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【(京都・伏見)好きを語ろう読書会】第15話

プロローグ

11/18(金)19:00より、【好きを語ろう読書会】の第15話を開催しました。本来であれば10/21(金)に開催予定だったのですが、私が突如新型コロナウイルスに感染してしまい、見事に療養期間に当てはまってしまったため、1ヶ月弱の延期となりました。
参加予定の皆さんには申し訳なかった……。

そんなアクシデントもありましたが、今回はなんと2名の新規さんに参加いただけました。いやぁ、ありがたい!
リピーターさんに何度も参加いただけるだけでも自分の存在価値を改めて認識できるぐらいありがたいのに、興味を持ってくださった新規の方に来ていただけるのはまた違った喜びがあります。

そして今回は、はじめてプラカードのようなものをカフェの卓上に設置しました。
これは前回参加いただいた方がどの机が読書会の会場なのか分からずさまよわれており、「他の読書会では案内板のようなものがありました」と貴重なお話をいただき、それをもとに実施してみたものです。
こうしてできる範囲でこの読書会をさらに更新していきたいですね。

おっと、プロローグが長くなっちゃいましたね。
まぁ、ミステリー小説のプロローグはこれよりも長かったりするので、大目に見てくださりませ〜。
それでは本編へ行きましょう!

本編

ツーリングマップル(2018年版)

ライター:グロ

【ツーリングマップルとは?】
旅の地図『ツーリングマップル』は、前身の「2輪車ツーリングマップ」から数えて35年以上、旅人の信頼を得て出版され続けている道路地図です。この地図の最も特徴的なところは、図中にちりばめられた、ジャンルも内容も多種多様な「コメント情報」。これらのコメントは、各エリア専属の取材担当ライダーや、各地のモニター、編集者などが、毎年実際に走ったり、確認したりして得た、生の情報です。

「amazon.co.jp」の商品紹介ページより

※常に最新のものに更新される書籍であるため、実際に紹介いただいたものと異なります。

紹介者であるグロさんは『旅トーク会』というものを主催されているそうで、イベントの満足感について読書会と比較し、旅トーク会は旅行後の変化などの結末まで話が展開できるのに対し、読書会は読書という体験自体が再読を除くと一度きり。
よって少しでもネタバレをしてしまうと誰かの初体、いや、最初で最後の楽しみを奪うことになるためオチまで話せないことがほとんどで、なんだかスッキリしないと感じることがあるそう。
ミステリー小説をこれまで多く紹介してきた私は結構共感できますね。

そして今回ツーリングマップルという、これまでこの読書会で紹介されてきた数々の本たちとは一線を画すようなジャンルを紹介された理由として、ぼかすことなく語れるからとのこと。

特徴として、ただのバイク用の地図ではなく、観光情報(利用料の記載もあり)やおすすめの道など、ライダーにとってお得な情報がふんだんに盛り込まれているそうです。

グロさんは昔、自転車で旅行をしていたことがあり、ツーリングマップルをとても活用されていたんだとか。

旅のガイドブックとしてだけでなく、妄想も楽しめるのが魅力的だそうです。

アルジャーノンに花束を

ライター:かつき

32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリイ・ゴードン。そんな彼に夢のような話が舞いこんだ。大学の先生が頭をよくしてくれるというのだ。これにとびついた彼は、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に検査を受ける。やがて手術によりチャーリイの知能は向上していく…天才に変貌した青年が愛や憎しみ、喜びや孤独を通して知る人の心の真実とは?全世界が涙した不朽の名作。著者追悼の訳者あとがきを付した新版。

「amazon.co.jp」の商品紹介ページより


人間の心や幸せについて考えさせられた一冊であり、タイトルの意味がラストで明らかにされ、うるっときたそうです。

本書の特徴として、最初は主人公が知能指数(IQ)が低い段階から物語が始まるため、記される日記が稚拙で読みにくいが、ページが進むにつれ、段々とIQが高くなっていき読みやすくなるとのこと。
私も読みましたが、人間の知能指数の向上が読書で追体験できる稀有な小説だと思いました。

