映画『鹿の国』感想②パンフレットを読んだ
感想①はこちら
『鹿の国』ホームページ https://shikanokuni.vfo.co.jp/#theaters
『鹿の国』鑑賞から一晩明けてパンフレットを読んでみると、あの作品の目的は諏訪信仰を俯瞰的に捉えることではないのだろうなということをより感じた。
諏訪信仰の一面を切り取りつつ、その目線はむしろ現代に生きる人々と信仰の自然な関係性に注がれていたような…。私が信仰に対してコンプレックスを持っているからそう見えるのもあるのかもしれないけれど。中世に行われていた御室神事の再現というのも好奇心としては目玉だけれど、作品の中の役割としては御室神事を狂言回しにしながらその上で四季を謳歌していたのは現代の人々、というのがとても好きだな。中世の神事の成果が現代の生活を豊かにしているようにも見えて時間間隔が変になって面白い。
パンフレットを読みながら、古の諏訪信仰から匂うものは映画とも今行われている神事とも結構異なるのだろうな~と思いつつ、今行われている神事は今を生きる人のためのものなんだなと思えた。伝統の芸能や神事ってどうしても昔の残滓でしかないと思いがちだったけれど、今に残っている理由は今の人に必要だからなんだなと。
あと本作、色んな人の思いがぶつかり合いながらできたんだな~。全然別の味になる可能性もあった中で、ここに着地したのはこの関係者だからだと思うし好きだ。色んな人の諏訪に関する作品も見てみたい。
そういえば神使様ってひどい目に遭わされるという情報を得ていたけれどそれは誇張って書いてあったから実際はなかったのかな?禊が大変というくらい?
というかパンフレットの中身が超濃厚で、普通に諏訪信仰についての雑誌を読んでいる気分。再度映画を見て確認したいことが増えてきた、うう~今日も満席だよ~