤスリがけをする
ここまでやったら今度はヤスリがけをします。
なぜヤスリがけなんかする必要があるのか? 実際のところマジでめんどくさい作業だし別にやらなくてもいいのですが色々理由はあって、いちばんの理由は「実はプラモの表面って平滑じゃないから」
だったりします。
どういうことかというと金型からプラスチックが剥がれる時にどうしても面がうねったりとか、凹んだりとかしている。マジで。
いちばん代表的なのが「ヒケ」というやつで
一見きれいなパーツでもヤスリをかけると
このように凹んでいることがわかる。なんでだっ!
こういうパーツの裏面を見ると
このように裏になんか出っ張りがあったりする。アツアツのプラスチックが冷える時にこんな感じに凹んだりするらしい。ふーん。
こういうのをまっすぐにヤスリでならすとカッコよくなるのでプラモに色を塗る我々のような暇人はプラモにヤスリがけをしている。
でもマジでヤスリがけとかしなくてもいい作業ではあって例えば
過去作ったこのガンプラはマジで一切ヤスリがけとかしたくなかったのでまったくヤスらずに色だけ塗った。でも別にわかんないでしょ? だからめんどくさかったらやらなくていいです。
サトイモとか人参とか人参をを面取りするかしないかみたいな話でしかない。やりたきゃやれ。
私はというと最近は逆にヤスリがけって楽しいなみたいな精神状態になりつつあるので今回は大喜びでプリキュア見ながらやりました。
ヤスリは昔は紙やすりとか使ってとんですが最近は最初からヤスリの"あて木"がついてる「ヤスリスティック」とスポンジ状で曲面に馴染む「スポンジヤスリ」しか使ってません。
ヤスリってのは数字が小さいと荒々しく、デカいと滑らかになっていくんだけどガンプラ作るときには大体#400と#600、念のため#800、おまじない程度に#1000があればいい。でもマジで#400と#600だけでいい。
具体的には#400でザリザリ平面を出して、そうすると傷だらけになってしまうので#600で滑らかに均すみたいな感じで使う。
そのあとサーフェイサーっていう傷埋めを吹けば大体平滑になるんだけど心配なときとか色を塗りたくないところは#800までかけるみたいな感じだ。適当にやってください。
今回は基本的に茶色い装甲部分しか塗るつもりなかったので茶色いとこを#400と#600でヤスった。
あとアンテナを尖らせたんですけど塗りたくないからここだけ#800までかけて滑らかにしました。そんだけ。
白いパーツとかグレーのパーツはダルく、色塗りたくないので武器とか盾以外は……具体的には関節とか……はヤスらなかった。やりたい人はやってください。
5.塗料を買いに行く
だいたいこの辺りで「こんな色に塗りたいなあ」という気持ちが具体的になってきます。
でもだいたいそういうドンピシャな色は家にないのでヨドバシとかに買いに行かねばならない。
今回はルブリスソーンのカラーが淡い茶色というテンションが上がらない色なんだけど、でもアニメと違いすぎる色とか塗りたくないぜみたいな気持ちもあったので「銅も茶色みたいなもんだろ」という精神を発揮してガイアノーツのパールカッパーという塗料を買いました。
1本だと足りなさそうなので2本買いました。足りなかったので2本買ってよかった。
6.サーフェイサーを吹く
サーフェイサーというのはいわゆる下地材で、細かいヤスリ掛けでついた傷を埋めて滑らかにしてくれるしあと塗料が食いつきやすくなる。あとグレーになる(ピンクとかもある)。全体的によほど強い思想がない限りは吹いておいたほうがいいことが多い。おまじない効果もある。
言い忘れたけどサーフェイサー吹く前に食器用洗剤と歯ブラシとか使ってパーツをピカピカに洗っておいたほうがいい。ヤスリのカスとかめちゃめちゃついてるし、あとほらお前さんの手ってベタベタしてるから……。
7.エアブラシで色を塗る
エアブラシっていう、なんか……あるんスよゴツい機械が。それを使うと塗料が霧みたいになってバーときれいに吹ける。
箱の横の見本写真とかもだいたいあれはエアブラシ 使って塗ってる。だから箱の横みたいなやつが作りたくなったらエアブラシを買えばできます。
エアブラシってのは空気と塗料をコントロールするエアブラシ本体と、空気を送り込むコンプレッサーってのをセットで使うんだけど、これを揃えようとするとウン万円くらいするんだけど最近はなんかコンプレッサーとエアブラシが片手サイズで合体した謎の製品が5000円くらいで山のようにAmazonにあったりするので別にそれでもいい。
色を塗るとプラスチックとはまったく質感が変わってきて「塗ったな〜」という気持ちになります。
プラスチックって意外と透けてたりするので(最近のガンプラは濃くてあんまり透けてないけど)色塗るとそれだけですげえいい感じになったりする。いいね。
8.筆で色を塗る
エアブラシだけで色を塗ろうとするとダルいので細かいところは筆で塗ります。
さっき塗ったガイアノーツのカラーはプラモデル業界では俗に「ラッカー塗料」と呼ばれているんですが、この上から「水性アクリル塗料」や「エナメル塗料」を塗るとラッカー塗料が滲んだりしないので楽にチマチマ塗れます。
