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『The Principal Show Tour Sweet Time』〜高崎編〜

11月2日
フィロソフィーのダンス『The Principal Show Tour Sweet Time』@高崎・Club Jammers

 フィロソフィーのダンスの全国ツアー『The Principal Show Tour Sweet Time』を見に群馬県の高崎へ。
 実は高崎は生まれ故郷で大学に入るまで育った場所。自分の地元でフィロのスのライブが見られるよろこびに胸を躍らせながら、早起きして高崎線に乗り込む。地元とはいえ、高崎線の前寄り5両が籠原で切り離されるのは毎回意味がわからない。 

 お昼前に高崎に到着し、まず向かったのはcurry stand baimaiというカレー屋さん。自分が地元にいた頃にはなかった新しいお店。そもそも十代の頃にはカレー1杯に1500円もお金を出すゆとりはなかった。
 ジンジャーポークのカレーとえびココナツカレーの2種盛りをいただく。ほどよい辛さでとても食べやすく、とはいえ食べ進めるうちにじんわり汗がでてくるくらいのちょうど良いスパイス加減。ここのカレー、めちゃくちゃ好きだ。店員さんもみんなとても感じよくて丁寧なのも素敵で、下北沢あたりに出店しても行列できる人気店になっているはず。まさか高崎にこんな良いお店ができているとは。

 カレーの後は、さやモール商店街にある一部のレトロ喫茶店マニアの間では有名らしい老舗の喫茶店・コンパルでお茶休憩。鏡張りの豪華なショウケースを横目に、急な階段を登るとかなりご高齢の店主が「ご苦労さま〜」と言いながら迎えてくれた。メニューを持ってきたり、オーダー品を運んできたりするたびに「ご苦労さま〜」と言ってて万能の挨拶らしい。自分が知る限り地元特有の挨拶というわけでもないはずだけど、なんかいいな、「ご苦労さま」。


 プリンパフェとソーダ水を注文。プリンパフェのフルーツは缶詰とかではなく、お店で剥いているものらしい。写真手前のクリームが乗ってるの何だろうと思いながら食べてみたら、柿だった。柿が入っているのに柿を謳っていないパフェ、初めて食べた。

 調べてみたらこのお店ができたのは50年以上前。時間が止まったような店内の空気をのんびり味わった、と言いたいところではあるのだけど、ふだんあまり喫茶店に行く習慣がなくて、個人経営の落ち着いた雰囲気のお店ほど、どれくらい滞在していたら怒られないんだろうとか気にしてソワソワしてしまう。結局ベローチェとかドトールとかがいちばん落ち着くの本当にダサいから何とかしたい。
 パフェと飲み物で1030円という安さも驚きだけど、お会計でそろばんを使って計算していたのはもっと驚いた。

 喫茶店を出て、子供の頃にゲームや100円入れると動く乗り物で遊んだ思い出の地であるスズラン百貨店屋上の『いこいの広場』に行ってみようとしたところ、スズラン百貨店はすでに閉館していて、取り壊し工事中だった。近くに新館ができていたけど、そちらは屋上遊園地なんていう昭和的で非効率なものは存在していなかった。

 呆然としながら、これも子供の頃に好きだった少年科学館に行ってみる。かなり歴史のある施設のはずだけど、いまもたくさんの親子連れが訪れていて、少年少女たちが遊びながら科学を学んでいてほっこりした。と同時に、自分が場違いを通り越して不審者になりかけていることを自覚し、早々に退出する。

 ほぼゴーストタウン化しかけている中央銀座アーケード街をふらついて、他県から遠征してきたフィロのスのファンの人たちにこの寂れたアーケード街見られるの恥ずかしいな、とか思っているうちに先行物販の時間が近づき、早くも20人くらい並んでいた物販列の後につく。
 今回のツアーから、あらかじめ物販アイテムの購入リストを作成して会計ができるアプリが導入されていて、スムーズに購入完了。高崎限定のツアー記念キーホルダーを手にして、胸がジーンとしてしまった。

 会場のClub Jammersにはどうやらコインロッカーがなさそうで、高崎駅まで戻って荷物を預けようとしたら、ロッカーが全て埋まっていた。途方に暮れていたら、ちょうど引き取りに来た人がいたので、急いで空いたばかりのロッカーへ荷物を入れる。街中にぜんぜんロッカーがないんだから、駅のコインロッカーくらいもう少し増やしていただきたい。

 どんどん強くなっていく雨の中、ふたたび会場周辺まで戻り、近くにあった『あすなろ』という高崎経済大学の学生たちが運営するコミュニティカフェで休憩。広々とした店内で、こういう感じのお店なら遠慮なく落ち着ける。小腹が空いてきたのでピザトーストとホットココアをいただいた。

 開場時間が近づき、徒歩数分の会場へ。アメリカのダイナーみたいな外装が特徴的で、とてもおしゃれ。自分が地元にいた頃には、たぶんまだなかったはず。
 それにアーケードの中にあるライブハウスだから、大雨が降っていても待機が楽で助かる。けど、アーケードの中をバンバン車が通っていくのは、他所から来た人たちは驚いたんじゃないだろうか。地元出身だけど自分も驚きました。

