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しゅうかつシリーズ~ボクにも言わせて「アート・絵画を語ろう1 西洋美術編:後期印象派ってどうよ?①」~いちばん好きな画家とかジャンルとか時代とかは…後期印象派だよね。20代半ばに60年代後半のフラワームーブメントの時代の音楽にはまって、ヒッピーカルチャーの影響をうけたわけね。ピーターマックスみたいなサイケデリックアートの影響は受けたんだよ。サイケデリックアートを経由してから、同じような色彩が西洋絵画の中にあることに気づいたんだよね~」

模話1「西洋絵画とかを語ろう」

模話2「結構ジャンルがかわったね」

模話1「うん。やっぱり、音の秘密と同様に、絵画の世界にもとぶ秘密があるんじゃないかなと…若いころに思ったわけよ、直観的にね」

模話2「最初に好きになった西洋絵画って何よ?」

模話1「モネだったね。衝撃でした。画集を大学の時に古本屋で買いだしたときがあってさ。モネとかシスレーとかスーラとかね。やっぱりモネがわかりやすかったね」

模話2「ピーターマックスとかの画集も買ってたよね? ヒッピームーブメントやサイケデリックアートとの関連はあったわけ?」

模話1「最初はただ、印象派が人気あったしさ、ルノアールとか。大学の日文学科だから、芸術好きな人が結構いてさ…美術館に行くって、なんかイケてるなって思ってさ(笑)」

模話2「知ってると、知的な感じがするからか(笑)」

模話1「最初はその程度かな? でもさ、大学生くらいになるとそういう教養としてアートってのは世界を広げてくれるんだよね。アートにしろ、音楽にしろ、実際に見たりきいたりやってみたりすると…結構体力要るっていうか、例えば映画にしても2時間見続けなきゃいけないし…ライブだって、スプリングスティーン見に行けば4時間以上みなきゃいけないじゃん?」

模話2「そうだね。演劇でも、ライブでも、ある意味苦行みたいなとこはあるよね。儀式に近いというか…ある程度時間を体験して通過していかないと意識的なレベルまでは入っていけないよね」

模話1「そうそう。お手軽に、すぐできるとか、すぐリセットしてやりたいときにやるみたいないいかげんさは通用しないじゃない?」

模話2「そうだね。ギター始めるにしても、弦を張ってチューニングして、弦が切れたら張り替えなきゃならないしね。なかなかチューニングあわないとかね、うんざりしてギター挫折ってことはあるだろうしね」

模話1「だから、文学にしても読み続ける意識的な持久力が必要じゃない? そういう意味で、マンガは楽なとこはあるんだけどね」

模話2「でも、極めるとあしたのジョーだって20巻読まなきゃいけないしね(笑)」

模話1「そうだね。話を絵画に戻すと、描くことはもちろんすごいことだけど、絵画展をじっくり全部見るとけっこう体力消耗するんだよね」

模話2「あれ、入ってくる情報も多いし、真剣に作品に対峙するのは、ライブハウスでライブを全部見続けるのと変わらないエネルギーが必要だもんね」

模話1「もっと、気軽に見てるひともいるとは思うけどさ、サブカルって昔はオタクの文化じゃなくてさ、反体制的で、人間をなげだすくらいの感覚で挑むように向かうものっていうものだったという感じがするよね。うちの世代くらいから、オタク的な流れになっていったように記憶するけどさ。とにかく、うちの世代はまだ、軽く芸術やロックやマンガを読もうって感じじゃなかったと思うけどね」

模話2「でも、いまは楽にいろいろ読めたり、見たりできていいんじゃない? 堅苦しく考えすぎだったようにも思うけどね」

模話1「それくらい、真剣に取り組んでたってことなんだよね。だから、軽すぎると、つまらないじゃん? そういいつつ、ネガティブな影響ってこと考えると…とにかくさ、うちの世代はまだ、芸術だとかロックだとかにかかわるってことは覚悟が要るって自覚があった世代じゃないかなと思うけどね。間違ってるかもだけど」

