「あのマンガ、もう一回だけ読ましてくれ…」7〈アングラやふしぎマンガ編④ ~「世の中への興味は裏表や善悪関係ないし、二元的な世界だからふたつを知らないと真実がわからないんだよ」「マンガでもマガジンやサンデーだけじゃわからないってことね(笑)」「おう、キングや少年画報や冒険王やマンガ少年や奇想天外にガロを知らないとわからないんだよ(笑)」~ほか〉
模話1「アングラマンガが思ったよりビューが多かったね」
模話2「うれしいね。でもアングラが好きだというより、好きなマンガにアングラ的なものもあるってことじゃん?もわくんは」
模話1「ジャンル分けは読者側の見方だよね、音楽もプロミュージシャンって自由な感じだもん」
模話2「ゲイトマウスブラウンって自由な感じでかっこよかったよね。とはいえ、テキサススタイルのブギーは超かっこええしね。自分のスタイルありきでかつ自由な感じはぐっときます」
模話1「関係ないけど、諸星大二郎先生はもろぼしじゃなくてもろほしだって知ってた?」
模話2「最近丸C見て気づいたよ(笑)」
模話1「ゲイトマウスブラウンをゲートーマスブラウンと言い間違えてたのと同じくらい衝撃うけたぞ(笑)」
模話2「カタカナは読みにくいし覚えにくいよ(笑)。話題をマンガに戻すけどさ、前回滝田ゆう先生の話をしたでしょ?もわくんは一時期集めてたよね?」
模話1「ひとつは、コンビニでコミックス売り出した頃で、なんでか滝田ゆう先生のを買ったのが最初かもしれない。あと図書館では先生のが割とあったよね」
模話2「東京に住んでた頃でしょ?東京下町の文化の記録としても貴重な作品だもんね」
模話1「性描写が露骨じゃないし、かわいらしいタッチでエロチックさが控えめだったからかな?でも玉ノ井とか赤線青線の話多くて、東京の遊郭事情の関連本とかも並行して読んだよ。参考になったな」
模話2「同和や遊廓含めて江戸の文化や表だけでなく裏の東京事情を読み漁ってた時期あるよね(笑)」
模話1「宇宙を知るにはまず地域からよね(笑)」
模話2「ラー文書か(笑)」
模話1「世の中への興味は裏表や善悪関係ないし、二元的な世界だからふたつを知らないと真実がわからないんだよ」
模話2「マンガでもマガジンやサンデーだけじゃわからないってことね(笑)」
模話1「おう、キングや少年画報や冒険王やマンガ少年や奇想天外にガロを知らないとわからないんだよ(笑)」
模話2「書籍よりもマンガは早く読めるし、画像から入る情報は便利だもんね」
模話1「マンガって、スポーツでいえば当時はいまのサッカーみたいなもんで、才能ある人間はマンガ家を目指したんだよね」
模話2「横尾忠則先生もそうらしいね」
模話1「当時の野球はスポーツの最高峰でさ、運動できるやつはまず野球の時代だった。マンガもそれに近い時代があったよね」
模話2「確かに。マンガはあらゆる文化の入り口でもあったよね」
模話1「そうだね。ロックに近いかなロックを聴いてから他の文化に気づくことはよくあったよね。ユーロロック聴いてから世紀末アート目覚めるとか、パンク聴いてから反体制に目覚めるとか、人間椅子聴いてから江戸川乱歩読むとか(笑)」
模話2「じゃあ、もわくんはマンガ通じて何に目覚めたの?」
模話1「食べ物とかかな?(笑)」
模話2「確かに、美味しんぼで見てから食べたものとかあるよね。トンポーローはかわつきだったの知らなかったしね」
模話1「先付けとか強肴とか懐石料理の知識は庖丁無宿とかさ(笑)」
模話2「もろもろの文化の窓口にマンガはなったんだね」
模話1「つげ義春先生は太宰さんとか井伏さんの紀行文みたいなの読むきっかけになったり、シュールな絵画を好きになるきっかけになったよ」
模話2「滝田ゆう先生は東京文化のきっかけになったりね」
模話1「横山光輝先生の歴史ものにもお世話になりました」
模話2「水木先生のヒットラーとかもでしょ?」
模話1「うん、入門書としてのマンガは役立つよな」
模話2「アングラマンガは役に立ったの?」
模話1「この世の表に出にくいものを知るには役に立ったのです」
模話2「誰の影響が強かった?」
模話1「つげさん、もろほしさんかな?」
模話2「まだまだマンガ話は尽きないね。続く~」