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日記:20230611〜鹿休み(完)絵金展→異界彷徨展〜

 鹿休みの最終日は雨予報。奈良県内の寺社仏閣や植物園を見に行こうと思っていたけど、アクセスがあまり良くない場所ばかりだったので、前日夜に予定を変更。
 大阪に移動してあべのハルカス美術館の「絵金展」と、大阪歴史博物館の特別展示「異界彷徨」を見に行くことにした。

 チェックアウトを済ませてホテルを出たら、傘をささなくても何とかなる程度の小雨。これなら今日も子鹿を見に行くか、菖蒲園に行くのもありかなと思ったけど、予定通り大阪へ向かう。

 あべのハルカス美術館「絵金展」。

 高知県で活躍した浮世絵師・絵金の展示。芝居絵や提灯絵など、大衆的であるがゆえの過剰なグロテスクとユーモア、土俗的で野生味のある筆致が見応えある。
 血みどろ絵、無惨絵とは言っても、月岡芳年のような洗練された狂気はないものの、生々しい力強さを感じる。残虐な場面を描いた絵の背景に、妙なユーモアを感じさせる描写が紛れているのは、ちょっと山口晃っぽくもある。
 今夏の展示ではセクシャルな作品はあまり見かけなかったけど、禿頭が男根にしか見えない坊主がいたり、石川五右衛門を題材にした連作に、原作にはない逆さ吊りのシーンが描かれていたりと、本来はそっち寄りの作品も得意だったんじゃないかと思う。絵金の画集も見てみたくなった。
 絵金の作品を実際に飾った祭り用の舞台を館内に設置したり、かなり大掛かりで力の入った展示だった。

 いちばん目を奪われたのは、累ヶ淵をベースにした作品。この作品は修羅場のおどろおどろしさと共に、悪役の金五郎に妙な色気があって素晴らしい。全作品を見終えた後、もう一度戻ってしばらく見入ってしまった。

これはWikipediaの画像から


 阿倍野からバスに乗って大阪歴史博物館へ。Googleマップのお導き通りに歩いてもバス停の場所がどこかわからなくて彷徨した。
 バスを降りて、目の前に目的地の大阪博物館があるのに、マップを見ながら正反対の方向に歩いてしまった。地図を見れば見るほど道に迷う。見なきゃ見ないで道に迷う。

 難波宮の跡地に建つ立派な博物館で、10階から7階までの常設展示を一通り見た後、お目当ての特別展「異界彷徨」を見る。妖怪や呪術、怪異などに特化した展示で、想像以上の見応えがあった。

「てんぐのたまご」かわいい
「与謝蕪村妖怪絵巻」から「猫又」。にやんにやん。かわいい。
これも「与謝蕪村妖怪絵巻」から「ぬっぽり坊主」。のっぺらぼうで、尻の穴に目が一つついている妖怪。かわいくない。

 展示を見終えて、今度は迷わずにバスで大阪駅へ。新大阪から新幹線で帰京。

 新大阪駅で、りくおじのチーズケーキでも買おうかと思ったけど、大行列ができていたので断念。隣にフルーツの専門店があって美味しそうだったので、フルーツポンチゼリーを購入。


 もうちょっと食べたい気持ちだったので、新幹線の改札内でくくるのたこ焼きを購入。新幹線に乗ってから食べようしたら、箱に「新幹線の車内では召し上がらないでください」と書かれていて青ざめた。においのトラブルがあるからか。
 なるべく箱を開けずに、ビニール袋に頭を突っ込むようにしてコソコソ食べた。次から気をつけます。
 というか、新幹線の改札内で売ってるたこ焼きを車内で食べてはいけないのなら、どこで食べればいいんだろう。


 晩ごはんは東京駅のグランスタで買ったお弁当。東京駅のホームや出口はいつも迷うけど、グランスタの場所だけは迷わずに見つけられる。


 家に着いて荷解きをする間もなく、明日からの食料を調達するため近所のスーパーで買い物。旅行の余韻に浸る間もなく日常に戻るのが悲しい。
 明日からはまた日常が始まる。子鹿の思い出を頼りに生き延びよう。来年の鹿休みまでは。

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