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しゅうかつロック、ボクにも言わせて 「第110回 ロック対談_だぶる模話模話模話~〈サイケデリックロックの成立のころの話2_サイケデリックビートルズ編②【Only A Northern Song、It'sAll Too Much、I Want To Tell You、Baby, You're A Rich Man ほか】〉~」

模話1「サイケデリックビートルズ②だよ」

模話2「タイトルかえたね(笑)」

模話1「でも、前回はビートルズだけじゃないしねえ、ちょっと迷ったけど…やっぱり、時代としても音楽としてもビートルズがいかにサイケデリックロックの中で先駆的な存在だったかってのは事実だしさ」

模話2「1曲目はリボルバーのジョージハリスンの曲だよね?」

模話1「前回入れ忘れた感じね」

The Beatles - I Want To Tell You


模話2「ジョージハリスンのというより、ジョンレノンとジョージハリスンのセットみたいな感じが多いのかも…」

模話1「確かに…ストロベリーフィールズフォエバーにしても、あのジョージハリスンのギターだと思うんだけど…トリルかましたあの印象的なシタールみたいなギターソロとか…I Want To Tell Youのリフとかさ…印象に残るんだよね。技巧派からはジョージハリスンはあまり関心ないかもだけど。でも、カールパーキンスの弟子みたいな感じだし…ヒルビリーっぽいフレーズ得意だし…アイデアに富むギタリストだったよ」

模話2「ライブ見に行ったときに、この曲やってたんじゃなかったっけ?」

模話1「オンリーアノーザンソングとかもやったかも。クラプトンと一緒だったから…クラプトンファンの圧が強くて…なんか気の毒だったかも」

模話2「バッジはクラプトンもいたから、盛り上がったでしょ」

模話1「Got My Mind Set on Youのカバーで復活してたからさ…二人の状態も良くていいコンサートだったけどね」

Cream - Badge


George Harrison - Got My Mind Set On You (Version II)



模話2「バッジはライブのほうがいいね」

模話1「ジョージハリスンってロールオーバーベートーベンでボーカルもとってるんだけど…20代の頃はジョンレノンが歌ってるって勘違いしてたんだよね。初めてライブ映像でオープニング曲が同曲で、ジョージハリスンが弾き語りするのを見てかっこいいって思ったことあるよ。けっこうショック受けたかな。うまい人なんだなって。素人でバンドやると、ビートルズみたいにやることが実は難しいってわかるんだよね。あのビート感、出ないんだよ実は」

The Beatles - Roll Over Beethoven - 1964



模話2「シーセッドシーセッドとかタイミングが合わなそうだね」

模話1「そうなんだよね。サイケデリックビートルズの話に戻すけどさ…レインでも触れたけど、4人の演奏が独創的だと思うよね」

模話2「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Bandのアルバムがヒッピームーブメントの象徴として君臨してる感じだよね…一般的な認識として」

模話1「影響力があったってことなら、このアルバムといってさしつかえないかもね」

模話2「ジミヘンもライブでSgt. Pepper's Lonely Hearts Club Bandのカバーをやってたりね」

Jimi Hendrix - Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Live)


模話1「ジミヘンは白人ロックも好きだったからね。ボブディランもビートルズもエリッククラプトンもジェフベックも尊敬してる感じだしさ。チェロキーの血も入っているし、黒人ではあるけど人種的な偏見がないっていう評価があるよね」

模話2「実際はわからないけどね…。ジミヘンの話で好きなのは『ザ・フーの周辺のひとたちにはとてもよくしてもらっって感謝している』って話」

模話1「モンタレーのとき、ピートタウンゼントにばかやろうって言った話なかったっけ?(笑)」

模話2「それは自分の出番の前に派手に破壊パフォーマンスをやらかしてくれたからでしょう(笑)。ビートルズの話はどうなったの?」

The Who My Generation Monterey Pop Festival 1967] HD


The Who - Keith Moon destroys his drum kit (Opera House, Illinois, USA 10th March 1968)

※訂正おわび:他の記事中で、モンタレーでのドラム破壊と書きましたが、正しくはOpera House, Illinois, USA 10th March 1968でのドラム破壊でした。訂正してお詫び申し上げます。


