見出し画像

しゅうかつロック、ボクにも言わせて 「第135回 ロック対談_だぶる模話模話模話~〈ロック再入門編_【ザ・フー編集アルバム①_デビュー以降Tommy前までの10曲〈1〉_キースムーンがいてこそのザ・フーサウンド編①】①Dogs ②Dogs Part Two ④So Sad About Us ⑧Early Morning Cold Taxiほか〉~」

模話1「いよいよザ・フーの編集アルバムだよ」

模話2「今回のテーマはマイジェネレーション以降Tommy前までってことですが…要するにザ・フーがTommyで完成期を迎える前の輝かしい機運上昇期ということですかい?」

模話1「そうなんじゃ」

模話2「関係ないけどヒロトさんと松重豊さんは元・下北沢珉亭のアルバイト仲間で…その辺はYouTubeのラジオとかでよく聴いてる情報だけどさ…なんと孤独のグルメに曲を提供するらしいね。めでたいね」

模話1「たのしみだね。珉亭には時々行ってたから…もしかしたらすれ違ってるかもしれないよね。あの関西だしみたいな色の薄味のキムチがのった細麵は結構好きで食べた記憶あるね。チャーハンも食べたかも…」

模話2「関係ない話からの…今夜の1曲目お願いいたします!」

①Dogs · The Who
℗ 1968 Polydor Ltd. (UK)

Dogs (Take 2)


模話1「ザ・フーってさ、ラブソングがほとんどないらしいけど…昔、キースムーン追悼コンサートで日戸さんがステージ上で解説してくれたんだけど…犬のラブソングらしいね(笑)」

模話2「人生でこんなビターでスイートなキスは味わったことがないみたいにきこえる歌詞は…そんな話ってことですね(笑)。詳しくは訳詞とかをご覧くださいませ」

②Dogs Part Two · The Who


模話1「ピートタウンゼントのクレジットですが…もうキースムーンの曲といっていいでしょう」

模話2「Tommyまでのキースムーンは、さまざまな解説本にもあるけど…ザ・フーのサウンドを構造的に高めたと申しましょうか…キースムーンがいなかったらたぶんこういう曲になっていなかったのではないかという気がします。ピートタウンゼントもインタビュー記事で『デモテープを作るときにキースムーン風のドラムパターンをイメージして作った』みたいなこと見た気がするし…いずれにしても、キースムーンがいなかったらもっとシンプルな曲でこんなカラフルな作品じゃなかったかもしれないと思うんだよね」

③The Who - Pictures of Lily (1967)

模話1「この美しく切ない曲のすばらしさは言うまでもないですが…このプロモビデオの人を食ったキースムーンのお察しの通りわて叩いておまへんねん的な映像は、ジョンウェントウィッスルのホルンが終わったときの〈ああ息が苦しい〉感じ…おまえベース弾いてないじゃん的なコミカルなザ・フーらしさが出ていて素晴らしいと思いますねん」

模話2「よめたぞ。今回はキースムーンが作り上げたザ・フーのサウンドって感じだね」

④So Sad About Us (Mono Version)
A Quick One ℗ 1966 Polydor Ltd. (UK)

The Who - So Sad About Us - LIVE (1967)


模話1「ライブの同曲はピートタウンゼントのギターのチューニングがハイドパークローリングストーンズ状態になっていて…ちょっと残念なんだけどね…キースムーンのプレイを見てほしいんだよね」

模話2「映画でロジャーダルトリーが〈三人のエゴの強い演奏をキースムーンがうまくまとめてなんとかバランスがとれた〉的なことを言っていたけど…それを垣間見ることができるよね。装飾的でなおかつ見ていてたのしくアクション的に抜群で…よく聴くととても繊細に余計な音がないんだよね。確かに手数は多いけど…要所要所で叩かない箇所もあることがよく聴いてるとわかってくるんだよね」

模話1「テクニック解説のキースムーンのパートを叩いているあるドラマーの動画を見ると…Tommyのオーバーチュアも、叩きまくっているといえばそうでもなく…めりはりがあって…ある意味ジョンボーナムと同じく倹約家といえるところもあると感じますね」

模話2「確かに…二人とも余計なドラムソロは少なくて…特にキースムーンはいわゆるドラムソロをザ・フーのステージではしていないんだよね。確か。まあ、労力で言えばドラムソロ以上に各曲で働きすぎるくらい曲を彩る素晴らしいプレイをやっているからね。ニッキーホプキンスが世界最高のドラマーはキースムーンだっていうのも…天才同士の発言って気がして震えがくるよね」

⑤The Who - The Kids Are Alright

模話1「キースムーンの最高作のひとつ。ロック世界遺産のひとつで…2024年11月にthe oxとともに正式に追加認定されました。なおザ・フーのロック世界遺産認定曲はこれで32曲となりました」

模話2「よかったな」

模話1「なんだ、つめてえなあ」

模話2「しかし、キッズアーオールライトのギターコードだけのギターソロといいますか…ドラム、ベースとのからみはほんとにため息が出る息の合い方だね。コードの響きをキースムーンはまったく邪魔してないどころか…最高の状態に導いている」

⑥Relax · The Who
The Who Sell Out
℗ 1967 Polydor Ltd. (UK)


Relax (live at Fillmore East) / The Who


模話1「キースムーン追悼コンサートでこの曲の難しさとかっこよさがよくわかったんだよね。それからかな。セルアウトは愛聴盤だったけど…リラックスのとびぬけた楽曲、演奏のよさがいま聴くときわだってるんだよね」

模話2「何曲もつなげたような…いずれも印象的でいいメロディーだよね」

⑦Glittering Girl

Glittering Girl (Take 4 / 2018 Mix)



模話1「曲もキースムーンも最高だけど…ギターソロなんとかならんかったのかなあ」

模話2「アコギで歌うピートタウンゼントの映像見たけど…すばらしい曲だったよ。曲自体がよくないと…ずっと聴ける作品にはならないからさ。当たり前だけど。ザ・フーの曲は曲自体、メロディーがすごくいいんだよ」

The Who - Glittering Girl - 1967


⑧The Who - Early Morning Cold Taxi


模話1「キースムーンの声がよくきこえるね。たぶん、好きな曲なんだろうね。隠れた名曲だよね」

模話2「うーん。うつくしい」



⑨Little Billy · The Who

模話1「グロウガールにならぶフェイバリットソングですね。このコード進行がオーバーチュアに1921につながる…それにしてもピートタウンゼントのこの時期のポップセンスあふれる作曲能力の天才性開花がすごいね」

模話2「キースムーンのプレイのコンパクトできっちりしたプレイがすばらしい。こういうかわいいポップロックをやらせたらキースムーンは最高だね」


⑩Glow Girl - The Who

Glow Girl (Version 2 / Pete Townshend Demo)


模話1「ボクのいちばん好きな曲といっていいかも。デモテープのドラムが完全にキースムーンが叩きそうな感じのリズムが入ってるのがなんだかほほえましい」

模話2「原曲というかデモはかなりサイケデリックロックっぽいね。しかし、デモでこんなの持ち込まれたら…ピートタウンゼントの天才性がよくわかるね」

模話1「結構、ベスト盤なみのラインアップになったね」

模話2「まだまだあるからね。次回もおたのしみに~。続く~」


【©tomasu mowa 2024】