あなたは、区分所有者になる覚悟、ありますか?

先日、法務大臣が「所有者不明」
対策として、マンションの
建て替え要件を緩和する方向で
諮問する、との発表がありました。


今後、相続登記の義務化がスタート
することは決まりましたが、
築年数が経過したマンションの
防災対策などが、
円滑に進まないことを
懸念しての対応かな、と感じます。


特に、現状で言えば、
所有者不明は、総会などでの決議に
おいて「反対」とみなされることに
なっており、
5分の4以上や4分の3以上の賛成が
必要という要件を満たせずに
対策ができなくなるからです。


あなたが、
マイホームにせよ、賃貸用にせよ、
マンションの部屋を所有されて
いるのであれば、
総会などの案内が届いた際は、
会場出席せずとも、
議決権の行使や委任状の提出などの
行動は起こして
頂ければと思います。


出席数や議決権数が要件を
満たせるように、
ひいては、
それが、あなたの物件の
資産価値、賃貸需要を維持する
ことにもつながると、
私は考えています。


どうしても、賛成しかねる内容が
あれば、
その旨を正々堂々と伝えること。


多数決の世界なので、
必ずしもあなたの意見が
通るとは限りません。


ただ、物件の規模にもよりますが、
いわゆる上場企業の株主総会で
意見を伝えようとするよりは、
マンションの総会での意見の方が、
伝わる可能性は高いと思います。


マンションは、区分所有者同士が、
運命共同体的な感じで所有し、
維持管理していく、
コミュニティーだと感じます。


マンションを購入するということは、
マイホームにせよ、
賃貸用にせよ、そのコミュニティーに
属することを主体的に選ぶ、
ということも意味していると
私は考えています。


なので、議案書が送られてくる、
目を通す、議決権行使をする、
あるいは委任状を提出する、
などから目を背けたい、面倒だ、
と、もしあなたが感じる
のであれば、
区分マンションの不動産投資は
不向きなのかもしれないな、
とも感じます。


デジタルの時代にあって、
まだアナログ的な部分が多く
残っていると
感じる不動産の世界。


資産運用、資産形成の観点から、
少しでもラクに、
ということであれば、
不動産の場合、
上場しているREITや小口化商品、
クラウドファンディングのような
仕組みもあります。


生身の人間の「住」に関わる
空間を、実際に扱うことになるのが、
マイホームであり、
不動産投資、大家業です。


購入する時でも、売却する時でも、
手間や時間がかかることが
多くて、面倒だな、と感じる場面も
あるかもしれません。


では、なぜ、そんな面倒な
部分があり、アナログな部分の残る、
不動産賃貸業は、
今でも存在しているのか?


生きている限り、人間は住まいを
必要としているから、という
こともあるとは思いますが、
私の中で思うことは、
住まいの提供のリターンとして、
安定収入という精神的な安心感を
もたらしてくれる点が
あるからではないか、
と考えています。


過去にさかのぼると、
大家業のスタートは、
江戸時代の長屋だと言われています。


その後、形を変えた部分は
あるかもしれませんが、
住まいを借りる人が、
貸す人に家賃を払う、という
根本の仕組みは変わっていません。


この仕組みがシンプルで、
分かりやすいことが、
数百年にもわたり、
不動産賃貸業が継続している理由
ではないかな、と私は思います。


そして、他の事業と異なり、
売上にあたる収入が安定して
見込める、という点が、
重宝されている部分でも
あるのではないか、とも思います。


もちろん、入退去に伴う、
一時的な空室、収入が途絶える
時期は発生しますが、その時期は、


「いくらで賃貸募集するのか?」


「何か不具合が起こりそうなところは、
 この機会に直しておこうか?」


「賃料をあげてでも、快適に住んで
 頂くために、こんな対策を
 したらどうだろう?」


など、いろいろと考えることができる
チャンスでもある、
と私は考えています。


また、空室の部屋を見ることで、
それまで住まわれていた方が、
どのように生活されていたか?
部屋のことをどう考えてくれていたか?
なども、推測ではありますが、
イメージすることもできます。


先日見せて頂いた空室のお部屋。


女性の方が6年くらい住まわれていた
とのことでしたが、
退去直後なのに、大変綺麗だな、
という印象を私は受けました。


きっと、モノを大切に扱われる方
なんだろうな・・・


などという想像が働いたりしました。


退去の理由も、ご結婚されるから、とのこと。


オーナーの立場からすれば、
空室が生じてしまうのは、
残念なことではありますが、
この部屋を大切に使って下さったように、
今後新たなご家庭を丁寧に築き上げて
頂きたいな、
と応援したい想いにもなりました。


人が好き。人に興味がある。
そんな方にこそ、不動産投資、
大家業はおすすめできるのかな、
と私は考えています。


その中でも、いい意味で、
アウトソースがしやすく、
あなたの手間や時間が
とられにくいのが、
区分所有マンションだと
私は考えています。


それにひかれて、
私自身も取り組んでいます。


ただ、それと引き換えに、
管理組合というコミュニティーに
所属して、一緒にメンテナンスを
考えていく役割の一端を
担うことになるという点も、
忘れないで頂きたいです。


私は、マンションの設備などに
関してはプロではないので、
まだまだ知らないことの方が
多いのも事実ですので、
偉そうなことは言えませんが、
最後に、もう一度、
問いかけたいと思います。


あなたは、
区分所有者になる覚悟、
心構えは
ありますか?

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