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本の効用

「読み物は人の心の滋養になり、人を癒し励ます効用をもっている。」

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宮部みゆきさん著『三島屋変調百物語伍之続 あやかし草紙』からの引用。

この小説もかなりオススメだし内容についても触れたいところだけど、今日はタイトルに忠実に(笑)

今までは小説というとテレビや映画のような娯楽の1つだと思っていたし、物語がどのように進むか、最後はどうなるのか、に気を留めて読んでいた。

だから教養を身に付けるとなると、学術書やビジネス本を読む方がカッコイイくらいにも思っていた。

ところが、ここ半年くらい本から読み方が変わり、素晴らしい本に出会う度に人生そのものが豊かになった気までする。

文章の美しさに触れて感動。

物語の中に隠された作者からのメッセージ等を見つける楽しさ。

これいい!と思った文章を書き留め、何度も読み返す。

ということで、この本からもう1つ、書き出した箇所をご紹介。

人は今を生きるしかなく、今ここのことしかわからない。学べるのは過去からの教訓ばかりだ。先のことを見通し得る千里眼なんて便利なものは、残念ながらこの世にはない。「それでも、誰かがそれらしいお膳立てをして予言すると、聞いた者どもがその内容を気にするもんだから、いつも間にか予言のとおりになるようにふるまってしまうんですよ」人の心が、予言が成就するような方向に、何となく偏っていってしまうのだという。

興味深いでしょ?


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