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「レゴブロックの大会に出たい」
「なんかすごいやつでしょ、頑張りなよ」
「ただ問題なのは、作るものが決まってないってことだ」
「その手腕には自信があるようで」
「あるともさ。まぁ見ろよこれ」
「……建造物」
「俺が思う最上の豪邸な」
「うーん、想像力の不足」
「機能性充実なんだよこれ」
「見た目ではわかりません、ってやつ?」
「そうそう。火事になったらめちゃめちゃな数のスプリンクラーが回るし」
「へー、それどこなの」
「え」
「そのスプリンクラーないと説得力なくない?」
「でも普段見えないからここでは作ってないんだよ」
「今日も順調に狂っちゃってんな。とするとあれか、設定か」
「設定じゃないよいざという時はそう動けるっていう設定だよ」
「設定じゃねぇか!」
「他にもあるぞ」
「いい、いい。設定という前提が覆らなかった時点で俺の耳を働かせる意味がなくなった」