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「……者よ。島の開拓者よ……」
「そういうのってさ、なんで1回目はそんな都合よく聞こえないんだろうな?」
「俺の本題から逸れるからその話パスしていい?」
「いいけど俺はこの話続けるよ」
「なんで? ねぇなんで?」
「俺まだ島に辿り着いてないからだよ」
「なんでだよ、買ったっつってたじゃん」
「弟に取られたんだよ……」
「威厳、無〜〜〜〜」
「ていうか、あいつが帰ってくる時間俺より早いから俺がやる暇ないんだよ……」
「せつ、な〜〜〜〜」
「弟から無理やり取り上げてみろよ……俺が悪者だ……」
「金払わせればいいじゃん」
「そんなことするなら暴力で解決した方が健全な兄弟だろ」
「健全の意味が霧に包まれておりますけども」
「まぁ、あいつすぐ飽きるから待てばどうにかなるけど」
「いいの?」
「え?」
「お前の弟が好き勝手開拓した島に入ることになるんだよ?」
「え、うわ、そうじゃん、うわ」
「欲しいなら、力づくで奪い返せ……力が欲しいか、島の開拓者よ……」
「お前、もしかして、わかってて……!?」
「全然そんなことはない」
「全然そんなことはないよな、だろうよ」