ちなみに当たり前ではありますが洋書版も序盤の文法の稚拙さが表現されているようで、日本語版は訳者が訳すにあたって、苦労されたんだとか。

江戸川乱歩傑作選

ライター:つばき

読者諸君、これが日本で一番美しい犯罪小説だ。
耽美的トリック×倒錯的フェティシズムが交錯する、本格探偵小説を確立した初期傑作9編。


日本における本格探偵小説を確立したばかりではなく、恐怖小説とでも呼ぶべき芸術小説をも創り出した乱歩の初期を代表する傑作9編を収める。特異な暗号コードによる巧妙なトリックを用いた処女作「二銭銅貨」、苦痛と快楽と惨劇を描いて著者の怪奇趣味の極限を代表する「芋虫」、他に「二癈人」「D坂の殺人事件」「心理試験」「赤い部屋」「屋根裏の散歩者」「人間椅子」「鏡地獄」。

「amazon.co.jp」の商品紹介ページより

本書は江戸川乱歩のメジャーシリーズ以外の、謎解きや不思議な話など、様々なジャンルの短編集が収録されている。
人間の暗いところや悪いことをしてみたいという気持ちが全面に出ているような短編集が盛り込まれており、そういうところがおもしろいのだとか。

収録されている数々の作品の中で、つばきさんのおすすめは「赤い部屋」だそうです。

女生徒

ライター:おいも

太宰の真骨頂、女性の語り口による告白を集めた短編集

「幸福は一夜おくれて来る。幸福は――」多感な女子生徒の一日を描いた「女生徒」、情死した夫を引き取りに行く妻を描いた「おさん」など、女性の告白体小説の手法で書かれた14篇を収録。

「amazon.co.jp」の商品紹介ページより

短編集。短いもので4ページ、長いもので20ページといった内容。

『待つ』という4ページほどの短い作品が収録されているそうで、それがオチが先ほどのつばきさんに紹介していただいた『江戸川乱歩傑作選』に収録されている、『人間椅子』のようなものみたいだとおっしゃっていました。

太宰治といえば、「走れメロス」や「人間失格」などのメジャーな作品が話題になりがちですが、短編集も楽しい話がいくつかあったりとおもしろいそうです。

ちなみにおいもさんは本書以外では斜陽が好きであり、人間のきれいなだけじゃない一面が表現されていてお気に入りなんだとか。

シャドウ

ライター:maguro(つまり筆者)

人は、死んだらどうなるの?――いなくなるのよ――いなくなって、どうなるの?――いなくなって、それだけなの――。その会話から三年後、凰介の母は病死した。父と二人だけの生活が始まって数日後、幼馴染みの亜紀の母親が自殺を遂げる。そして亜紀が交通事故に遭い、洋一郎までもが……。父とのささやかな幸せを願う小学五年生の少年が、苦悩の果てに辿り着いた驚愕の真実とは? いま最も注目される俊英が放つ、巧緻に描かれた傑作。第七回本格ミステリ大賞受賞作。

「amazon.co.jp」の商品紹介ページより

いろんなミステリー小説を読んでは華麗なる伏線回収に酔いしれている私ですが、本書の伏線回収はあまりにも匠技すぎて読んでてめちゃくちゃ気持ちよかったです。
一見そこまで重要でなさそうなシーンもクライマックスで上手く掬い上げていくんだからおもしろくないわけがない!!
ちなみにmaguro的2021年読んでおもしろかった本第1位でした!
(誰も聞いてないっての)

エピローグ

つばきさんとおいもさんが歳が近く、同じ女性であるということからか本紹介の際に、大学の学部に関するお話で盛り上がっていたのが印象的でした。
それは読書会終了後に駅へ向かう途中でも会話が続いており、本を紹介したり、他の参加者の紹介を聴くだけでない読書会の楽しみ方を自然と見出してもらえていて、企画して良かったと思えました。
これからもこういったことが続いてほしいものです。

【第16話】のレポートについては出来上がりましたら、後日公開しますのでお楽しみください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それではまた次回お会いしましょう。NO  BOOK  NO  LIFE。


※この物語はノンフィクションです。実在の人物名は基本的にニックネームでカモフラージュしていますが、それ以外については事実とは一切異なりません。

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