友人を失った話

このもやもやした感情をどこかに吐き出したくて、文字に起こします。いろんな思いを文字に起こすことで、気持ちの整理をしたい。後日消すかも。
誕生日を迎えて1つ年を重ねた。コロナ禍で大変な状況の中、無観客オリンピックが始まった。
そして、大切な友人が自ら命を絶った。(Aとする)

連日猛暑が続く連休中、普段ほとんど連絡をとらない大学の同級生から、FBのメッセンジャーで「Aのことで連絡したいことがある」と通知が来た。
「何事?」というのが最初の感想。だって、その同級生の子とは、卒業以来1度も会っていないから。ざわざわと胸が騒いだ。
また、スマホが鳴った。

***

単刀直入でごめんね。

Aが亡くなったと連絡がありました。

まだご家族も状況の整理ができていないところ。
取り急ぎ、連絡先を教えてもらえるかな?ご家族に私経由で連絡します。

***

え??????どういうこと????

よくわからなかった。

このメッセージを読んだ時の感覚を説明するのは難しい。
固いもので頭を殴られたような、体が芯からキーンと冷えていくような、心臓をぎゅっと握られたような、そんなぐちゃぐちゃな気持ち。
不思議なことに涙は出なかった。実感がわかないというか、彼女がいないことがまだ信じられないというか。

大学入学して同じクラスになって仲良くなったA。
心優しくて自然や動物が好きな繊細なコ。私と性格が似ている訳では決してないのに、どうしてこんなに仲良くなったのか覚えていない。
大学在学中はもちろん、卒業後もご飯に行ったり、2人で旅行をしたり、散歩をしたり。思い出の数はiphoneの写真フォルダが物語っている。
実家に遊びに行って、ご両親とお酒を酌み交わしたこともある。Aと似て朗らかなお父さんと、いつもニコニコお茶目なお母さん。こんなご両親の元で育ったら、いい子にならない方がおかしい、と思えるほど素敵な家族だった。

Aはここ数年鬱を患っていて、すごく不安定だった。鬱の原因は私もわからない。
最後に会ったのは去年の8月、彼女の地元でかき氷を食べた。何の話をしたかな。覚えていないくらいたわいのないことしか喋っていないんだと思う。
「約束をしても出かけるのが嫌になったりもしてしまって、直前でキャンセルしちゃう可能性があるから。。」と、なかなか直接顔を見ることができなかった中、体調も良かったのか(いや、多少は無理をおしてくれたのかもしれないが)、久しぶりに直に彼女と会えて、私自身とても楽しかった。

会っていない期間も、よくLINEのやり取りをしていた。
散歩の途中で見つけた芍薬が綺麗だったこと、よく行くカフェで燕が巣をつくったこと、仕事場でかけられた言葉で嬉しかったこと。
会えなくても、そういう何気ない日常を送りあえるのも(少なくとも私にとっては)日々の癒しだったし、「いつも気にかけているし、あなたは大切な存在だよ」という気持ちがあるからこそだし、少しでもAの支えになっていればいいな、という思いでいた。
病院の薬を飲んでいても、夜になると気持ちが落ち込むようで、「生きているのがつらい」というLINEがよく来た。未読のまま、何て返信しようかな、と考えているうちに、送信取り消しをしていることがほとんどだった。
いま彼女とのLINEのやり取りを見返すときっとつらくなってしまうから、非表示にしてしまっているけど、気持ちが落ち着いたら、彼女を思い出すためにも読み返してみようかな。

他人のいいところにすぐ気づけて、それをしっかり言葉に出して素直に人に伝えられるA。
「自分には価値がない」って言ってたけど、私がどれほどあなたに励まされてたかということを、あなたは知らない。
あなたのことが大好きな友人や同僚だって、数えきれないほどたくさんいたことも。
それが考えられなくなるのが鬱という病なのだとしたら、怖いな、って改めて思う。

私なんかより、彼女を側で支えていたご家族の気持ちを考えると、やりきれなくなってしまう。
何かできることがなかったか、サインはなかったか、この時こう声をかければよかったんじゃないかとか、何より「どうして?」が渦巻いてしまうように思う。
でも、「どうして」の答えは見つからないんだよね。わからないまま、それを抱えて生きていかなきゃいけないんだと思う。
彼女がいない世界でも、私の生活はこれからも続くんだから。
ねえ、A、楽になれたかな?そうだといいな。今日も東京は雲ひとつない青空が広がってるよ。

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