あなたは、賃貸募集で損していませんか?

前回、私が所有している
部屋で給湯器が壊れ、
入居者さんにご迷惑を
おかけする事態が発生した。


それに伴って、損害を補填する
目安として、
「賃料減額ガイドライン」の
存在があるという話題に
触れさせて頂きました。


その後、
賃貸管理会社が入居者さんと
連絡が取れて話した結果、
補填分としては、
ガイドラインで計算した金額で
良いという内容でまとまりました。


話を聞くと、
若さゆえでしょうか、
なんと水シャワーで凌ぎながら
過ごされていたとのこと。
(温かさが続いている時期
 だったのが、
 せめてもの救いでした・・・)


機械の故障は、
いつ訪れるか分からないので、
誰のせいということも
ないのですが、


「そんな過ごし方を
 1週間近くさせてしまい、
 申し訳なかったなぁ・・・」


という想いで、いたたまれない
気分にもなりました。


そんな過ごし方を他の方へも
強いることがないように、
機械設備のケアには、今後、
目を配るようにしたいと
改めて感じました。


さて、前号で触れた
「賃料減額ガイドライン」
に絡んだ内容として、


「賃料と共益費の内訳」


について今回はお伝えします。


賃貸募集を見ると、
その内訳として、
「賃料」と「共益費(管理費)」
に分けて記載されていることが
多いです。


オーナーの視点として、


この内訳を
どうするのが良いのか?
どう考えていけば良いのか?


という内容です。


あなたが、オーナーとして
部屋を所有されているならば、
空室になって、
次の募集をする時など、
今までどうされていましたか?
この内訳に関して、意識して
やっていることなど
ありましたか?


最初に私が意識していることを
お伝えすると、
原則に近いような話に
なるのですが、区分マンション
ということもあるので、


「毎月払う管理費、修繕積立金に
 近い金額を共益費として設定して、
 残りを賃料にする」


という決め方をしています。


まずは、そのマンションがある
立地などを勘案して、
おおよその賃貸相場がいくらかを、
賃貸管理会社にも確認しつつ、
自分でも調べます。


その相場的な賃料価格帯を
参考にしながら、
総額いくらで募集するかを決め、
そこから管理費、修繕積立金分を
マイナスした金額を賃料に設定する、
というイメージです。


例えば、
総額が80,000円で
管理費などが12,000円であれば、
「賃料68,000円+共益費12,000円」
で募集をする、というイメージです。


次に、
内訳を分けることに伴う、
メリットデメリットとして
捉えていることに触れます。


私の中で考えているメリットは、


「入居希望者の目に留まる回数が
 増えること」


です。


ネット検索で部屋探しを行う方が、
最近は大半を占めている
と感じています。


つまり、検索される時に、
検索される基準に合う内容で
掲載していないと、
目にとめてもらいにくくなる、
ということです。


入居希望者が最初に考える
検索の条件で多いのは、
「賃料」と「立地」
だと私は考えています。


今回は「賃料」にスポットを
あててお伝えしますが、
検索する際には、
賃料の価格の条件を
入れるはずです。
例えば80,000円以下のように。


この際に、
「管理費(共益費)含む」に
チェックをされてしまうと、
これからお伝えするお話は効果を
発揮しないのですが、
条件を入力する時の「賃料」は、
共益費を除いた金額が
検索対象になってきます。


例えば、総額80,000円が
相場の部屋だとした場合。


賃料80,000円、共益費0円
という掲載をした場合、
入居希望者さんが
70,000円以下と検索したら、
あなたの部屋が
その方の目に触れることは
なくなってしまいます。


これが、
賃料68,000円、共益費12,000円
として掲載していれば、
賃料は70,000円以下なので、
入居希望者さんの目に
触れることになるのです。


総額で70,000円が限度、
という方であれば、
目に触れても選んでもらえる
可能性はなくなって
しまいますが、
最初の検索は70,000円くらいで
してみよう、
という方だった場合。


共益費を入れると
80,000円にはなりますが、
立地や間取り、設備などを
踏まえたら、
そこまでなら出しても良い、
というお気持ちに
なる可能性もありえるのです。


このことに思い至った時から、
私は、共益費に関しては、
10,000円以上で掲載することで、
賃料を下げ、検索頂く方の目に
少しでも多く触れるように
することを、募集の際には
意識するようになりました。


私が所有している部屋は、
総額70,000円台の所が多いので、
先程の例ではないですが、
70,000円以下で検索して頂く方の
目にもとまることを意識して、
募集をかけるようにしています。


実際の所、私が保有している
ワンルームであれば、
主なターゲットになるのは、
20代~30代前半の単身者です。


その年代のボリューム層を
考えると、職種などによる
違いはありますが、
都心、川崎、横浜という
場所で考えると、
60,000円台半ば~
80,000円台前半くらいが、
無理なく払えると考えて、
選んで頂きやすくなる
総額の賃料価格帯ではないか、
と私は考えています。


なので、その価格帯に該当する
物件のあるエリアの部屋を
選んで保有するようにしています。


また副次的ではあるのですが、
前回の賃料減額ガイドライン
のような計算をする際も、
減額対象になるのは
「賃料」であって、
「共益費(管理費)」は
含まれないこともあります。


結果として、補填としての
支出が発生する際、支出の金額を
抑えられることにも
つながったりする場合もあるのだ
と、改めて気づいたりもしました。


では、反対にデメリットは何か?


それは、オーナーである
あなたの収入が減る可能性が
考えられる点です。


賃料と共益費と内訳こそ
分かれていますが、毎月受け取る
賃料が同じであることはたしかです。


影響が及んでくるのは
「更新」のタイミングなどです。


更新は2年毎というのが、
住居の場合多いですが、
更新の際の更新料は
「賃料の1か月分」
というケースが多いです。


その際に、賃料80,000円であれば、
80,000円を更新料として
受け取ることになりますが、
賃料68,000円+共益費12,000円
の場合は、
受け取れる更新料は68,000円になる
というイメージです。


あるいは、
1年以内の解約、退去などで、
短期解約違約金などを
請求できる場合などもありますが、
その際も、賃料の1か月分などと
取り交わしているケースがあります。


そうなると、
先程の更新料の時と同じように、
受け取れる金額が80,000円か
68,000円か変わってくる
というイメージです。


今回は、
賃料と共益費の内訳について
触れさせて頂きました。


どういう設定にするか、
判断するかは、オーナーである
あなた次第なので、
どういう決め方が正解という
ことはありません。
少し細かな点かもしれませんが、
こういう所をどうするか、
という配慮をし、意識して考えたり
できる所が、不動産投資、大家業の
面白味の1つでもあると
私は考えています。


今回のお話が、
あなたが賃料設定を
考える際に、少しでも参考になる
お話になれていれば嬉しく思います。

いいなと思ったら応援しよう!