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株価を理解するための投資に役立つ数字の読み方

証券取引所に上場されている株式は、ものすごくたくさんの人々が、毎日いろんな考えにもとづいて売ったり買ったりしている。株価の動きも複雑だ。「業績のいい会社の株価は上がりやすい」といったけど、一時的に株価が下がってしまうことだってある。
そこで利用したいのが株価指標や財務指標など、株価の動きを見通すための指標だ。
代表的なものを紹介していこう。

『日経平均株価』 『TOPIX』

『日経平均株価』と『TOPIX』は、日本の株価全体の動きを見るためのデータだ。

日本全体の景気が悪くなると、「この先、日本の会社の業績は悪くなる」と考える人が増えるだろう。そうなると、株式を買う人が減り、業績のよい会社でも株価が下がってしまうことがある。だから、株式投資をするときは、日本の株価全体の動きも捉えておくことも大切になる。

日経平均株価とは、東京証券取引所の一部に上場している株式の中から、各業界の代表的な225銘柄を選び出して、特別な計算方法で株価を平均したものだ。
TOPIXは、東証一部に上場された全銘柄の時価総額(株価と発行株式数を掛け合わせた額)をもとに計算した指標だ。1968年1月4日の時価総額が「100」だったとすると現在の時価総額はどれぐらいの数字になるか? を示している。

どちらも日本の代表的な株価指標で、日本の株価の動きを表している。日経平均やTOPIXが上がっているときには、多くの日本企業の株価が上がっているといえる。

株価と他のデータを組み合わせた指標 …『PER』、『PBR』、『PSR』

株価と他のデータを組み合わせて計算される指標だ。

『PER(株価収益率)』
会社の株価を、一株あたりの利益で割ったものが、PERだ。

たとえば、株価が500円、1株あたりの利益が20円なら、PERは500円÷20円=25倍となる。
PERが小さい会社は「利益が大きいわりに株価が安い」ということになる。つまり利益が大きいのだけれど成長期待が低いために株価は割安になっているということだ。だから(一概にはいえないけど)、PERが小さい会社は、これから株価が上がる余地が大きいことが期待できる。

逆に、PERが大きい会社は「利益が小さいわりに株価が高い会社」ということになる。つまり、成長期待が高いために、株価が割高になっているということ。株価が下がる余地が大きいというわけだ。
PERと同じような指標に、『PCFR(株価キャッシュフロー倍率)』がある。これは株価を「1株当たりキャッシュフロー」で割ったものだ。なお、ここでいう「キャッシュフロー」というのは、損益計算書に書かれる利益ではなく、実際にその会社に入ってきたお金をベースに計算した「現金利益」のことで、ここでは「当期利益+減価償却費」として計算したものを指す。

『PBR(株価純資産倍率)』

会社の株価を、一株あたりの「純資産」で割ったものをPBRという。「純資産」とは、株主に出資してもらったお金(資本金)など、その会社自身のお金のことを指す。これもPERと同様で、数字が小さい会社は株価が割安、数字が大きい会社は株価が割高と考えられる。

『PSR(株価売上高倍率)』

会社の「株式時価総額(株価と発行株式数を掛け合わせた額)」を「売上高」で割ったものをPSRという。これも株価の割高・割安を判断する指標だ。

その会社の経営状態などを読み取れる経営指標…『ROE』、『ROA』、『自己資本比率』

『ROE(株主資本利益率)』

会社が、株主に出資してもらったお金(株主資本)をどれだけ上手に使って利益を生み出しているかを表すデータが、ROEだ。企業は、株主に出資してもらったお金をもとにビジネスをしている。株主が出資した額から見て、利益が大きければ、それだけ「利益を生み出す力(収益性)」が高いといえる。株主としてもたくさんの配当が期待できるし、株価も上がりやすい。これを見極めるためのデータがROEだといえる。
具体的には、その年の利益を「株主資本」で割って100をかけて算出される。例えば、株主資本が100億円、利益が15億円なら、ROEは15億円÷100億円×100=15%となる。
一般にはROEが高いほど株価の値上がりも期待できるといわれている。

『ROA(総資本利益率)』

株主に出資してもらったお金(株主資本)だけでなく、銀行から借り入れた分など(他人資本)も合わせたその会社のお金全体を「総資本」っていう。この総資本をどれだけ上手に使って利益を生み出しているかを表すデータがROAだ。
ROAもROEと同様で、数値が大きければそれだけ「利益を生み出す力」が高いと判断できる。

『自己資本比率(株主資本比率)』

株主に出資してもらったお金(株主資本)を、総資本で割ったものを、自己資本比率という。
一概には言えないが、銀行などから借り入れた借金が多すぎる会社は、経営がずっと安泰とはいえない。逆に借金は少なくて、株主に出資してもらったお金が多い会社は、経営基盤がしっかりしていて、安定しやすいといえる。このような経営の安定度・健全度を判断するのが「自己資本比率」だ。


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