不動産投資の収支の計算ってどのようにするの?
「物件購入前に、収支の計算ってすると思うのですが、
いまひとつやり方が分からなくて困っています。」
と相談をお受けする中で、聞かれることがあります。
私は「利回りを重視はしない」と考えていますが、
資産価値以外の月々の数字、収支の面で、
私が考えていることをお伝えします。
最初に、「毎月の収支はプラスになるかどうか」を考えます。
計算式としては
「賃料-管理費・修繕積立金-賃貸管理手数料-ローンの返済 >0」
です。
年齢や置かれた状況、完済を早めたいなど分かった上で
マイナスにしているのであれば、それは考え方次第なので、
ありだと思います。
ただ、不動産投資の原則、醍醐味、楽しみは、
毎月定期的に懐にお金が入ってくることにあると
私は考えているので、プラスであることを重視しています。
上記の式の中で、一番分かりにくいのは
「ローンの返済金額」
だと思います。
私の場合「金融電卓」というものを愛用していて、
すぐに計算ができるのですが、お持ちでない場合は
「元利均等返済 シミュレーション」などと検索をしてみて下さい。
金融機関のサイトなど、
いろいろと出てくるので無料で試して計算することができます。
例えば、2,000万円のローンを金利2%、35年で借りるとします。
この場合、毎月の返済金額はいくらになるでしょうか?
答えは「66,252円」です。
例として、
─[例]───────────────────────
賃料90,000円、管理費・修繕積立金12,000円、
賃貸管理手数料3,500円だとすれば、
「90,000-12,000-3,500-66,252=8,248円」
──────────────────────────
毎月8,248円がプラスの手残りになるのでOKと判断する、
というイメージです。
さらに追加で考えることは、どのように手残りを増やすか、です。
自分でコントロールできて1番考えやすい方法、
それは「返済金額を減らすこと」です。
上記の例で言えば、
66,252円の返済金額を減らせれば、毎月の手残りも増えます。
それを行うためには、
「返済額軽減型の繰上返済をする」ことが効果的です。
例えば、100万円繰上返済をすると、
毎月の手残りはどのくらい増えるでしょうか?
答えは、約3,300円です。年間にすると、約40,000円です。
そうすると、返済額軽減型の繰上返済をすることで、
約4%の運用ができたことと同じ効果が生まれると私は考えています。
つまり、
100万円返済に回して、
4万円手残りが増える=利息がついたようなイメージ
ということです。
イメージしやすいように100万円で例をあげましたが、
もし1万円であれば400円、10万円であれば4,000円、
金額は異なりますが、「利息としての率」は同じです。
不動産投資は購入後、ほとんどやることがない、
いい意味で手間のかかりにくい資産運用の方法ですが、
最終的にローンのない物件を保有できることが目標の1つでもあります。
その目標に向けて、年率4%以上のリターンが得られるような
運用が難しそうであれば、繰上返済も運用の1つと考えて、
取り組まれると良いのではないか、と私は考えています。