『BREAKING AWAY』 vol.2

3月15日
『BREAKING AWAY』 vol.2 @下北沢FLOWERS LOFT

 最近よく行く機会が増えた下北沢FLOWERS LOFTで、Troi主催イベント『BREAKING AWAY』 vol.2を見る。ドリンクチケットでジャワティーが選べるのうれしい。ジャワティー久しぶりに見たな。

Finger Runs
 すげえ。すげえことになってるよ、Finger Runs。
 前からステージを重ねるごとにパフォーマンスの強度を上げていたけど、先日のアルバム再現ライブでアルバム収録曲を全て披露できるようになったことで、数段階ギアが上がっていた。

 「これからみんなでめちゃくちゃ踊って騒ごう騒ごう」と有名なサンプリングネタで登場して、アルバム最後の曲『またね来世で』からスタートして、『Dope 246』で終わる構成も素晴らしい。特に『Dope 246』は『ユレルミライ』に匹敵するような、ライブの締めくくりにふさわしい大曲として仕上がっていた。こむぎさんの歌唱力がふんだんに活かされていて聴き惚れる。

 あと、初めてライブで聴けた曲では『SPICE』が最高に楽しい。サブスクで聴いていた時から、ライブでいっしょに叫びたかった「好きなように生きていたいだけ」を思い切り叫べて、もうこの世に思い残すことは何もない。またね来世で。こんなに頭のネジを落っことせる現場はコウテカ3以来。

 もちろん既存曲もしっかり鍛え上げられて厚みを増していた。新しい武器を手に入れたFinger Runs、本当にとんでもないところまで突き抜けていきそうな予感に満ちていてワクワクする。
 物販でアルバム買おうと思ったら在庫なかったのだけ残念。

 あと、特典会で小笠原唯ちゃんが別れ際に「『SPICE』の『好きなように踊っていたいだけ』の歌割もらえたのが嬉しかった!」と伝えてくれたのが、しみじみと良い話だった。好きなように踊ってる唯ちゃんを見ていたいだけだよ。


二丁目の魁カミングアウト
 この日の影ナレは落ち着いたトーンで貫禄も感じるようなしゃべり。「盛り上がる準備できてる〜?」を3回くらい繰り返してからようやく登場。挨拶がわりの『耳をすませば』『パラレルヤワールド』で、すでに熱々になっているフロアを焚き付けてくる。フィンズの作った空気もあって、こっちもすっかり好戦的な気分になっていたけど、ステージに現れた栄心くんの切り立ての髪型がかわいくてほっこりした。

 激し目の曲から始まりつつ、中盤で『TOO SHY SHY PEOPLE 』『人を好きになれる君は何度でもやり直せるんだ』とミドル〜スロウテンポな曲を持ってきたのがとても良かった。ただ盛り上げるだけでなく、しっかり聴かせる曲をやってくれる対バンが好き。

 栄心くんの腰痛・発熱や喉に不調のあるメンバーがいたことなどから、ライブを中止にした直後だったり、この日も栄心くんは腰をかばいながらのパフォーマンスだったりと、どこかもどかしさを抱えながらのライブだったんじゃないかと思う。そんなもどかしさがシャイシャイの歌詞とシンクロしていたし、人好きのラストのフレーズが自分達に言い聞かせ奮い立たせるように聴こえたりした。
 ベストのライブだったかはわからないけど、この日にしか見られないライブだったし、それが見られてとても嬉しかった。シャイシャイでヘアバンドをむしり取って放り投げる紅さんかっこよかったな。

 心に染みる曲をやった後、『まるもうけ(ハーフ)』『やめらんない!とまらない!』でちゃんと楽しい雰囲気に戻すのが、自己満足で終わらず、フロア全体のことを考えすぎなくらい考えてくれる二丁魁らしさ。

 やめとまの後はカエルとか青春とかで締めるかと思ったら、トリ曲は『リバ』でちょっと驚いた。「見たくない聞こえない」の筆村ジャンプ、とんでもない飛距離だったけど、着地の後、少し体勢を崩していてヒヤッとした。本当に無理しないで……。


TOROi

 元・おやすみホログラムの八月ちゃんが中心になって結成されたグループで、ライブを見るのは初めて。けっして好みの曲調ではないけど、全身で感情を表現する泥臭くも熱いパフォーマンスは単純に胸を打たれた。ちょっとPIGGSとかに通じるものがあるかも。


 

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