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「あのマンガ、もう一回だけ読ましてくれ…」12〈サケトレインマンガ②~ギャグマンガ編1 ~模話2「ギャグマンガの話に戻ろう…それでその時代の代表的な人は?」模話1「吉田戦車先生をおいてほかにはないよね。革命のような感じでした。そして、喜国雅彦先生、いがらしみきお先生、朝倉世界一先生、中川いさみ先生、中崎タツヤ先生、天久聖一先生、友沢ミミ代先生、そしてボクの大好きなとがしやすたか先生…もうそれは百花繚乱、日本のギャグマンガの重要な時期といえましょう」~〉

模話1「サケトレインのマンガ②だね」

模話2「ギャグでまだ語っていないものがあったってことね」

模話1「そうだね。ボクの編プロ時代にさ、小〇館、日本〇芸社とか白〇社とかの下請けとか孫請けとかさ…マンガ編集者やってた頃のことです」

模話2「その頃のギャグマンガはどうだったの?」

模話1「すごい時代でさ…百花繚乱の4コママンガの時代でしたね」

模話2「作家でいうと?」

模話1「ある編プロにはいれたのは、その編プロの資料棚のマンガの大半がうちにあるものだったってことがあってさ…その話を面接でしたら、すぐ採用になったのよ」

模話2「ついていたね」

模話1「そうだね。その編プロの社長は伝説の編集者でもあった方で…知人漫画家ってのがすごい方々だったのよ」

模話2「例えば?」

模話1「い〇らしみきお先生と同郷だから…宮城県に帰る前によく食事したりしてたとか、電話かかってきたら安〇子先生だったり、年賀状出す人の中にやまが〇先生とかさ…よくあるおれはあの漫画家と仲がいいってのはたいてい尾ひれついてるけど…その社長は〇塚先生と遊びにいくような方だったのよ。本当に」

模話2「すごいね。実際に、衝撃受けた電話があるらしいね」

模話1「山〇青〇先生の電話をとったとき、お名前をきいたときに…あとしどろもどろになったことがあるよ…ボクの世代で子供のころに山〇先生のマンガ読んだことないやつはマンガ好きとは言えないくらいの方だからさ…たのしかったね」

模話2「ギャグマンガの話に戻ろう…それでその時代の代表的な人は?」

模話1「吉田戦車先生をおいてほかにはないよね。革命のような感じでした。そして、喜国雅彦先生、いがらしみきお先生、朝倉世界一先生、中川いさみ先生、中崎タツヤ先生、天久聖一先生、友沢ミミ代先生、そしてボクの大好きなとがしやすたか先生…もうそれは百花繚乱、日本のギャグマンガの重要な時期といえましょう」

模話2「シュールな作品が多かったもんね。もろ好みだね、もわくんの」

模話1「そうなのよ…お金なかったから、なんとか立ち読みとか、食堂で読んだりしてたよね」

模話2「とがしやすたか先生はどこがよかったの?」

模話1「とにかく、あそこまでくだらないギャグをいろんなパターンで笑わせてくれましたね。青春くんという名作がよくあの小学館で連載されたなと…いやあ、いい時代を過ごせたね~(笑)」

模話2「とがしやすたか先生は、キャラクターが結構独特で…登場人物をそれぞれクローズアップして4コマだけど、シリーズ連載みたいでおもしろかったよね」

模話1「まあ、編集者に評判よかった先生でね…アニキみたいで優しい人だったみたい。仕事ではボクは会えなかったから残念です」

模話2「あと、重要な作品というか、作家は?」

模話1「いがらしみきお先生はみんなご存じだろうけど…先生のすごさは、ぼのぼのに至るまでの4コマギャグなんだよね。主に竹書房から出ている作品が、ほんとに画期的で…ロックのアーティストのアルバムを買うのと同じテンションで買っていたよ」

模話2「おすすめは?」

模話1「ネ暗トピアの後半、特に5から7巻かな? 1巻から見てくと、いかに変化して、進化して大成して歴史に名を遺すギャグマンガ家としての過程がわかります。あとはあんたが悪いの「2巻、3巻にバグがでるだっけな? とにかく、だんだんシュールさを増して…到達した境地がぼのぼのってことを感じますね~」

模話2「山上たつひこ先生はどう?」

模話1「もう、ボクにとっては諸星大二郎先生と同じような方で、大作家ですね。特に紀行文っていうか…三人組で旅するシリーズだとか…短編ですごくシュールな作品とか…がきデカも重要なんだけど…幅の広さっていうのはすごいね。つげ義春先生の広さにも多少似てるかもしれない…発言はイメージ(笑)」

模話2「湯ノ花親子とかいいよね」

模話1「こまわりくんと春助のコンビだよね。すごく好きです。三人組旅シリーズはもう10巻くらい出してほしかったね…孤独のグルメ以上に食について深いと思うよ…たらのどんがらじるとか…先生の食べ物はすごく記憶に残るよ。スイカに水道からホースひいている絵とかね(笑)」

模話2「水っぽいスイカが思い浮かぶよね(笑)」

模話1「ギャグマンガであと重要なのは、一時期の蛭子能収さん、極初期の短編とか4コマはすごく面白い。それ以外は読まなくてもいいと思います(笑)」

模話2「あとは?」

模話1「4コマでは根本敬先生も面白かった。杉作J太郎さんとかマディ上原さんとか、ガロ的な人もすごく面白かったよね…重要な作家を忘れていた…しりあがり寿先生だね。ロックだね…フラワー的ロックの先生のイメージかな…根本先生と対極にあるともいえるかも…」

模話2「山松ゆうきち先生の4コマ好きだった(笑)」

模話1「天才だからね…花輪和一さんや山松ゆうきちさんってほんとに類似した作家がいないってのがすごいよね。シリアスなのもお笑いもどっちも面白いね」

模話2「4コマといえば、いしいひさいち先生は?」

模話1「面白いけど、オタクのファン…ちょっとなあ…苦手。いしい先生の4コマ集はいいよね~」

模話2「続く~」