ちょっとした昔話 -MTGをはじめた頃の思い出-
むかしむかしある所に、当時小学生だった私がおりました。
たぶん1998年だか1999年頃だったと思いますが、近所のおもちゃ屋にそれは売られていました。
MTGにはじめて触れた瞬間でした。
MTG最初の思い出
当時、私のまわりでは遊戯王カードが大流行していました。
遊戯王といっても現在の一般的なコナミのカードではなく、ルールすらよくわからないバンダイが出していた裏面が紫色の遊戯王です。
というかアレの正式なルールを知ってる人がいたら教えてほしいのですが。
私の人生が終わるまでに知りたい謎の一つですね。
ルールもよくわからんので、漫画の遊戯王を参考にして見様見真似で遊んでいたのはいい思い出です。
ちなみに当時の遊戯王の漫画はカードゲームだ、デュエルディスクだ、バトルシティだ、そんなお話じゃなかったですね。
サソリの入ったスニーカーに手を突っ込んだり、チェンソー持った大量殺人鬼と殺し合いしたり、熱した鉄板の上で火薬を使ってホッケーしたり、完全に正気じゃない話でした。
その中の一部でカードやってる感じ。
よくよく考えたらこの路線からカードゲーム漫画に行ったのすごいですね…
ドカベンもビックリです…
チョッピー我慢できねぇよ…
そんな遊戯王のカードの話には元ネタになったゲームがあるらしい!と当時友達と話題になりまして、実際におもちゃ屋に足を運んだのです。
そこではじめて見つけたMTG…
構築済みデッキのパッケージに描かれた稲妻のドラゴンのカッコよさ…
このドラゴンのデッキ使いたい!!
そう思いました。
こうしてはじめてMTGを買ったのです。
このあとに続く悲劇も知らずに……
さて
その後、家に帰ってわくわくしながら開封しました。
でもね…
あのね…
中に稲妻のドラゴン入ってないねん…
代わりに臓器の化け物みたいなクッソ気持ち悪いレアが出てきたねん…
それもそのはず
トーナメントパックとは別に構築済みでも何でもなく、現在でいうところのプレイブースター3つと基本土地30枚ぐらいを1つの箱に突っ込んで売られている商品で、中身は完全にランダムなのです。
当然ルールの説明書なんて付いているわけがない。
稲妻のドラゴンも出ねぇ!
ルールもわからねぇ!
小学生のお小遣いでこれ以上買えるわけねぇ!
私のMTGは終了しました。
めでたしめでたし。
MTGとの再会と憧れ
そして季節は流れ、小学生は中学生になりました。
バンダイの遊戯王はコナミの遊戯王に変わりました。
ちょいちょい友達と遊戯王は遊んでいたのですが、2000年頃に転機が訪れます。
忘れもしません。
遊戯王でマジックルーラーというパックが発売されまして、なんだか知らないですが0マナの思考囲いや0マナの呆然みたいなカードが多数収録されました。
私の周りでは手札破壊祭りの始まりです。
早い話が相手に先手取られた時点で、自分の最初のターンが回ってくる前にこっちの手札が全部なくなるようなゲームばかりになって絶望したわけ。
そんな感じで遊戯王に絶望している頃…
友達から代々木に別のカードゲーム扱ってる店があるから行ってみよう!と誘われました。
ワイバーンって名前のお店だったと思うのですが、入ってみてビックリ。
店内にはMTGがたくさん売られている…
こうして私はMTGと再会することになったのです。
さて、
この時に私が一番気になったのが、レジに展示されていた5枚のカード。
そう!
プロフェシーの化身サイクルのFoilが展示されていました。
ルールもわからない自分ですが、この5枚のイラストの美しさとFoilの綺麗な光り方には心を奪われましたね。
いつかこのカードを使ってみたい!
ルールを覚えて遊んでみたい!
