2024.夏休み
事務職になり3回目の夏休みを迎えている。
今年は驚異の9連休だ。今は8日目。
厳密に言えば、15と16は出勤日であったが、15は数人のみの出勤、16は全員が有休を取得したので実質休みだった。
夏休みは序盤ですでに飽きている。
独り暮らしに9連休なんて持て余してしまう。
最初の2日は、夏風邪病み上がりもありゆっくり睡眠をとったり、家の掃除をすることに時間を割いた。
あえて汗をかこうと鍋を作ったり、久しぶりに爪にマニキュアを塗ったりもした。
家にいすぎるとSNSで見なくてもいいような投稿ばかりを見て気持ちが重たくなってしまう。
一日スマホの画面を見ていると酔って気持ち悪くなることが分かっているのにやめられない。
横になっているのも無駄に疲れる。
座っている理由もない。
かといって、旅行に出かける財力はない。
(旅行<日々のライブ鑑賞)
渋々家から徒歩10分ぐらいの場所にある小さなショッピングセンターへ出かけてみたり、休日料金をこらえてカラオケに行く日もあった。
私の老後もこんな感じなのだろうか。
夏休み4日目、美容室へ行った。
ずっとお世話になっている美容師さんが自分のお店をオープンした。
白を基調としたシンプルな店内に美容師さんが一人だけ働いていて、不思議な気持ちになった。
今までの人生、周りには他のお客さんや他の店員さんがいるのが当たり前だったからだ。
ホットペッパーに自分の髪の写真が載っている。一緒に付けられている文章を読んで嬉し恥ずかしな気持ちになった。
この日が夏休みの中で一番楽しかったかもしれない。
6日目は久しぶりに職場に行った。
朝起きれるかが不安で前日は早めに就寝。
無事起床して準備も順調だったが、電車のダイヤが休日ダイヤで思い通りの電車には乗れなかった。
働き始めると、特に会話をするわけでもないが、周りに人がいる空間で働くことはこんなに気持ちが落ち着くのかと思った。
ただ、近くの席のおばちゃんが途中で電話を取り、大声であーだこーだと喋っている様子には気疲れした。
一人暮らしの連休にそんな日常はなく、おとなしく静かに暮らしていたので全くテンションがついていかず、ただただ耳障りだった。
ライブ通いを生きがいとしていると、予定は夜のみという日が少なくない。
次第に昼に虚無感を感じるようになり、精神的にも疲れてきていた。
ライブや、人と会う予定をこなせば元気になれるが、寝て何もない昼がまたスタートすると、自然と気持ちが曇ってきてしまう。
日々、仕事→ライブ、仕事→友達、仕事→家事のような日常を過ごしていると、余計なことを考える暇なんてないのだが、長期休みはどうしても虚無の時間が増えてしまい、精神的に落ちてきてしまう。
一人暮らしは楽しいし、人とずっといることが好きなわけでもないが、それは週5日働いて適度に職場の人や友達と楽しく会話できる環境にいるからだと思う。
長期休みだけはそうはいかない。
接客業をしていた時には気づかなかったことだ。
事務職で、夏休み4日ぐらい(でホワイト)な会社がベストなのかもしれないがなかなか難しい。
今の職場は気に入っている、上司も信頼してくれているはずだ。
でも、いつまで経っても派遣のランクは上がらないし、正社員になる話も出ているようで出ていない。
まだ2年半なので気が早いのかもしれないが、さすがにこんなに頑張っていて何も結果に結びついていないことが苦しい。
正社員になって、もっとボーナスがあれば、もっと栄養価が高い食事が食べれるだろうし、この長期休みで一人旅だって行けただろうし、こんなに病まなくて済んだと思う。
この夏休みで使ったライブ代で旅行に行った方が自分のためだと分かっているが、推し活ほど自分を満たしてくれる存在はない。
生きるのは本当に難しい。
昨日は21時からしか予定がなかったこともあり、そんな気持ちが限界近くまで来てしまった。
大好きなライブ通いでさえめんどくさく感じてしまっていた。
夏休みが終わってから始めようと思っていた勉強を早めに始めようかと思い、本屋へ向かった。
本来の目的の前にまずはタレント本コーナーをのぞいた。
目につく場所に、とあるエッセイ本が目に入った。
自宅に持っている本の最新刊だ。
本の情報は追っていないので知らなかった。
すぐに手に取り、目的の本とともに会計を済ませた。
「明日は読書をするぞ!」という楽しみが手元にある。
なんて幸せなのだろう。
自然と気持ちのモヤモヤは晴れていった。
ライブも楽しかった。
そして今日はその本を読みながら虚無の時間を埋めている。
あっという間に読み切り、スーパーで買ってきた弁当を食べながら一息ついた。
あと1.5日。
明日の夜には休みが終わることが嫌になるのかもしれない。
こんなに虚無なのに。