模話2「気を取り直して、西洋絵画の話をしよう。いちばん好きな画家とかジャンルとか時代とかは?」

模話1「後期印象派だよね。さっき、もわもわくんが言ったように、20代半ばに60年代後半のフラワームーブメントの時代の音楽にはまって、ヒッピーカルチャーの影響をうけたわけね。そこで、確かにピーターマックスみたいなサイケデリックアートの影響は受けたんだよ。それまでは、大学生の仲間と勉強する感じで、クールベ見たり、高階先生の無料講演聴きに行ったり、本を読んだりしながら、一般教養的に見てたんだけど、サイケデリックアートを経由してから、かなり積極的に同じような色彩を西洋絵画の中にあることに気づいたんだよね」

模話2「それが、後期印象派?」

模話1「そうだね。ジョルジュ・スーラ、ポール・シニャックの新印象派も好きだったし、知識的にいろんなアートを蓄積したころに楽しくなったんだよね。そこで、セザンヌの存在の意義をある先生から学んだんだよ」

模話2「U先生ね。彼曰く、クールベで頂点を極めた写実主義が写真の発明・普及で絵画が現実の描写の必要の重要性が軽くなって、絵画のなかにひとつの世界を創り上げる可能性が広がったってことでしょ?」

模話1「影響受けたよ。それは、ロックミュージックにもいえることでさ、やはり色彩的なイメージも印象派からの近代絵画、現代絵画ってロックの歴史に多少似てるかなって感じたんだよね…ちなみに、作家の山川健一さんが、印象派が好きで、nhkの番組でローリングストーンズとの共通性を語りつつ持論を展開していたね。ロックと世紀末絵画、印象派以降は通じるものがあるんじゃないかな?(笑)」

模話2「セザンヌは好きだったの?」

模話1「画集はそろえたよ。セザンヌを模写したりした。サントビクトワール山とかの絵とかね(笑)。写実じゃなく、現実じゃなく、イメージの世界を絵画に表現するってのに引かれた。でも、実際はセザンヌの影響を受けたゴーギャンとか、ゴッホとかナビ派のモーリスドニとかのほうが好きだったよ。セザンヌ作品でも有名な絵画のフォルム的なこと〈例えば腕が異常に長いとか、こんな置き方ではリンゴが落ちるはずだみたいに話題になった絵画〉よりはセザンヌ独特の色使いが好きだったんだよね。完全にサイケデリックアートというか…要するにとんだときに見える世界で…もしかしたら曼荼羅とかの東洋の芸術の影響があったんじゃないかなと感じるんだよね。ジャポニスムでも、間接的に仏教アート的な何かだとか東洋的な色の影響っていうのがありそうでしょ。世紀末のパリだとかのヨーロッパの都会ではドラッグみたいなものはやってたらしいし、植民地から曼荼羅だとかも持ってきてたかもしれないし」

模話2「寓意っていう、キリスト教的な暗示的な作品って、もっと深いとこでグノーシス主義とかエジプトとか数秘術とか、そういうバックボーンって西洋にはあるからね」

模話1「意味ありげだよね(笑)。そういうの好きだし、とべる音ってのと同様にとべる色や幾何学模様や形状、そういうものはあると思うね。ゴッホの後期って、絶対みえないはずの色やかたちを見ている感じがあるもん。ボクは、当時見るだけでとんでたから(笑)」

模話2「のちに美術系の出版社で仕事したじゃん?」

模話1「うん。たのしかったよ。そのときに日本の絵画も学んだ…っても基礎くらいだし、たいしたレベルにはいけなかった。浅く広くね。しかも、結構忘れたかなもう(笑)。でも、モダンアートとか、石田徹也さんとか、おもしろい世界も学んだよ。院展とか独立展だとかの王道も、昔の速水御舟とか伊藤若冲とかの日本画もね。熊谷守一さんとかも」

模話2「それでも、やはりゴッホとかドニとかが好きなのね?」

模話1「うん。色彩のユニークさはいまでもたのしめるしね。ただ、象徴主義とかだと、ものにより、ネガティブな影響あるから、ものによっては見ないようにしてるよ」

模話2「たとえば?」

模話1「○○○・〇〇〇とか○○○ァ○○・○○○とかね」

模話2「巨匠だよね」

模話1「マンガ家のでもあるけどね」

模話2「エネルギーが強い芸術作品は影響力があるってことだね」

模話1「芸術って、やはり毒でも薬でもあるエネルギーが強いもんだから…」

模話2「覚悟しろって?(笑)」

模話1「何度も言うけどさ(笑)、そうだね」

模話2「続く~」