
高円寺半日散歩
10月30日
『花輪和一×福山知佐子 二匹展』@新高円寺・ギャラリー工+
午後半休をとって高円寺へ。日差しは暖かいのにやたら強い風が吹く中、新高円寺まで歩き、ギャラリー工+で『花輪和一×福山知佐子 二匹展』を見る。
近年の花輪和一さんの絵は無邪気な童子を描いたり、宗教的な救済を表すような作品が多い。個人的には初期のおどろおどろしさを感じるもののほうが好みではあるのだけれど、作者自身の年輪が感じられる絵には本物の説得力がある。
中では『お盆風景』と題された連作が、いまだ解消されない肉親への憎悪や、「業」という言葉でしか表せない暗いわだかまりを描いていて、大変な迫力で異彩を放っていた。
会場にいらっしゃった福山知佐子さんに、いつ頃の作品なのか訊ねたところ、原画が掲載された『あんちりおん』という冊子を手に「2006年ごろ」と教えていただけた。
ついでに、花輪さんのとてもかわいく繊細な猫の絵が載っている配布用の『あんちりおん』をいただいてしまい、ただでもらうのも申し訳ないので、『お盆風景』が載っている号も購入させていただいた。家で読み返してもにおい立つような業を感じる。

ギャラリーをあとにして、高円寺駅を挟んで北側へ移動。『サウナリウム』というサウナ施設へ。ものすごくおしゃれなサウナで、レンタルのポンチョを着てビルの屋上で外気浴もできるのが最大の売り。はじめは勝手がわからず戸惑ったりもしたけど、2時間の制限いっぱいまで堪能した。
ちょうど夕暮れの時間帯で、マジックアワーから夜景に変わっていく空を眺めながら浴びる外気はたまらなく気持ちよかった。もうちょっと風が弱ければ最高だったけど、まあ仕方ない。ここは絶対また通う。
サウナの後は再び駅の南口まで歩いて、『らざに屋』というラザニア専門店で晩ごはん。住宅街の中にあるこぢんまりとしつつも瀟洒なお店。お味が美味しいのはもちろん、ひとりで切り盛りする店主の男性の接客がとても丁寧で、人気店なのも納得できる。


ただ、お店の雰囲気だけでなくボリュームも上品で、腹八分目にも程遠い感じだったので、らざに屋からほど近いパン屋さん『ブーランジュリー・エクラン』に寄ってみる。閉店直前だったらしく、ほとんどのパンが売り切れだったけど、ツイストドーナツとくるみ食パンを購入。
帰りの総武線で、バンドマン風の若い男性が隣の席に座るや否やチーズパンを食べ始めて、こっちも対抗してくるみパン食べてやろうかと思ったけど我慢して、帰宅してからいただきました。やわらかくて美味しかった。