この5枚にはそう思わせる魅力があったのでしょうね。
さて。
お小遣いも少なく当然ながら化身を買うお金を持たなかった私。
せっかくなので近くのストレージを漁って、記念に何か買っていくことにしました。
もちろんルールはわかりませんので、購入基準は強さよりもカッコよさと価格になるわけで。
そしてFoil仕様で美しく光り輝くカッコいいドラゴンを見つけました。
なんと20円。
こうして私の初めてのカードシングル買いは玉虫色のドレイクになったのです。
化身を使いたいという憧れを抱きつつ、それからまたしばらくの時間が経ちました。
ついに遊びはじめる
2001年の秋のこと
MTGの新パック「オデッセイ」が発売しました。
私が本格的にMTGをはじめた季節です。
たまたま家族で行った京王線の千歳烏山駅(なんで行ったのかはまったく覚えていないのですが…)
駅前のカメレオンクラブに入るとオデッセイのトーナメントパックが売られていました。
パッケージの裏に書かれた「死はすべての終わりではない」の文言に心を奪われた私はさっそく購入。
中にはアムガバが入っていました。
……今になって改めてみると弱さにビックリ!
でも、この頃から明確にルールを覚えようって気になってきました。
また偶然というのは重なるもので…
その頃できた友人がたまたまMTGのルールを知っていた!
通っていた中学校から徒歩3分の所にMTGショップがあった!
などなど、遊ぶ環境が整っていったのです。
おかげで放課後はいつもそのお店で友人達と遊びました。
もちろん最初はフォーマットなんて気にしていません。
好きなカードを入れて好きなように遊ぶ、そんな時間でした。
さらに嬉しいことは重なるもので、憧れだった化身サイクルの赤「憤怒の化身」がめっちゃ安く売られていたのです。
今にして思えば、ちょうどプロフェシーがスタン落ちしたために安くなっていたんでしょうね。
もうデッキの内容なんて覚えていないですが、当時売ってたポータルのパックから出てきた嵐雲のカラスと、店にいたベテランプレイヤーっぽい人からもらった窒息の旋風、そして購入した憤怒の化身で遊んでいたのは覚えています。
めちゃくちゃ弱いカードばかりですが、楽しく遊んだはじまりの思い出ですね。
ちなみに遊んでいた友達は黒青のデッキだったと思います。
使われて強烈に覚えているのはこの3枚ですね。
デルレイッチは人生ではじめて使われたピッチスペル。でもだいたい7マナで普通に出された思い出。
悲哀の化身はタップでクリーチャー倒せるの反則じゃない!?みたいな会話しながら遊んでいたなぁ。
当時は使われるとめちゃくちゃ嫌だった頭の混乱は、今見ると弱すぎですね。
フォーマットも気にせず、ルールも若干間違っていたかもしれません。
なんなら銀枠のアングルードのカードも混ざってた気もします。
でも好きなイラストのカードを集めてダラダラ遊んでいた時代はかけがえのないものでした。
MTGをはじめたこの頃がとても楽しかったので、現在でも初心者の人にMTGを勧める時はフォーマットは気にせずにとりあえず好きなカードでデッキ組んで遊んだらどうでしょう?って提案しちゃいます。
大会に出る決意をする!
友人と遊び…
基本的なルールを覚え…
そして年が明けました。
2002年2月 新パックのトーメントが発売です。
このパックのテーマは「黒で戦え」で、黒のカードが多く含まれるものでした。
せっかくなら黒いデッキを回したいという願望
そして
ある程度ルールも覚えたんだから店の大会に出てみたいなという願望
が生まれたのもこの時です。
そこで大会のことを本格的に調べ、フォーマットというものがあると知りました。
最新のパックのみで遊ぶスタンダードがもっともイベントが多く初心者向けとのこと。
いつものお店だと日曜日の昼に3回戦のスタンダード店舗イベントがあるらしく、それに向けて人生はじめてのスタンダードのデッキ構築がはじまったのです。
まず最大の問題は予算。
中学生のお小遣いでは500円を超えるカードなんて買えません。
必然的にコモンアンコの寄せ集めのようなデッキになるわけです。
現在は数百円で買える硫黄泉やアダーカー荒原も当時は4桁するお値段でしたので中学生には手が届かず。
強いレアカードが使えない人間に残された道はただ一つ…
相手に強いカードを使わせなければいい…
そう…
相手の土地を全部ぶっ壊せばいいのだ!!
最近のMTGを遊ばれてる方々は知らないかもしれませんが、当時は土地を破壊するカードがコモン・アンコモンに大量にあったのです。
先攻を取って3ターン目から土地破壊をはじめれば、相手は3マナ以上のカードを一切使えない。
どんな高額カードも怖くない!!