模話1「ああ、そうね。Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Bandは、コンセプトアルバムがはやる契機にもなったし、サイケデリックサウンドも知られるようになった作品だけどさ…実際にサイケっぽいのはルーシーインザスカイウイズダイヤモンドとアデイインザライフぐらいだけどね」

The Beatles - Lucy In The Sky With Diamonds (Official Video)

The Beatles - A Day In The Life


模話2「もわくんはジョージハリスンのもっとラーガロックっぽいやつとかジョンレノンのレボリューションナンバー9みたいな作品をスルーしてる傾向があるよね? なんで?」

模話1「サイケデリックロックが好きっていうより、サイケデリックポップのほうが好きだし…通常の歌の中にサイケデリック要素を取り入れて、何回でも聴けるような飛べるような作品がすきなだけだけどね。1回でつかれるようなのはあんまりすきじゃないかな。何回も聴けるような感じでとべるのしか…確かに、そういうのしかビートルズの話でも取り上げていないかも」

模話2「しかも、基本明るいメジャーキーのポップな曲ばっかりじゃない?」

模話1「間違いございません(笑)」

模話2「評論するのが目的じゃないからね、このコーナーは」

模話1「しゅうかつロック、ボクにもいわせてなんだから(笑)」

模話2「マジカルミステリーツアーは、映画としてはB級だし、面白いとはいいかねるけど…Strawberry Fields Foreverだとか、サイケデリックロック、サイケデリックポップとしては極上の作品があるよね」

模話1「 I Am The WalrusにBaby, You're A Rich Manもあるしね 

The Beatles - Strawberry Fields Forever

The Beatles - I Am The Walrus (Official Video)

Baby, You're A Rich Man (Remastered 2009)


模話2「基本、ポールにはサイケデリックロック的な作品はないってことかな?」

模話1「そうだね。人間的にふつうってことかな? ジョンレノンはとんでるからね」

模話2「ジョージハリスンとのコンビでサイケデリックビートルズをリードしたってことだね」

模話1「別にサイケデリックやろうとしてないだろうけど…たまたまディラントーマスとか好きなジョンレノンだし、シュールな世界の探究といいますか…」

模話2「メロディーとして多彩だし、不思議な浮遊感。魅力的な時期でもあるよね。とはいえ、多岐にわたる音楽性で、単なるサイケデリックじゃないし、ポールの功績って見方もあるよね。リボルバーなんてさ、ポールの3曲でもう傑作レベルだしね。ジョンレノン、ジョージハリスンのサイケの傑作もあるし」

模話1「もう一度いっとくけど、ジョンレノンもジョージハリスンもサイケだけやろうとしてたわけじゃないんだよ。基本はロックンローラーなんだよね二人は」

模話2「幕の内弁当みたいにおかずがいっぱいだってことだね(笑)。Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band以降はさ…大人になったビートルズといいますか…個性が明確になって、解散に向かっていく…それまでの明るさが消えていくでしょ? サイケっぽいのがなくなってくよね」

模話1「そうだね。ブルース的なロックだとかが中心に変わっていく時期だから、アイドルみたいなある意味ノー天気な感じのロック自体が減るんだよね。ビートルズは時代の写し絵みたいにいちはやくロック界の流行が反映されているって考えても間違いじゃないんじゃない? ホワイトアルバムのディアプルーデンスは、ボク自身はビートルズの枠をこえた傑作で、サイケでありつつ、神秘的で…インド体験が神聖な形で反映された傑作だと勝手に思ってるよ。ビートルズでトップ5に入るよね。自分の中では」

The Beatles - Dear Prudence [New Stereo Mix Exp.] [HD]


模話2「イエローサブマリンはドサイケじゃない?」

模話1「サイケデリックポップとしてはジョージハリスンの2曲が最高だね。気に入らないのがアルバムジャケットのジョンのピースサインがイルミナティサインになっているとこだね。ジョージハリスンの2曲はいまでも好きだね」

Only A Northern Song (Remastered 2009)

It's All Too Much (Remastered 2009)


模話2「もわくんは公共訓練で、イエローサブマリンのアルバムジャケットのパロディを作って、そのときにジョンのイルミナティサインをピースサインに変えたんだよね(笑)」

模話1「間違いございません(笑)」

模話2「あんまり、サイケデリックビートルズに触れられなかったけど…続く~(笑)」




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