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『全部、花 花と歌い、死ぬ』
12月30日
RAY『全部、花 花と歌い、死ぬ』@渋谷WWW
なぜか疲れが溜まって体調崩しかけていたけど、昨晩22時前から10時間寝て無事に回復。
会社は年末年始の休暇期間中だけど、仕事の都合上、休日出勤しなければならず、14時まで仕事してからRAYの先行物販のため、渋谷WWWへ。無事にチェキ券を購入して、開場時間までベローチェでお茶。
RAY『全部、花 花と歌い、死ぬ』
はじめから1段目には目もくれず2段目最前を確保。それなりに整理番号が良かったこともあり、さいわい中央付近に陣取ることができた。開演が近づく頃には1段目はギチギチに混んでいて、曲によってはだいぶぐちゃぐちゃになったりもしていたので、理想的なポジションに恵まれた。
ステージの前っつらに色鮮やかな花が飾られ、ステージ奥にはパーカッションとマニピュレータが左右に配置され、中央奥には花の乗ったシンバルが置かれている。
1曲目は『サイン』から。初めこそパーカッションなどの分、ステージが狭くなっていて、ダンスが窮屈になってしまわないか心配したけど、気づくと生のパーカッションに煽られ、自然と見ているこちらの体も動かされていた。特殊演出のライブと「サイン」の相性の良さを改めて感じた。
続いて『ディス・イズ・ノット・ア・ラブソング』。これはなんとなくセトリに入るような気がしていた。RAYの曲の中でも特に演出映えするので。この曲も反復するリズムの陶酔感が、生のパーカッションでさらに強化されていた。
『尊しあなたの全てを』を挟んで『TEST』。前半の曲の中では、TESTがふだんのライブといちばん印象が変わっていた気がする。セトリに『サイン』と『TEST』が入っている場合、テクノやダンス・サウンドに振っている場合が多い印象があるけど、この日のTESTはもうすこしポップス感が強めに聴こえた。
そして次の曲は『17』。この選曲はちょっと意外だったけど、TESTからの流れがすごく自然だったし、アイドルらしいキラキラしたかわいさがいつも以上に増していた。
続いて前半の山場とも言える『星座の夜空』。熱気と盛り上がりがやばかった。特にサビ前の琴山しずくさんがステージ前方に駆け出してくるパートで、突風に水面が逆巻くようにフロアがぐちゃぐちゃになってたのが忘れられない。自分も強風に薙ぎ倒される群衆に混ざりたかった気持ちもありつつ、本当は2段目から高みの見物決められてホッとしてる。
星座の夜空でいったん本日最初のピークを迎えた後、このタイミングで新曲をドロップ。『starburst』というタイトルらしく、終盤にコットとまおまおがフロアを煽るように同じフレーズを繰り返すのが印象に残る。このへんは『NO WAY! LIFE GOES ON』など最近のRAY楽曲のトレンドなのかも。
ワンマンで披露された新曲なのに、ライブ自体のインパクトが大きすぎて、starburst自体への印象が薄れてしまったのが申し訳ない。これからのライブで改めてじっくり聴きたい。
続く曲は『逆光』で、新曲をきっかけに流れが変わったのを感じる。自分にとっては内山結愛さんの生誕祭ぶりとなる「逆光」。メンバーがフロアに倒れ込んだり、しゃがんだりするような振付があると、自然にこちらの目線も下がりステージ前方のお花が目に入ってくる。
「逆光」の終盤、激しく動き出す直前のパートで、内山さんが一瞬、息をついて何かを噛み締めるような表情を見せて、生誕祭の光景やあの日語ってくれた言葉が一気に蘇ってきた。
『ネモフィラ』『夜来香迴旋』『Bloom』は、マネージャーねりねちゃんによるとお花ブロックとのこと。言われるまで気づかなかったけど、このブロックの流れとても綺麗だった。とりわけ「ネモフィラ」の愛海さん、花そのものだった。孤高に咲く一輪の花が内山さんと手を繋ぐ場面の美しさに涙を堪えられなかった。
「Bloom」はイベント自体のコンセプトと歌詞が密接につながっているだけに、絶対に外せない曲だったはず。月海まおさんがとても素敵な表情を見せていた。タイトルに「死」を謳ったイベントに射した再生と希望の光だった。
Bloom後に『フロンティア』『See ya!』と定番の名曲が続くのはいま思えばビクトリーランだったようにも感じる。
フロンティアでふたたびぐちゃぐちゃになった1段目フロアをよそに、ラストサビでコットにハートを送った。じっくりライブを見たい派にとっては最適の場所。
でも、この場所でいちばん良かったと思えたのは、「See ya!」で紬実詩さんに正面から手を伸ばせた時。みこちの振り絞るような気持ちの迸りをすべて受け止めたかったし、こちらも気持ちのすべてを投げ返したかった。
これだけでは終わらず、さらなる最大の山場がこの後に待ち受けていた。See ya!の熱狂の後に一転して穏やかに始まったのは『しづかの海』。現体制で披露するようになったのも割と最近のこの曲の終盤に、とんでもない仕掛けが用意されていた。
ステージ奥にオブジェのように置かれていたシンバルを、メンバーがそれぞれ手にして舞台上に配置し、一定のリズムで叩き始める。右手のスティックだけで淡々と叩き続けていたメンバーたちが、徐々に叩くリズムを速め、怒りにも似た感情を込めた表情で激しく両手で殴りつけるように叩き出すと、シンバルの上に飾られていたそれぞれのイメージカラーの花たちが砕け、散っていく。
これまでに見たどのライブの演出よりも美しかったし、あんなライブの演出これまで見たことなかった。息を呑むと言うか、息をすることも忘れて見るしかなかった。
とにかく凄いライブだった。自分が現体制RAYを好きになってからは、わりとまっすぐに楽曲やパフォーマンスを届けるライブが多かったと思うのだけど、RAYの本気の特殊演出の凄さをまざまざと見せつけられた。
唯一惜しい点としては、メンバーの姿を目で追うのに必死で、スクリーンに映されたVJがほとんど目に入らなかったこと。時々、手を掲げる振り付けとかがあった時に視界に入る映像はいつも綺麗だったので、VJも込みでもう一度、いや何度でも見返したい。
ということで、ブルーRAYで円盤化希望。Blu-rayディスクの商品ってまだ生産されてるのかな、そもそも。
終演後、ステージ上に飾られていたお花をばらして、持ち帰り自由にしていたのも心意気が素敵だった。枯れてしまう花であっても、大切に持って帰りたい。
何度でも咲かせたい花、いつまでも忘れたくない思い出になった。
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