『YOKOHAMA GAY CRUISE 2024』
8月7日
二丁目の魁カミングアウト『YOKOHAMA GAY CRUISE 2024』
毎夏恒例の二丁魁ゲイクルーズ。せっかくだし1日有休を取って夏休み気分を満喫することに。夏といえばかき氷だろってことで、目白の老舗和菓子店・志むらを予約。
目白には15年ほど前に住んでいたことがある。少し早めに到着して、以前入居していたマンションの近くをぶらぶら歩いてみたりした。郷愁と猛暑がせめぎ合った結果、猛暑に軍配が上がった。暑すぎて懐かしがってるどころじゃない。
頭クラクラしながら志むらに入店。かき氷を食べるには良いコンディションではある。夏季限定の人気メニュー「とうもろこしのかき氷」が気になりつつ、攻めたメニューに怖気付くところもあり、何を注文するか迷う。好みだけでいえば「ヨーグルトブルーベリー」がいちばん美味しそうだけど、せっかく予約した和菓子店で頼むにはよくあるメニューな気もするし。
逡巡の末、とうもろこしを選択。自分がミーハーな観光客であることを認めよう。
とうもろこしの餡が断崖のような氷にたっぷりかかり、谷底の部分には焦がし醤油のホイップと、キャラメリゼした焦がし醤油のシロップ。ほんのりした甘さがちょうど良くて、想像以上に美味しかった。そりゃ人気メニューになるわけだ。
そこから高田馬場方面へ歩いて移動。おとめ山公園へ向かう途中、公園のすぐ近くにどこぞの大使館かと思うようなバカみたいに大きな建物ができていて、まさかと思って調べたら超高級マンションだった。あんなところに住んでたら落ち着かないと思うんだが。
高田馬場駅近くのカレー屋さん『ブラザー』で昼食。サバキーマカレーを美味しくいただく。
その後、カフェで時間を潰そうと探し歩いているうちに、軽く熱中症になりかけ、もうなんでも良くなってベローチェに逃げ込む。ベローチェのプリンにいつも救われている。
ここから先、クルーズの時間までどう過ごすか全く決めていなかった。ベローチェ店内でルイボスティー飲みながらいろいろ調べて、保土ヶ谷のスーパー銭湯・満天の湯に行くことにする。ラジオのCMでよく耳にするところだ。能天気な「満天の湯🎵」のジングルがしばらく耳について離れなくなって困った。
横浜から相鉄線に乗り換え、上星川という駅で降りる。相鉄線ってかなりマイナーな部類の路線だと思うのだけど、なんであんなに近未来的なかっこいい車両なんだろう。鉄道オタクの人たちの間での評価が気になる。
ストイックなサウナというより、あくまでスーパー銭湯だけど、そのぶん無理なくお湯につかったりサウナに入ったり、のんびりした時間を過ごせた。
満天の湯を後にして横浜へ戻り、そこから地下鉄に乗り換えて元町・中華街へ。デイリーポータルZのチャーハン部の記事を読んでから気になっていた民生炒飯に行く。
思っていたよりファストフードっぽいチープな店内だけど、注文した牛肉炒飯は本格的なお味。化学調味料の味がしないのに、しっかり旨みがある。牛バラ肉も大きめのかたまりがゴロゴロ入ってる。ごちそうさまでした。
もうだいぶ楽しんだ感あるけど、ここからが本番。山下公園沿いにぶらぶら歩いて象の鼻桟橋へ。
遠くの空で雷が光っていたけど、雷鳴が聞こえなければ大丈夫と落ち着いていたのは群馬県出身だから。海を見ると「海だあ」と必ず言ってしまうのも群馬県出身だから。
二丁目の魁カミングアウト
ポツポツと雨が落ちたりもしたけど、強く降ることもなく無事に出航。
『キラキライクストーリー』で始まり、2曲目で新曲『綺麗故に、故に綺麗』を披露。初お披露目のライブは見られなかったので、自分にとっては初めて。儚げなタイトルとは裏腹に、アイドルとして進んでいく矜持を力強く宣言するような曲。
終盤、腕組みで仁王立ちするミキティーがかっこよくて頼もしい、というよりは、今のところちょっと照れくさそうに見えてかわいい。これから対バンとかで披露しながら、表情や佇まいがどう変わっていくのかな。
ライブ後に公開された歌詞を読むと、メンバーそれぞれの名前を織り込んだ掛け言葉がふんだんに使われている。「ミキハバブデブー」はヤバい。
それ以上にヤバいのが「消えなくとも綺麗よ」という歌詞で、ミキティーはこうでなければ「綺麗に・しあわせに・かわいく」なれない、という呪いをひとつひとつ丹念に解きほぐしてくれる。
思えば二丁魁という活動自体が、「ゲイだからアイドルにはなれない」というミキティー自身の呪いに抗っているんだった。もはや二丁魁こそアイドルだと思っているから、たまに忘れそうになるけど、二丁魁がどれだけ未到の地を歩いてきた、歩いているのかは肝に銘じておかないと。
最新曲から定番曲『耳をすませば』を挟んで、これも新しめの『LOVEタイムマシーン』。この日のLOVEマ、ものすごくよかったな。というか、普通に好きな曲。きれゆえとLOVEマは同じ作曲家で、たぶんまなみのりさ繋がり。出会いのしるしが作品として残るのは素晴らしいこと。
ふたたび定番の『三原色カタルシス』から、たしかMCを挟んで振り付けなしの『今も尚』。どういう意図や理由で振り付けなしだったのかは分からないけど、歌に集中できる分、歌詞がいつも以上に沁みた。夏の終わりを意識して寂しくなる日が来ても乗り越えられる「頑張れ」だった。
ラストスパートは『あの頃、僕ら若すぎた青春』『カエルのうた』から『ノスタルジスター』。ノスタルジスターも『綺麗故に、故に綺麗』という曲ができたことで、新しい表情を見せるようになった気がする。
下船したらTwitter上では都内の大雨で戦々恐々としていて、横浜の海上はぜんぜん雨降ってなかったから半信半疑だったのだけど、地元の駅で電車を降りたらとんでもない土砂降りだった。あの雨量が海の上で降ってきたらと思うと恐ろしい。
天候にも味方されて、良い夏の思い出がまたひとつ増えました。