秋夜の満月に導かれて

秋夜の晩

何気なく家のベランダから　夜空を眺めたら

真ん丸な　にっこりとした　お月様が

爛々と光輝いて

私は　誘われるように　夜道へ

飛び出した

耳を澄ますと　秋の虫たちの演奏会が　夜風に舞いながら

軽やかにゆったりと　聴こえてくる

少々ひやっとした　冷たい空気が

火照った体に丁度良く　染み入る

どこまでも　静寂に満ち溢れた　住宅街

点々と光る街灯が　行く先々を　ひっそりと

照らして　歩く度に　私の心が踊る

カラランと　リズミカルにベルの　鳴る音が

ふと　近くで聞こえた

キョロキョロと　見回すと　素朴でシンプルだけど

ぬくもりのある　カフェを見つけた

私は　自然とアットホーム感のあるカフェへと

吸い込まれるように　入店した

そのカフェの上空には　ご機嫌な真ん丸な満月が

ただただ　優しくそっと　照らし出していた