入居率よりも気にした方が良い指標は何?

不動産投資、大家業をしていれば、
必ず見聞きし、気になる数値の1つに
「入居率」があります。


賃貸管理会社が扱っている部屋の内、
どのくらいの部屋が賃貸で埋まって
いるかを示す指標のことです。


私は、都内23区、川崎、横浜に
絞っていることもありますが、
そのエリアの賃貸管理をしている
会社の入居率を見ると、
98%とか99%という数字を
目にすることが多いです。


算出する計算式に、会社による
違いは若干あるにせよ、
大きなズレはないのかな、
と思います。


賃貸管理を100部屋
請け負っていたら、
空室で賃貸募集をしている部屋は、
1部屋か2部屋。


裏を返せば、多くの部屋は
借りて下さる賃借人様がいて頂ける
状態が維持されており、
大家の立場としては、
安定した経営を維持できる。


これが、不動産投資、大家業の
大きな魅力の1つだと
私は感じていますし、だからこそ、
2007年から今に至るまで、
止めることなく継続できているのだ
と感じています。


そんな安定経営ができる
不動産投資、大家業。
物件の立地次第で、入居率というのは
おおよそ想定もしやすいと思います。


利便性の高さや街に魅力があれば、
人は集まってくる。
人が集まれば、そこに住まいを
求める人も増える。
結果、入居率もあがる、
という流れです。


では、その入居率が高い状態が
維持される背景には、
何があるのかな、
と考えてみました。


それが、今回表題にもさせて頂いた
指標なのですが、
あなたは、何だと思いますか?


あくまでも私個人での思いなので、
必ずしも正解という話ではないのですが、
賃貸市場を考える上で、
気にかけた方が良い指標、
それは「失業率」ではないか、
と私は考えています。


失業率が上がれば、賃貸市場は
不安定になり、
入居率も下がる可能性がある。


失業率が下がれば、賃貸市場は安定し、
入居率も高い状態で維持できる。


という意味合いです。


例を2つ考えてみたいと思います。


近い所で言えば、コロナ禍にあった、
2020年から2023年頃。


事務所や店舗などの事業用物件に
関しては、解約が増え、
空室率も上昇しました。
銀座の一等地などでも、
空室募集が目立ったりしたことを
ご記憶の方もいらっしゃるのでは
ないでしょうか?


一方、住まいとして借りて下さっている
居住用物件に関しては、事業用と異なり、
大きな混乱はなかったように感じています。


実際、私自身もそうですし、他の方に話を
聞いても、コロナ禍にあって空室が増えて
困ったという話を耳にしたことは
ないに等しいです。


この時期の失業率を重ね合わせてみると、
おおむね2%台で推移しています。


有効求人倍率をみても、
業種や職種、地域による違いはありますが、
平均すれば1倍を上回っている。


失業率にスポットをあてて考えれば、
コロナ禍で事業継続が困難に陥いる
企業はありましたが、
政府が雇用調整助成金などで、
雇用維持を図る施策を行った。


結果として、雇用されている方は、
収入の維持をすることができ、
賃料を払い続けることもできたので、
空室率の上昇につながらず、
入居率も維持された。


これが、
コロナ禍でも居住用物件の大家が、
安定経営を維持できた理由ではないか、
と私は考えています。


次に、コロナ禍と対照的だと感じるのが、
少し前になりますが、
リーマンショックのあった2008年から
2010年頃にかけて。


この時は、失業率も5%近くまで上昇し、
有効求人倍率も一番悪い時には
0.5倍くらいまで下がりました。


外資系企業などにお勤めの高収入の方の
離職に伴って高額賃料物件の退去が
最初に起きたりしましたが、
その余波を受けることとなった
中小企業などにも影響は及びました。


その当時、私は、輸出入の港湾関連の
業務を請け負う人材派遣の会社に勤め、
本社で経理を担当していたのですが、
発注頂く企業様へ出す、
売上の請求書の金額が、
目に見えて落ち込んでいるのを見て、
景気の落ち込みを肌感覚で実感したのを
今でも覚えています。


コロナ禍と異なり、国からの施策なども
特段なかった(と思う)ので、
企業努力でまかなえない場合は、
従業員さんに退職して頂く選択を
余儀なくされ、
退職した方は賃料を払えず、
退去に至るという
構図があったようにも思います。


失業率という数字も、業種や地域などの
個別要因は見えにくいので、
失業率が上がることがそのまま、
居住用の賃貸市況に影響してくると、
必ずしも言い切れない部分は
あるとは思います。


ただ、世の中の傾向や動きを把握する
目安にはなると私は思っています。


職を失い、収入の見込が減ることは、
生活費の固定費の中で多くの割合を
占める住居費に影響を及ぼし、
賃貸住宅からの退去、
より賃料を抑えられる物件への
移転などという形で、
影響が及んできます。


上記、過去印象に残っている
2つの出来事を見ながら、
失業率との兼ね合いのお話を
させて頂きました。


昨今の日本の失業率2%台というのは、
アメリカやヨーロッパ諸国と
比べても、低い水準です。


そう考えると、日本で不動産投資、
大家業を行うことは、
他国で行うよりも安定した
賃貸経営ができる可能性が高い。
その素地が日本には備わっている。


失業率に目を向けて考えてみると、
そのようなことを私は思ったり
するのですが、あなたは、
どのように思われますか?

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