2020年12月の記事一覧
マシーナリーとも子EX ~大仏に消えたロボ編~
シンギュラリティ池袋支部の第三会議室。その壁面に据えられた大判のディスプレイ。13時を50秒ほど過ぎたかと思うとその画面がブンと波打ち、編笠を被ったサイボーグが映し出された。
「どうも、本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。14連斬笹平です」
笹平はペコリと頭を下げながら手に取付けられたリボルバーピストルのトリガーを引き、ハンマーが落ちた。カチンと音が鳴り、弾が込められてい
マシーナリーとも子EX 〜溶ける家篇〜
池袋山本ビルディングを所有する不動産屋の社長。そのスーツを、皮膚を破って内部からキチン質が飛び出す。事務所を磯の匂いが満たす!
「ゲオオーーーッ!!」
社長の内部から出てきたのは巨大な甲殻類だった。凶悪なハサミももちろんだが、それ以上に目を引くのは下半身を納めた巻貝だ! その表面はカキのように幾層にも波打ち、無数のエッジが触れるものすべてを傷つけようと光沢を放っている。それがドリルのように
マシーナリーとも子EX 〜遅刻と大家とキチン質篇〜
「まずっ!」
マシーナリーとも子が思わずこぼしたのでネットリテラシーたか子は慌てた。
「おい! あんまりハッキリモノを言うな! ネットリテラシーが低いわよ」
「でもよぉ〜、いくら安ホテルの朝食ビュッフェだからってこいつぁひどすぎるぜ。パンはふにゃふにゃだしウインナーもくたびれてる。タマゴの火の通り過ぎたことといったら! 納豆ご飯にすれば良かったね。あれなら既製品だ」
たか子は自分のカレー
マシーナリーとも子EX 〜時間移動と部署異動篇〜
キュイっ! キュイっ!
踏みしめた床から音が鳴り、その者は一瞬たじろいだ。動きを止め、周囲を見渡す。しばらくするとその者は再び、今度はゆっくりと足を踏み出した。ゆっくり床に足をつけ、体重を伝える。
キュ……イ……。
やはり音は鳴ったが、今度はゆっくりだった。その者はほっと息を吐き出す。
次の瞬間、背後から殺気。
キュイキュイキュイ! 音が鳴るのも構わず戦闘態勢を取りながら振り向く。