この6種類を各4枚入れて24枚の土地破壊カード。
地の裂け目はフラッシュバック持っているので実質28枚の土地が破壊できる!
これに加えて手札破壊とクリーチャー除去に、強迫・終止・チェイナーの布告の3種類12枚を投入。
土地はアーボーグの火山4枚に沼・山を各9枚の合計22枚。
ここまでで58枚。
あとは勝つためのカードを2枚入れたい。
お小遣いの範囲内で価格が安くて…
出したら勝てるカードで…
できればカッコいいやつ…
……そして見つけました。
レアなのに20円で売られていて、出たら絶対勝てて、外見もカッコいいカード…
催眠魔!!
なんとこのクリーチャーは8/8飛行というデカさに加えて、手札から場に出た時に相手の手札をすべて吹き飛ばす当時のMTG史上最強クラスの能力を持っています!(11マナだけどね…)
土地破壊で盤面を壊滅させ、有り余っている相手の手札も催眠魔で奪い取る!!(11マナだけどね…)
まさに完璧!!完全勝利!!(11マナだけどね…)
この時の私はまだ知らなかった……
なぜこのカードが20円なのかを……
11マナというコストがどれほど重いのかを……
はじめての大会の思い出
強烈に残っている記憶があります。
大会前日と当日の朝、ずっと一人回しして大会でミスしないように練習をしていた記憶です。
今にして思えば、たかだが店舗の休日3回戦なのですが、本人にとっては一大イベントだったのでしょう。
イベントに出る前日の土曜日は、諸事情で祖母の家に泊まりに行ってたんですよね。
だから祖母の家でずっと一人回ししていました。
そのままお昼に店に行ってイベントに参加したんですよ。
今となっては何のデッキと当たったかもよく覚えていません。
たしか1-2で負け越した気がしますね。
ゲームの内容は忘れてしまいましたが、1つだけハッキリ覚えていることがあります。
ゲーム前のシャッフル時、ゲームのプレイ時、あらゆる場面で手が震えていたんですよね。
はじめての大会って、まったく知らない人と当たるわけで多分ずっと緊張していました。
正直3割ぐらい怖さもあったと思います。
今では何も感じなくなっちゃいましたけど、この緊張と恐怖を感じた思い出は忘れないようにしたいものですね。
初心者には優しくありたいものです。
はじめての大会はそんな感じで幕を降ろしました。
めでたしめでたし。
…
……
………
…………
……………で、終わるわけがなくて
当然はじめての大会で思い知った反省点がありますよ!
そう!
催眠魔!!
11マナがいかに重いか!!
そしてデッキに2枚のフィニッシャーという地獄!!
そもそも相手の土地を全部ぶっ壊す!とかいうコンセプトのデッキ自体、対戦中の空気感が微妙になるんです。
基本的に自分が負ける時は
1、事故ってて何もできない時
2、2~3ターン目に出されたクリーチャーが除去できなかった時
つまり相手にしてみたらノーガードの相手をひたすら殴るだけ!
逆にこっちが勝つ時は、土地を破壊しつくして相手が何もできない時
この時に相手がやることは
「ターン貰います」「ドロー」「ディスカードします」「エンド」
あるいは
「ターン貰います」「ドロー」「土地おいてエンド」→「返しに私がその土地を壊す」
早い話が、勝とうが負けようが相手はゲームをしていない!!
こっちが負ける時ならまだいいです。
最悪なのはこっちが勝ってる時。
盤面破壊しつくしてやることないのに、こっちは催眠魔を引かないと勝てないので最悪30ターンくらい虚無の時間を過ごす、あるいは催眠魔は引いたんだけど土地が11枚揃うまで待ってくれ!って状態になる。
この空気感はまさに地獄…
最初の大会でこの地獄を味わったので、この過ちは繰り返さないデッキ作りをするようになりました。
いい経験だったと思います。
教訓:盤面を制圧したなら早く勝とう!
それから…
むかしむかしある所に、当時中学生だった私がおりました。
彼は競技の大きな大会に出ることもなく
のんびりダラダラMTGを続けました
気が付けば20年以上の時間が過ぎていました
いろんな場所で遊んで
いろんな人と知り合いました
はじめてよかったね
おしまい
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