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『小栗虫太郎展』、カッチャルバッチャル、『tie in reaction vol.3』
10月12日
RAY『tie in reaction vol.3』@大塚ハーツ+
RAYの内山結愛さんが制作を手がけるジャンルを超えた音楽イベント、通称「内山フェス」こと『tie in reaction』を見に大塚へ。
その前に神保町の古書センターで『小栗虫太郎展』を見る。虫太郎のお孫さんが発起人となって主催する展示会で、直筆原稿や初版本、レア作品の解説など、非常に見どころの多い展示だった。
ちょうどいま読んでいた江戸川乱歩の対談集で、虫太郎ってなんかすごくキザな人だなと思ったのだけど、神田出身だったと知って納得した。江戸っ子特有の粋がり方だったんだろうな。
メチルアルコールが死因の一つとなって早逝した虫太郎の親が、代々営む造り酒屋だったということに妙な因縁を感じた。
幼少の頃から勉学に秀でていたけど、社会性がまるでなくて妻子を抱えながら赤貧生活を続け、それがデビュー作『完全犯罪』をきっかけに一躍人気作家になるなんてフィクションみたいな生涯だったのだな。
戦時中は代用飼料の事業に注力していたようで、青白いインテリを否定していた、とうのも意外だった。若い頃のエピソードや衒学的な作風から、それこそ書斎に閉じこもるインテリ作家かと思っていた。
以前一度読んだだけの『黒死館殺人事件』を再読したい気持ちはやまやまなものの、展示されていた原稿の数ページにわたって稀覯書の名前が列挙され続ける箇所を目にすると、読み直す前に諦めそうになる。
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神保町から大塚に移動し、カレーの名店・カッチャルバッチャルで食事。以前、数日前に思い立って予約しようと思ったら、とっくに予約満了になっていたため、今回はイベントが発表された時から行くと決めて、1ヶ月前の受付開始日から予約していた。
カレー屋さんというよりはバーのようなおしゃれな内装で、店員さんの接客もキビキビしつつも丁寧で、人気があるのは味だけでないことがわかる。もちろんカレーのお味も最高で、クリーミーでまろやかなバターチキンカレー、バターの香りが芳醇でふっくらしたナン、そしてぷりっぷりのチキンティッカがめちゃくちゃ美味しかった。
来月も大塚ハーツでRAYの主催イベントが発表されたので、来月もカッチャルバッチャル行くことを決めた。RAYが大塚で定期的にライブやってくれてるおかげで、大塚のお店にもだいぶ詳しくなってきた。以前、豊島区に住んでいた時でもこんなに大塚に来る機会なかったのに。
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SPOILMAN
めっちゃくちゃよかった!ちょっと衝撃的。ライブ通いたいくらい好き。ちょっとピン芸人のマツモトクラブさん似のギターボーカルが、とんでもなく色気があってゾクゾクする。パフォーマンスはねっとりしてるのに、曲調や歌はザクザクに疾走感あって、かと思えば変拍子な展開もあったりして振り回される感じが心地よい。
登場から半裸のドラムは逆に中学生みたいな無邪気さで、意味なくひたすらシンバルをクルクル回し続けたりしていて、よくわからないけど楽しい。全身使った演奏のテクももちろん凄かった。
ベースは他のふたりとは一線を画した感じで、我関せずで淡々と演奏し続けてるのもかっこいい。ベーシストらしいベーシスト。
最後のほうでドラマーがステージからフロアに降りてきて、ダイブとかしちゃうのかと思ったらビールを買いに行こうとしたらしく、ギターボーカルに「時間押してるから戻ってきて」と呼び戻されていて笑った。なにか手に持ってたのは財布だった。
良いものを見させていただいた。内山さんにも深く感謝。
the bercedes menz
人を食ったバンド名が表すように、ちょっとコミカルでエンターテインメント性の高いステージングのロックバンド。
いきなりRAYの『星座の夜空』をワンフレーズだけコピーしてびっくりした。最後のほうで客席からケチャが発生してたり、普段からアイドル現場のノリが通用するバンドなのかな。
RAY
イベントを手がけた内山さんが考案したセトリ。これがもう天才!
『ディス・イズ・ノット・ア・ラブソング』『シルエット』と、ミディアムテンポでしっとりした曲から始まり、陰影のある雰囲気はそのままに『Meteor』でエモーショナルなダンスを見せ、そのまま新曲『おとぎ』に突入。何回見ても泣いてしまう。
紬実詩さんの絶唱ソロ、月海まおさんの張り上げた歌声ももちろんのこと、琴山しずくさんの儚く幽けき表現も絶品だった。すべてが涙腺を刺激してくる。
で、おとぎから『読書日記』への流れが最高!これが見たかったんだよ。ワンマンで唯一物足りなく感じてしまった『読書日記』を、ワンマンの象徴のようなおとぎの後に持ってきてくれる内山さん、素晴らしすぎる。
そこから『See ya!』『火曜日の雨』と正反対なベクトルに爆発する2曲で、富士急ハイランド並みの高低差を体感。どちらの曲もフロアの反応がバンドとの対バンならではで、今日ここでやる意味を強く感じた。
そんで、最後にダメ押しで『バタフライエフェクト』を持ってきて、アイドルとしてのアイデンティティをしっかりと明示して、会場全体をハッピーで包み込む完璧なフィナーレ。
バタフライエフェクトの時、みこちと真正面から目が合ったままサビの手を差し伸べる振りコピをしてドキドキした。この曲だけでなく、RAYはフロアに向けて手を伸ばす振り付けが多くて、こちらも振りコピしながら全力で想いを届けようとしています。
DOVVNTIMEに衝撃を受けた第1回に続き、今回も知らなかった音楽との出会いがあったし、逆の立場でこのイベントをきっかけにRAYと幸福な出会いができた人もいただろう。内山結愛さんお疲れ様でした!そして本当にありがとうございました!LOVE!