私は水彩絵画に使われる「アクリルガッシュ」ってのを使ってます。
これのジェットブラックという黒塗料を、ちょっと段落ちっぽくなってるところとか筋彫りに塗ったりする。いわゆる「スミイレ」という作業もこれでしてしまいます。
「おい! いきなりスミイレとか言い始めて、なんだよそれは!」という奴がいたらTwitterのフォロワーにでも聞いてください。誰かは知ってる。
この塗料がはみ出たところを、マジックリンを染み込ませた綿棒で擦ると綺麗に剥がれます。上の写真で言うと右側が剥がす前で左が剥がした後。
こんな感じになる。もはや出来たも同然。
9.デカールを貼る
デカールってのは激薄のなんかシールみたいなやつで、すげえ薄いからプラモに貼るとカッコいい。
注意書きとかをたくさん貼ると飛行機とか宇宙船みたいでカッコいいし、差し色としての機能もあるので貼るとそれっぽくなります。はればいい。
私はハイキューパーツというところのデカールを信用しているのでここのデカールを買いまくってたくさん持っている。
こういうものをハサミでひとつひとつ切って、水に濡らすと台紙からマーキングだけスライドして貼れるようになるので貼りたいところに移動して貼る。貼ったら綿棒で水分を吸い取る。
なんだろ、ネイルシール? そうネイルシール! ネイルシールみたいな奴です。伝われ。
デカールを濡らして貼る作業にはこのトレイを使うと驚くほど便利です。
デカールの裏側にはノリがついてるんですがあまり信用ならないので別売りのノリを買ってきて上から塗ってます。安心感がある。
デカールを貼るとこんな感じになります。
いろんな色や柄があるので好きなものを貼ろう!
11.ツヤを整える
デカールが乾いたらツヤを整えます。
私はプレミアムトップコートツヤ消しというものを信用し切っており、最近はあらゆるものにこれを拭いています。
これを吹くと透明の膜が貼るので塗装とかデカールもある程度守ってくれる。何よりも質感がそれっぽくなってかっこいい。
このガンダム・銃は段落ちの黒以外まったく色を塗ってないんですが、デカール貼ってトップコートを吹いただけでなんか、ちゃんと塗ってんじゃんみたいな仕上がりになっており、すごい。つまり色なんか塗る必要はないんです。帰れ帰れ!
12.シールを貼る
ガンプラにはシールがついており、テカテカしていてかっこいいのでセンサーとかなんか発光するところのやつは色塗るよりかっこいいなみたいなのがあるのでツヤ落としたあと最後に貼るといいです。
『水星の魔女』最新話を見ながら作業してたんですが、このシールを貼ってる最中にこのガンダムの相方のガンダムに乗ってる女の子が死んで「は?」って言ってました。
13.完成
組み立てて完成。
やったなぁ〜〜。道のりを振り替えましょう。
これが
こうなって
こうなった。
いかがでしょうか。ラーメンに具は乗りましたでしょうか。
できたら自慢しよう
せっかく作ったので写真を撮って自慢しましょう
写真の撮り方は下手だし理論的なことは言えないのでググってください。
昔、比喩ではなくガンプラを立たせる仕事をしていたことがあるのですが
「カトキ立ちを極めるにはこの仕事を10年続けないと無理」
と言われたことを鮮明に覚えています。そんなラーメン屋みたいなこと言われるんだ…って思ったけど思い返すとマジだなって思うしまだできてない。
これはオタク・こだわりポイントなんですが肩のマーキング。これは本機「ガンダムルブリスソーン」の名前の由来、ルーン文字のソーン(スリザス)を表しています。
適当なネイルシールとがあれば良かったんだけど、近年ルーン文字もちょっとこう……なんか……調べれば出てくるんですが不謹慎じゃね? みたいな自主規制が進みがちであまり使われてなかったりします。
有名なところではスクウェア・エニックスの「サガ・フロンティア』に「印術」というルーン文字を操る術が出てくるんですが、先日発売されたリマスター版ではなんか知らん文字になっていました。
でも「いやルーン文字とか昔っから使われてたものだし」みたいな主張とかあったりそもそもBluetoothのアイコンとしてバリバリ使われてたりするので別にいいじゃんって思ったりするんですがとにかくガンダムルブリスソーンにソーンのルーン文字あしらってるのカッコよくないですか? ということを言いたかった。ルブリスウルを作ったら同じことしたい。
ところでそう、適当なものがなかったので適当なラインデカールを組み合わせて貼りました。今日はこれが言いたかった。もう閉じていいですよ。
腕と脚を入れ替えたので踵からビームサーベルが出る。
まあ満足した。
だいたい購入から1ヶ月くらいかかりました。
「そんなにかかるのかよ!」
と思うか
「1ヶ月も遊べるなんて得だぜ!」
と思うからあなた次第です。コスパがいいかどうかはわかんねえ。なんかだって結構道具とか買ってるし……。まあでも車とかよりは安いよ多分。
さようなら
言いたいこと言ったのでなんかとくに締めとか思いつかない。
みんなもやりましょう。やらなくたっていい。