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養命酒のジレンマ
午前中は月に1度の読書会があり、昼に別の駅での予定を済ませて、そのまま映画でも観ようかと思っていたが、風が冷たくて引き返すことにした。
何となく喉も痛い気がして、帰りに薬局に寄って養命酒を買った。
公式ウェブサイトの効能・効果をみると、
「冷え症、肉体疲労、胃腸虚弱、血色不良、虚弱体質、食欲不振、病中病後の滋養強壮に」
と書いてあって、まさに私が求めていたものだった。
ただ気になることがあって、一回20mlを一日3回飲むのが推奨されているのだけど、アルコール度数が14%あるらしい。
私は普段ほとんど飲酒しないので、ワインとか日本酒くらいの度数のものを毎日飲み続けることにはちょっと抵抗がある。
それよりも大変なのは一日3回飲むことで、夜は良いとして、朝の仕事前に飲むのと、お昼休みに飲むのは気が引ける。
そもそも、養命酒の瓶を毎日職場に持って行くことは現実的ではないので、家用の養命酒と、職場用の養命酒の合計2本が必要ではないか?
2本目は昼休みに職場近くの薬局で買って置いておく、というのも思い浮かんだが、それはアウトなんじゃないだろうか?
そう思って調べてみると、ヤフー知恵袋的なウェブサイトで、「職場に養命酒を隠し置いてる人がいますがアウトですよね?」みたいなことを聞いている人がいて、「アウトに決まってます」的な返事があった。
じゃあ、普通に仕事してたら養命酒飲めないじゃないか!
と思ったが、社会的な規範に反する一切の心配なく毎日3回養命酒を飲める人って、結構限られているんじゃないだろうか。
そして、そもそも論だが、私は仕事してなかったらこんなに疲れないだろうから、養命酒は必要なくなるんじゃないか、と思う。
とは言え、仕事は結構好きだから、健康に仕事したくて養命酒に行き着いたのに、正しい用法用量を守ろうとすると勤務時間中に酒気帯び状態になってしまうのではという問題にぶつかる...。
まぁ、仕方ないから平日はしばらく夜だけ飲むことにするとして、日曜日だったので早速お昼に飲むことにした。
口に含むと、強めの生薬の香り、特にシナモンのようなフレーバーがガツンと来る。味は結構しっかり甘い。
個人的には非常に好みの味で、美味しさは求めていなかったので、これは嬉しい驚きだった。
が、私はハーブとかスパイスとか漢方とかの味が大好きなので、そういう味が苦手な人には辛いかもしれない。
そして驚くことに、飲んでいる途中で靴下を脱いでしまうほど、身体がポカポカするような気がした。
これは生薬の効き目というよりも、アルコールで身体が温まった気になっているのだろうと思いつつ、年中手足の冷えに悩まされている私にとっては喜ばしいことだった。
で、食前に養命酒を飲んで、お昼ご飯を食べたのだけど、食べ終わると眠くなって、横になってこの文章を書いている。
眠くなったのがお腹がいっぱいになったからか、養命酒のアルコールのせいかは分からないし、そもそもいつもゴロゴロしているじゃないか!と言われればその通りだけど、やっぱり昼に職場で飲むのはやめておこうと思っている。