 地方のライブハウスにしてはそれなりに大きめの会場がギュウギュウの満員。開演前にトイレに行ったら鍵付き個室の中に小便器と大便器がひとつずつある意味不明の作りだった。あんなの初めて見た。

フィロソフィーのダンス
 聴き慣れないSEからメンバーが登場。お休み中のななこちゃんはツアーも欠席。心配することしかできなくてもどかしいけど、みんな待ってるから気長に静養して、いつでも戻ってきてほしい。

 ツアーの幕開けは新しめのナンバー『ライアー・ガール』から。この曲、前に聴いた時はとっとこハム太郎の仮装してたような気がする。
 そして大好きな『コモンセンス・バスターズ』へ!ショート・バージョンではあったけど、この曲がふつうにセトリに入ってくるのはとてもうれしい。すっとこどっこいな振付、本当に好き。

 コモンセンスに限らず、ショートバージョンの曲がかなり多く、途中はメドレー形式でスパスパと繋いでいくかたち。個人的にショートver.はあんまりなのだけど、その分、『ウォータープルーフ・ナイト』『誓い合ったんだってね、LOVE』『キュリアス・イン・ザ・モーニング』などレアな曲がたくさん聴けたのでOK。
 なかなかふだんのライブでやる機会のない曲を入れたいとか、テレビサイズのライブに対応できる方向にシフトしていくとか、なんらかの意図があっての構成なのかなと思う。

 『誓い合ったんだってね、LOVE』の曲中、フリーなセリフパートではハルちゃんが会場スタッフのイケおじを運命の人として求愛し、観客が大喜びで盛り上がる冷静に考えたらよくわからない展開。お気に入りスタッフがいるからという理由で高崎に来る機会が増えたらいいな。ぺいちゃんも西川口のライブハウスで似たようなこと言ってた気もするけど。

 後半ブロックでは『GO SURVIVE』がめちゃくちゃ盛り上がってて、ちょっとびっくりした。この曲、いつの間にこんなキラー曲になってたんだと思いつつ、自分も我を忘れて拳を振り上げ叫ばされていた。

 そういえば、『キュリアス・イン・ザ・モーニング』で、三角ダンスを踊るののちゃんの手がずっと震えていてどうしたんだろうと気になっていたら、メドレーゾーンの後、お手紙を読む場面があったり、長尺のソロダンスを披露する場面があり、それで緊張していたのかな。同期のななこちゃんが不在で、不安を抱える気持ちを吐露しながら涙をこぼすののちゃんに胸が詰まった。最後のMCで「みんなを幸せにします」と気丈に宣言してくれたののちゃん、とても立派だった。

 そして、そんなののちゃんの勇気を「ののが自信を持って『みんなを幸せにする』って言えるようになったことがうれしい」としっかりスポットライトを当てて賞賛できるマリリちゃんもやっぱり凄い人だった。終盤の曲でマリリちゃんがののちゃんに寄り添い手を繋いだり、ほっぺをスリスリしていたのはマリちゃんなりの励まし方だったんだろう。

 今回、地元でフィロのスを見られるということで、ついエモーショナルになってしまいがちではあったのだけど、いつもと変わらぬ笑顔とパフォーマンスを見せてくれる佐藤まりあさんのおかげで、必要以上に感傷に溺れることなく、目の前のライブをしっかり楽しむことができた。スーパーミラクルアイドルあんぬちゃんのおかげ。ソロダンス、天女でした。
 チェキを撮ってもらった時、高崎が地元であることを伝えたら、別れ際に「また来るからね」って言ってくれる優しさも心に沁みた。


 ライブと特典会が終わり、中央銀座アーケード内の台湾料理屋さん『來來』で晩ご飯。魯肉飯と焼き餃子。餃子はニンニクを使っていなくて、中の具がザクザクした歯応えで、地元で食べてた餃子はこんな感じだったなと懐かしくなった。魯肉飯は見た目の割にあっさりした味付け。群馬の料理はだいたい味が濃いと思っていたので意外だった。
 店内はずっと賑やかに活気があって、もし自分に友達がいてお酒も飲める人だったら、もっと楽しめたのだろう。でもまあ、酒飲みで友達のいる自分はもはや赤の他人なので、もしもの話をしても仕方ない。今はこの自分を自分なりに楽しんでいくしかない。

 駅に戻って忘れずにロッカーの荷物を受け取り、高崎線で2駅隣の新町へ。地元にいた頃は一度も行ったことがないどころか、存在さえ知らなかった町の安いビジネスホテルで一泊。
 冷蔵庫が室内にはなくて、廊下に共有のがどーんと置いてあった。今日何度目かのカルチャーショック。一応、地元のはずなんだけど。

 明日は焼きまんじゅうとホルモンと登利平と高崎パスタを食べるぞ、と心に誓って就寝。おやすみなさい。

 

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