とーます模話食べ物シリーズ:それは人には見せられませんね⑤「ぬるい白い飯編5 危険なおかずトップ10 Ⅰ」
ぬるい白い飯、
特に夏の昼すぎにおなかをすかして…
部活動なり、野良仕事なり、
昼の弁当がない日に午後学校から帰ってきたときなど…
自宅にあがると、食卓には置手紙が。
「ユキオくんへ
テーブルにおかずがあります。
味噌汁はなべにあるので、あたためてください。
ごはんは冷めてるのでがまんしてください。」
などと書かれているかもしれません。
保温ガマも時間がたちすぎると乾いたり、
黄色くコメが変色したりするため、
朝炊いたごはんをはやめにどんぶりとかに入れて、
ラップをして保存することもあったと思います。
ユキオくんは土曜日に弁当を持たないで行きました。
家に帰ってきたのは午後1時半くらい…
母親も午後、用事があるそうで、
家には誰もいません。
高校3年の夏…部活動を引退して、
土曜日の昼ご飯をうちで食べることが増えました。
7月の上旬。梅雨時とはいえ、
よく晴れた午後…30度をこえ、食欲はないかと思いきや…
部活動のプレッシャーもなくなり、
土曜日の昼めしうま~。
今日も、おなかはすきにすいている…
鍵を雑庫から出して、一人の家に入ります。
ひひひ。学ランを脱いで、短パンとtシャツに着替え、
うがい手洗い後に、食卓へ近づきます。
見ると、蚊帳のような虫よけの網に守られて…
いくつかのおかずが見える…
そして、どんぶりに盛られた、3合以上ありそうなぬるい白い飯。
母親は、昼に保温ガマからどんぶりに白い飯を移していると見た。
網をとって食卓に座る。
どれどれ…人参とごぼうのきんぴらごぼう。
油茄子ピーマン入り。
新じゃがと玉ねぎとさやえんどうの煮っころがし。
薄い卵焼きを巻いたやつ。
それに、崎陽軒のレトルト入りシュウマイを醤油で煮込んだやつ。
古漬けたくわんにキュウリのキューちゃんにしその実のつけたものに自家製梅干しに紅しょうが…
く~。
ひとりじめだ。
だれにもやらん。
味噌汁は…なんと! ジャガイモと玉ねぎ!
しかもジャガイモがぐずぐずじゃあないか!
こんなもん、あっためないで食べるに決まってる!
ユキオくんは時速100キロで走るバスの中にいるようなくらくら感で、
割り箸を出してきました。
自分のお箸があるのに、割り箸が好き(笑)。
まず、茶碗にどんぶりに入れてあるぬるい白い飯を入れる…と思いきや…
どんぶりごと、目の前に置きました。
これはたいへん。
3合以上をやっつけるつもりでしょう。
誰も彼をとめられません。
だって、ひとりだも~ん(笑)。
ユキオくんはぬるい白い飯の山盛り部分を取り去って、
脇に移動させます。
台地状に上に平らな部分を設けましたね。
そこに、まず、きんぴらごぼうを油にまみれたたれごと、
のせましたねえ…。
しかし、平らな部分の半分以上がまだ白い飯です。
その上に今度は…油ナスを少し白い飯をほじほじしつつ、
お皿の半分くらいをやっぱり油まみれの紫色の…
万年筆をおとしたかのような青紫の汁とともにご飯の平らなあたりの、
約4分の1くらいの場所にのせましたー。
なんと新じゃがの煮っころがしも上にのせた。
これでは白い飯の場所はあとわずか…
なんと!
一気に卵焼きを3分の1くらいちぎって、シュウマイとともにオンザライス。
そして、顔を洗うように、犬のように食べ始めましたね。
ぐいぐい、飲むように押し込んでいます。
食べながらなんと、コンロの上の味噌汁鍋をもってきて…
鍋ごと飲みましたね。
さすがに、飲みにくかったのか、
急に冷静になって器に…なんとラーメンどんぶりを食器棚から出して、
全部を入れました。
しかし、ユキオくんは犬食いにみえますが…
よく見ると、丁寧にお箸の先の方で、きっちり食べていますね。
意外としつけされた部分も垣間見えます。
あ、ここで…麦湯を冷蔵庫から出しました。
ビール用の大ジョッキで、一気に飲んでいます。
というような感じで、
ぬるい白い飯にあう危険なおかずは数知れず。
皆さんもたくさんのおかずで、お好みでおたのしみくださいね~。
次回は、また危険なおかずの続編です。
おたのしみに!