しゅうかつロック、ボクにも言わせて 「第65回 ロック対談_だぶる模話模話模話〈サケトレインロック① ~模話2「いよいよ、ローリングストーンズやジミヘン、村八分、どんと、ディープな音楽体験を語る心境になったのかい?(笑)」~〉」
模話1「久しぶりにロック対談だね」
模話2「サケトレインロックってなにさ?」
模話1「避けては通れないんだよロックの略だよ」
模話2「いまいちだね~。関西人ならもう少し気が利いたタイトルつけてるかもな~」
模話1「まあ、タイトルのことはいいよ。今回は内容がヘビーだからさ…」
模話2「いよいよ、ローリングストーンズやジミヘン、村八分、どんと、ディープな音楽体験を語る心境になったのかい?(笑)」
※敬称は原則、省略させていただきます。ご了承ください。
模話1「最近、いろいろ物を書いたり、過去の自作を見たりしてきたときにさ…いろんな方の生きづらさとかへの対処の仕方とかを読むにつけて…自分がある意味、逃げている部分あるじゃん?」
模話2「精神的に悪い状態になりやすいようなものを敢えて聴いたり書いたりはしなくていいんじゃない? ただ、なんだかもやもやしたまま…聴かないだとか、もうこの世界とはかかわらないってのはいいとは言えないよな」
模話1「だよね。実際には、気にかかっているものは多いしさ…逆にブライアンジョーンズの話をさらっと言えないようなことのほうが…問題あるような気になってさ…実際はどっぷりつかって聴いてきたり、見に行ったりした音楽をさ…もう卒業だな~、たのしかったな~、もうあんまり興味ないな~ならいいと思うんだけどさ…どっかで気になっているし…いずれ死んでくから、しゅうかつロックをはじめたわけじゃん? なのにほんとのこと…無理に露悪的に語るってことじゃなくて…自分はこうだった、こう感じていたとか、言わなくて死んでくのは…最初のテーマからずれてるかなとおもったんだよね…くどいけどさ」
模話2「いちいちおおげさになりがちだし…まあ、さらっと触れたらどうよ?」
模話1「まあ、そういうことで、サケトレインロックを語ろうとおもったんだよね」
模話2「まあ、もう少し楽に語ったらいいんじゃない(笑)」
模話1「そうだね…そういうことでさ…サケトレインロック①はどんとさんの話です」
模話2「もわくんがコピーバンドでいちばん重要なレパートリーでもあったのは『橋の下』だったよね」
模話1「オリジナル曲のバンドでも、弾き語りでハーモニカ吹きつつやっていたけどね…」
模話2「どんとさんのことは、なかなか語るのは難しい感じはあるよね」
模話1「うん。ローザルクセンブルグが解散前にやったライブの『ライブオーガスト』だっけ。あれさ、エッグマンとかの録音も入ってるの? エッグマンを素通りしたときに、ローザルクセンブルグって書いてあってさ、店の前に…確か解散前のライブの時期のあたりだったと思うんだよね」
模話2「つまり、あの時期にローザルクセンブルグにもっと関心があったら、解散前にエッグマンに見に行けたってことかい?」
模話1「まあね。当時、ローザルクセンブルグ聴いているってのは、おれの師匠みたいなインディーズ好きだった先輩だとかさ…文学部のサブカル女子とかだったりで、ハードルは高い感じがあったわけさ」
模話2「そうだね。実際は、そこまで深い文学的な音楽ってわけでもなかったじゃない?」
模話1「そうだね。でもさ、堕落ぶんしには意地があるだとか…かなり、危険なにおいはあったんだよね」
模話2「橋の下の話をしよう。玉城さんとの共作だよね」
模話1「うん。世間的には、玉城さんが作曲、どんとさんが作詞ってことになってるのかな?」
模話2「玉城さんのエッグマンのライブとかで、ブルースハープとアコギで弾き語りをやってるの見たことあるよ」
模話1「でもね…あれはさ…どんとさんの世界観のイメージが強くてね。ボーカルのあのなんともいえない切なさってのは…スタジオバージョンが入っていたのはセカンドアルバムだっけ? それ聴いたときは、ぜんぜんぴんとこなかった…やっぱり衝撃受けたのは『ライブオーガスト』の〈橋の下〉だよね…一時期、日本のロックでの最高傑作と思っていたね。あの切り取った瞬間がね…あれを超えるものはないんじゃないかと思っていたね」
模話2「ライブ映像は結構、衝撃受けたでしょ?」
模話1「うん。ものすごい広い会場ってイメージが、すげえ狭い場所で…エッグマンでやってたってわかっていながら、なんじゃこんなとこであんなすごい演奏が行われていたのか~ってさ」
模話2「(笑)。わかるよ。歌詞も、どこかかわいていて…哀しく切ないようでいて、かわいている…声が、どこか本気なんだか冗談なんだかわからないような…しかし、変な言い方だけど、ボガンボスのある時期までのどんとさんって、光ってて、神々しいんだよね。美しい顔で…菩薩像みたいな。とにかく、ああいうかたちで死んでいったどんとさんの決意表明みたいな歌詞だと思っていたんだよね…天才ならいいんだけど…勘違いした凡人が引っ張られる意味では…覚悟は必要な世界観だけどね…もわくんが常々言っているようにね…」
模話1「全盛期のどんとさんって…人間ばなれした感じあるもんな…歌もうまかったし即興でうたうやつもおもしろかったしさ…。ソロになって…上野かな? 奥さんと弾き語りで出てきて…そのときくらいまではまだ美しかったけど…その後、病気されたのかもしれないけど…別人みたいになったよね…」
模話2「ボガンボスは割とティアドロップスとかと一緒にやってたし…ニューエストとかとも…よく見た気がする」
模話1「きょんさんに岡地さんの存在は見ごたえあったしね」
模話2「橋の下だけど…コピーバンドで最後に演奏した曲だよね」
模話1「うん。玉城さんみたいに弾けないからさ(笑)。本来はギターソロの箇所をコードプレイで、どっちかというとどんとさんのライブオーガストのチューニングずれぎみのセミアコのバッキングを参考に、くるりのロックンロールだとか、Whoの無法の世界や、ベルベットアンダーグラウンドだとかジミヘンのアーユーエクスペリエンスドみたいなサイケデリックな音楽っぽい感じにして…最後のAm7→A7→A7sus4→A7の部分のエンディングにつながるって感じにしていた。あやしい感じで「とぶ」イメージに力を注いでいたかな(笑)」
模話2「ぜんぜん違う曲になってるって言われたよね(笑)」
模話1「コピー曲でコードプレイだけだけど自信作だよ(笑)。玉城さんはジミーペイジ的なコードプレイの要素を入れたとおもうんだけど…アキレス最後の戦いとかシックアゲインで出てくるBのちょっと変わったコードを押さえる弦以外開放弦にして1弦のEを鳴らす…ちょっと飛ぶコードを使っていて…決めのコードだよね…ひょっとしたら、ポリスの見つめていたいから頂いたかもしれないけどさ(笑)。とにかく橋の下を通して聴くと天才的なコード展開。でもコードの解釈、間違ってたらすいません(笑)」
模話2「くるりのアンテナの曲で橋の下のフレーズ出てくるよね…」
模話1「岸田さんも…確信犯で…どんとさんの遺志を継ぐ感じの宣言ぽくきいたよ…当時は…」
模話2「次回は? ローリングストーンズやジミヘンかい(笑)。続く~」
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