日記:20231019〜始発待ちアンダーグラウンド「スターライトシンドローム」〜
始発待ちアンダーグラウンドのワンマンライブに備えて有休を取得。この2週間で3回目の有休。
といってもこの日は夜のライブまで特にやることはないので、家で何もせず本を読んだり昼風呂に浸かったりして過ごす。なんて贅沢なんだ。
開場時間に合わせて新宿LOFTへ。歴史ある会場であり、ムラタセンセーの憧れの場所でもあり、ただの客に過ぎない自分も身が引き締まる。
入り口前の壁にメンバーの写真をあしらったパネルが飾られていたり、実行委員が頑張ってくれた模様。
始発待ちのファンだけでなく、界隈のいろんなグループのファンが集まったせいか、良くも悪くもごちゃついた雰囲気の客層。
さてどうなることかと思っていたら、今までのスローな雰囲気のSEから打って変わり、激し目のSEが流れメンバーが登場。SEの中で「黄色い線の内側に下がってお待ちください」って言ってたかな。「黄色い線」はスターライトシンドロームのキービジュアルにもかかっているんだろう。
1曲目「ハレルヤ」の第一声「灰になる日なら」からとんでもない気迫が伝わってきて、絶対に最高のライブになると確信した。その確信は裏切られるどころか、はるかに超えるくらい最高のライブになった。
ハレルヤの後は「NO!NO!NO!」「フリフリ」「TAKE A TRIP」とポップで乗りやすい曲が続く。1曲目からムラタセンセーがすごい勢いでステージ奥から駆け込んできて柵に乗っていたけど、アスミさんは柵乗りを試そうとしてあきらめたり、ミダレちゃんが柵から落ちたり、気持ちが一つだったとしてもパフォーマンスの方向はバラバラなのが素敵。
短めのMCを挟んだ第2ブロックは「アンダーグラウンドで待ち合わせ」から。この曲、ライブで聴いたの初めてかも。意外なほど振り付けの手数が多くて楽しい。これもっとライブで見たいな。
続いて「犬とメシア」で客席みんなが踊りまくり、「ギブミーユアキャンディ」ではカラーボールを投げ入れたり、メンバーがフロアに降りたりと、始発待ちらしい自由な盛り上がり。ミダレさんのサイン入りのボールが足元に転がってたのを拾えた。わーい。
パーティっぽかったご陽気な雰囲気が「感情線惑星」でダークでクールな空気にガラッと変わる。さらに「風街タイムトラベル」で追い討ち。個人的にはこの時間が特に好きだった。
ブロックの締めは「高電圧反抗少女」。前回、主催イベントではセトリに入っていたのに時間の都合でカットされた曲。この日ばかりはムラタセンセーのリクエスト通りオイオイ叫ばせていただいた。
あっという間にして濃密な前半が終了し、ここからしっとりゾーン。
新曲の「LOST FLOWER」で運営兼任のサポートメンバーであるブン・ブンさんがいったん退出。と思ったら、純白の衣装に早着替えして、三人のバックでコンテンポラリー・ダンスを披露。
ただでさえ運営との兼任で激務だろうに、裸足で踊るブン・ブンさんにこの日最初の涙が出た。かっこよかった。がんばれ、ブン・ブン!
「週末の猫」「SAYONARA TOKYO BLUE」とメロウな曲が続き、そろそろ来るんじゃないかなと思ったタイミングで「ノスタルジア」。完璧。
ジャジーでアダルトなノスタルジアから一変して始発待ちの中でも一、二を争う激しいロックナンバー「フラストレーション」。絶叫マシーンみたいに高低差のあるセトリ。こっちもフロアで絶叫していた。
もう一度MCタイムになり、ここでワンマンに向けてメンバーがチャレンジしてきた成果を発表することに。
アスミさんは新衣装を披露すると言いながら布の端切れだけ持ってきたり、ミダレさんは宅建の結果がまだ出ていないので「手応えあり」と対処された紙を掲げるだけだったり、ブン・ブンさんは正統派アイドルを目指した結果、松本伊代の替え歌を歌い出したり。
ワンマンでもこういうちょっと変な空気を意図的に作るのが始発待ちらしいと言えばらしいんだよな、と生暖かい目で見ていたら、最後にムラタセンセーがギターの弾き語り。
前振りの時点で表情や声から緊張が伝わり、こちらもつい身構えてしまう。ギターはまだまだだけど僕には歌があるから、とナルシストを自称するムラタセンセーらしい矜持の感じられる言葉から「光れ」。
これがねえ、本当によかった。LOFTに響き渡る歌声は、終電を逃した孤独な夜を照らす光だった。
歌い終えたムラタセンセーの両頬に思った以上の涙が光っていたこと、ステージを降りて見ていたメンバーたちも泣いていたことに、今日2回目の涙を流した。
せっかくだから憧れのLOFTで4人で歌いたい、とまた泣かせる曲振りから4人バージョンで「光れ」。
終盤、ムラタセンセーとアスミさんが強く抱き合い肩を組んだところで、この日一番涙が溢れた。
泣きながらコールしたら声が掠れていた。喉が飛ぶほど叫んだライブなんていつぶりだろう。そうせざるを得ないライブだった。
アンコール後、また新しいSEが流れ、お揃いの駅員風の帽子と、胸に黄色い縦のラインが入り、袖に鮮やかな黄色の裏地をあしらった新衣装で再登場。もちろん新衣装はアスミさんの手によるもの。
聴き覚えのないイントロが流れ出し、新曲が初披露された。新曲のタイトルはイベント名でもある「スターライトシンドローム」。
どこか懐かしさのあるディスコサウンドでありながら、ダサかっこいいとかじゃなくて、真正面からかっこいい曲に仕上がっていた。これもALIの今村怜央さんの提供曲らしい。天才か。繰り返されるサビのフレーズが痺れる。
さらに「ロックンロールとタイガーリリイ」で、これだけで十分お腹いっぱいだったけど、メンバーそれぞれが一言ずつ気持ちを述べた後、大トリは「くだらない世界」。
全体的に新しめの曲中心で、SEや衣装が変わったり、新しい一歩を踏み出したことを感じさせる構成だったけど、最後の最後で定番曲「くだらない世界」を持ってくるのが感慨深い。変わっていくものと、変わらないもの。
ラストサビでアスミさんの「みんな愛してる」の叫びにまた涙腺が爆発した。始発待ちアンダーグラウンド、愛してるよ。
なんというか、始発待ちアンダーグラウンドの底力に改めて気付かされ、驚かされたワンマンだった。技術的な点だけで見たら拙いところもあるのかもしれないけど、そんなものを全部吹き飛ばすくらいの魂の熱量がある。ここまで思いを全力でぶつけてくるアイドル、ちょっと他にいない。
どうかこの星々の熱気がもっとたくさんの人に感染しますように。次は満員の新宿LOFTで会おう。