実はこんなことが起きていた
ここで紹介している差別事例は、大きく聞かれているお話である。しかし実は、細かな差別事例というのは数えきれないこといっぱいある。その中で、私が驚いた事例を1つ挙げたい。その事例は、北海道で起こったのである。また被害者は、なんと母校の大先輩であり母校には指導教材として取り扱うことなかった差別事例のお話である。
当時、被害者の担任をしていた方とお話して裏の状況を知ることが出来た。また当時の新聞記事も切り抜いたので、まずはご覧ください。この差別事例の記事を読むことない卒業生が多くいるし、サークル員などきこえる人にもあまり知られていない情報であるので、改めて知って頂ければ幸いである。
(※北海道新聞2001年4月14日付より引用)
ちょうど20年目なんですね。たまたま紹介する日が20年経つという時期ですが、改めて風化させない意味でも一つの学びとして良い機会だと思って欲しいですね。
当時の耳のきこえない高校生(大先輩)が母校を卒業して就職のためにアパート入居を楽しみにしていた。しかし、アパート入居を拒否された差別が起きたわけである。その差別のエピソードを紹介している。この理由が、動画内で伝えている相対的欠格条項の一つになる。(解説は、動画「法から見る過去と現在」を見ていただければ幸いである。)
障がいを理由とした身体的なことは精神上の理由として挙げる絶対的欠格条項にもなるが、アパート入居拒否の事例の場合これは契約上で不動産会社と家主のやり取りの事情を理由として、本人に対して不十分な差別があったということが分かる。
「障がいがあることを家主に事前に伝えていなかった。」
これが問題視となって拒否され、結局は家主が障がい者だからという理由で入居は認められない。つまり、考えが変わるケースが起こってしまったという。当時の背景では、極めて難しいケースであった。
現在でいうと、不動産会社と家主の間では必ず事前に「障がいの有無」をきちんと契約上で記載することを確認した上で実施するようになっているので差別事例はなくなった。きちんと契約時に本人が障がい者であることを伝えることがトラブル防止となるので、隠さず障がい認識を高めた姿勢で接することを願いたい。
私の経験でいうと、3度引越しした経験がある。最初は問題なかったが、2度目の引っ越しでは障がいを理由として拒否しているわけではないが、一番問題となっているのが町内会の加入、コミュニケーションを図るための連絡手段に同意できないことから、希望していた家に入居は出来ないという事例である。差別事例とは当てはまらないが事情上での相対的欠格条項に近い形である。
きこえないから電話で連絡する必要がある。
町内会の連絡は、電話がほとんどなので加入上難しい。
といったことを見受けたこともあり、私が引越しした当時は電話リレーサービスもなく、メール主体であったため電話代理という方法は難しかった背景がある。このように不動産会社側に置いても障がい者ということを理由として拒否することないように家主への理解を説明して求めていくなど、拒否されることないよう努力することを願いたい。
次は、私だけではなくみなさんにもよくあるとしてクレジットカードの本人確認もその一つになる。本人確認がないと出来ない=声で判断するというのは本当に出来るでしょうか。という疑問である。
本人の電話番号だとしても、かけた人が代理であったら認められない。
代理の電話番号で本人がかけたら、これは認められるというのか。
という捉え方で要するに相対的欠格条項というのは、人それぞれの判断次第なのでまずは障がい理解を求めなければならない難題が山積みである。きこえる人も少なからず、相対的欠格条項に含まれた被害者であると同じであることの気付きが大事だというのが私の考えである。
(※全日本ろうあ連盟 金融庁へ要望書を提出 2019年より一部抜粋)
記述したクレジットカードの本人確認については、全国各地でも同じ起こっていることから全日本ろうあ連盟は毎年、同じ内容で金融庁に働きがけているが改善はまだまだである。非常に早く取り組んで欲しいものである。本人確認という障壁をなくすことにより、より共生な社会実現になって欲しい。
電話通訳リレーサービスという新たな合理的配慮の環境整備であっても本人確認という捉え方=相対的欠格条項はまだ解決されていない。という現状をみなさんに知っていただきたいと思い、綴じてみた。