不健康

私はもう、長くないかもしれません。

お酒を一滴も飲まないのに、肝臓がおかしくなってしまったみたい。
健康診断の結果を持って、初診の病院にかかってみると、医師が首を傾げた。
私も一緒に首を傾げた。

ほかにもたくさんまずいところがある。
だからって、無理して処置して合併症や後遺症を引き起こされたら、と思うと。

もっと慎重に、考えてくれないか。と。
私は自分で自分の健康をこれほどまでに慎重に考えられることに驚いた。
ここ数週間で5人くらいの医師と病院で話した。
それぞれ専門が違う。というかそれだけ私の健康状態がまずい。

健康のことを考えてくれる医師が大半で、すばらしいことだと思った。
だからこそ、ときにはこのまま話を進めるとまずそうだな、というセンサーが反応することもある。

どうやらまだ、人生にやり残したことが、あるらしい。

お金を余らせて死んでもしょうがない、と私は思っている。遺言状を書いて特定の個人に渡せるようにできるかもしれないが、なんか知らないところで揉めたりされてもあれだし、私が生きてるうちに自分で自分のお金を使えるならその方がいい。

医療にお金を使えることは贅沢なことだ。
使えるようになったが故に、自分の健康と向き合えるときが来た。
出し惜しみなどしたくないから、きちんと時間をかけて方針を考えたい。
そういう意味では私もまだまだ健康の部類にいるような気もする。
もっと詳しく調べたら、とんでもないことが分かって、それどころじゃなくなったりして。。

ところで、社会経験がないから深刻に考えてるだけでしょ、などと私に言ってきた人がいたのだが。
諦めて思考停止して重大なリスクを見過ごしてしまうくらいならそのような社会経験はない方が賢明ではないか。

やれるだけのことはやりたい。
まだやれるうちに。
社会経験がないからだろうか、ふとそんなことを考えるのであった。