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報われる事の無い単独ライブ。

あるテレビ番組から、マッハスピード豪速球の単独ライブの事をランジャタイが本番で話したので宣材写真を使ってもいいか?と確認が来た。
ランジャタイがあの、大変だった単独ライブをテレビで話題にしてくれた!?本当にありがたかった。嬉しい。
ようやくあの単独ライブが報われるのか??

ランジャタイが話題にしてくれたのは、今から5年くらい前に行った、来てくれたお客さん全員に1000円あげる単独ライブだ。
さらっと文字で説明を読んでも理解不能かもしれませんが、文字通り
“来たお客さんが単独ライブを見て1000円貰えるライブ”です。
会場の席数は340席、単純計算でも34万円赤字スタートの単独ライブ。
 
何故こんな単独ライブを行う事になったのか?今となってはよく覚えていませんが、第三の『マッハスピード豪速球』ことドS鬼畜作家の『宇野コーヘー』の入り知恵があった事は確かでしょう。
 
なんにせよ当時の我々はこの無謀な単独ライブに何か光を見出していたのです。
 
色々難しかったけど、まずチケットの発売方法が難しかった。
 
1000円欲しい方は当日来てください。って言うんじゃ余りにも乱暴なので、一回チケットをローソンチケットにて1000円で発売をして当日来てくださったお客様に2000円をキャッシュバックする方法をとりました。ローソンチケットで発売された1000円のチケットは見事に即完売しました。

人生初の即完売と言う事態に一瞬興奮しましたが、よく考えたらただ単に340人に1000円あげる事が決定しただけのこの状況をどう感じて良いか分からず震えながら笑っていたのを覚えています。
 
会場キャパ340人×2000円の現金68万円を用意しなければいけなくなり、単独ライブまで1年間の期間、様々な方法で68万円をかき集めました。
一夜限りのマッハスピード豪速球居酒屋をやってみたり、マッハスピード豪速球のBL漫画を描いてコミケに売りに行ったり、福井県までストリートお笑いをしに行ったり、カンパを募り色々な方にもかなりのカンパ金で助けて頂きまいた。
 
その様子がそのまま単独ライブの幕間映像で流れるので単独ライブ本番は実に盛り上がりました。

会場全体が1000円貰ってるホクホク状態から始まるライブは滑るわけがございません。
そうそれは本当にこの世のライブで一番盛り上がったんじゃなかろうか?
コントも幕間も終始異常な熱気のまま幕を閉じました。
 
誤算だったのがこの後の物販が思ったより売れなかった事。物販で何とか黒字にしようと目論んでいた我々は焦りました。

1,000円貰った人が必ず全員買ってくれると踏んで1000円で販売した自作のBL漫画
『真裸スピード豪速球』は200冊売れ残り、一発逆転で本物の18金で作ったネックレス59000円も見事に売れませんでした。


 顔面蒼白になりながらロビーに立ちすくんでいると


「ほな、1,000円貰っていくで!!」
そう言いながら嬉しそうに1,000円を握りしめてソニー芸人の『おぐさん』が満面の笑顔で会場を去って行きました。
気がつくとロビーは嬉しそうに千円を握りしめるお金の無い芸人たちがいっぱい居ました。

そうしてこの単独ライブは大赤字で幕を閉じました。

先程、冒頭の番組から
あのランジャタイのコーナー丸々カットになったと
ご連絡を頂きました。
この単独ライブが報われる事はいつかあるのだろうか。


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