山梨日帰り旅行
9月11日
急に思い立って休みを取り、山梨市に日帰り旅行してきた。
目的地は万力公園というすごい名前の公園。ここに入場無料の動物園があり、鹿が飼育されていると聞きつけ見に行くことにした。おれは鹿がいるところだったらどこへだって行くんだ。
近所のパン屋さんでパンを購入し、中央線の特急かいじで山梨市に向かう。以前、特急あずさに乗った時、ものすごく車体が揺れて乗り物酔いしそうになったので、今回は酔い止めを飲んでおいたのだけどほとんど揺れることもなく、むしろ酔い止めの副作用で頭がフラフラした。うまくいかない。
でも天気良いしパンも美味しいし、良い旅になりそうな予感だけはある。
もう終わったと思っていた夏が再来したような日差しの中、山梨市の駅を降りて徒歩10分程度の万力公園を目指す。笛吹川という雅な名前に相応しいきれいな川のほとりに広がる大きな公園。
みどり豊かな園内を歩いていると、柵に囲われたスペースに20頭ほどの鹿がいるのを発見!しかも小さな流れがあり、数頭の鹿たちが水に浸かっている。鹿は意外と泳ぐのが得意だし、水辺と鹿の組み合わせは最高なのでテンションが上がる。
よろこんで近づいて見たら、わんわん羽音がするほど大量の虫が飛び交っていて、地面に寝転んだ鹿たちは忙しなく首や尻尾を振ったり、身を捩ったりしながら虫を追い払っている。水も泥で濁ってにおいもするし、あまり清潔な環境とは言えず、ちょっと悲しくなった。
もちろん無料の公園に多くを望んでもしょうがないのだけど、せっかく鹿を飼うのであれば快適に暮らせる環境を作る義務があるはず。そのためならよろこんで寄付するし、入場料取ってくれてもかまわない。
鹿園の他にはリスや猿、カピバラなどが飼育されていた。わりと広めのケージが用意されていて、のびのびと生活しているように見受けられたけど、やっぱり全体的に虫が多かったり、衛生面があまり行き届いていないようにも感じる。
若干複雑な気持ちにもなりつつ、こっちにまでたかってくる虫を追い払いながら時間いっぱいまで鹿を眺め、バス停に移動。駅から歩いてきた通り沿いにあるバス停から市営バスに乗ってフルーツセンターに行く。
本当はレンタサイクルを借りて、有名なほったらかし温泉まで行ってみたかったのだけど、みちの駅の自転車は街乗り専用でフルーツセンターやほったらかし温泉などがある山の方へ行くのは禁止らしい。
ほったらかし温泉まで行くにはタクシーを使うしかなさそうなので、仕方なく今回はバスで行ける範囲にあるフルーツ温泉ぷかぷかで一風呂浴びることにした。名前はふざけてるけど、ホームページには「ほったらかさない温泉」とか書かれてて、なかなかバチバチの対抗心を感じる。
それにフルーツセンターのすぐ近くに横溝正史の資料館があるらしく、そこへ行くのも楽しみにしていた。横溝さんと山梨に何の関係があるのだろうと思ったら、肺の病気で長野に療養していた頃、笛吹川近辺の景色が気に入って、よく途中下車してこのあたりを散策されていたそう。それがご縁となって、横溝さんが書斎として使用していた建物を移築して資料館を開いたのだとか。
そんな経緯まで下調べしていたのに、「土日祝日のみ開館」という重大情報を見落としていて中に入れなかった。いや、土日祝日という文字は見えていたのだけど、土日祝日が休館日なのだとばかり思い込んでいた。悲しい。
気を取り直してフルーツ温泉へ。悲しい気持ちも雄大な甲府盆地を見渡せる露天風呂に浸かれば、汗といっしょに洗い流せる。入り口に「パイナップル風呂」と書かれていて、わくわくしていたら大きな露天風呂にパイナップルが1つだけどぶんと浮かんでいたのは期待外れだったけど、富士山を眺めながら入浴できる滅多にない機会を堪能した。
併設の食堂で生桃ジュースを飲んで、やっぱりまだ夏は終わっていなかったみたい。
お風呂を上がって、フルーツセンターでお土産を物色。さんざん迷った挙句、地元産のぶどうを使ったワインビネガーと、白桃ジャスミンティーを購入。後日、ワインビネガーで作ったキャロットラペ、めちゃくちゃ美味しかった。通販とかでまた買いたいくらい。
白桃ジャスミンティーも桃の香りや甘味がほのかにしつつも、ジャスミンティーの苦味がくっきりしていて、自然な味わいで美味しかった。人工的な桃っぽさじゃなくて好き。
あんなに晴れていた空に灰色の雲が増えてきて、天候を心配していたものの、雨が降る前にバスで無事に駅まで戻れた。駅のすぐ近くにある歩成というお店で晩ご飯。
ほうとうがメインの居酒屋なのだけど、ほうとうはコンロで提供されてから15分ほど熱して食べるらしく、帰りの電車の時間を考えて諦める。かわりにおすすめメニューのチャーハンと餃子を注文。それだけではあまりにも山梨まできた感がなさすぎるので、名物料理らしい鶏モツも注文。
お酒飲めないのでドリンク注文しなかったけど、「飲み物は大丈夫ですか?」とか訊かれず、下戸でも安心できる良いお店。
餃子は濃いめの味付けで、いかにもお酒のあてになりそうな感じ。一方、チャーハンはあっさりめの優しいお味。そして鶏モツがものすごく美味しい!大量の白ねぎが散らされた見栄えもいいし、大満足の一品。
今回は行けなかったほったらかし温泉と横溝正史館への雪辱も兼ねて、また行きたいな山梨。山の稜線に囲まれて、綺麗な川があって、鹿もいる。好きな街がまたひとつ増えた。
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