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鳥さんと私の人生
私は物心ついた頃から鳥と共に生活している。
世に鳥好きは多いが、私と鳥との歩みは少し珍しいかもしれない。
同居していた祖母が、鳥を専門に扱う自営業をしていた(現役)だからだ。
昔は今より諸外国の鳥も簡単に手に入る時代だった。
私の家には、「おはようさん(通称:おーちゃん)」が、私が産まれる前から暮らしていた。
むかしむかし、私は人見知りでいじめられっ子で、友達もいない、家にも居場所を感じられない子どもだった。
でも、おーちゃんは私の大好きな人生の先輩だった。
どんなことを一緒に話していたのかは、もう忘れてしまったけれど、おーちゃんといる時は安心感に満たされていたのを覚えている。
おーちゃんを見ながらら、よくおーちゃんの絵を描いていた。
地元で毎年必ず提出しなければいけない夏休みの宿題の詩も、おーちゃんについて書いたことがぼんやり頭に残っている。
鳥さんの好きなところは、話せばきりのないくらい出てくるが、本当の本当に好きなところは、おーちゃんと過ごした時間に生まれた上手く言葉にできないことだと思う。
今までたくさんの鳥と出会ってきた。
暮らしてきた。
でも、先輩の鳥さんなんて、これから先、出会うことなんてあるのだろうか。
いつの間にか私はおーちゃんより大人になってしまった。
おーちゃんは、東日本大地震のストレスで亡くなってしまった。
悔やむことはたくさんある。ケアしてあげてたらって。
でも、おーちゃんはやっぱり私にとって永遠に人生の先輩なんだよな。
あの佇まい、目つき。
いつか、おーちゃんに会えるといいな。
その時もやっぱり、知能は4才かもしれないけど、先輩なんだろうな。