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aikoアルバム「残心残暑」個人的レビュー

いつまで経っても夏が陰りを見せないので、しばらく「残心残暑」を当事者意識を持って聴けますね。自分が定義するaikoの夏アルバムは「夏服」「湿った夏のはじまり」「彼女」「BABY」とたくさんあるんだけど、今は敢えて「秋 そばにいるよ」と交互に聴いてます。

1.blue
今、アルバムの中で1番好きになってきた曲。aikoのアルバムは意外とバラード始まりが多いけど、名だたる1曲目に負けぬ貫禄がある。「髪切ったくらいじゃ気付いてくれないけど隠れてついたため息や感情の機微に気付く」変なあなたというaikoの曲に出てくるあなた史上トップクラスに個人的に好きなあなたが出てきます。

2.skirt
こちらもリード曲としての貫禄エグい。不穏で不安にさせるメロディーに中毒にさせられるaiko節。「染まる夢」なんかも思い出したり。リード曲がこれだからROCKアルバムかと思いきや、ザ・ROCKなこの曲はアルバムでむしろ異彩を放ってます。

3.相思相愛
2020年代のaikoの代表曲になりそうなこの曲だけど、アルバムでちゃんと浮かずに収まっていてお利口だなーと思った。情熱大陸でaikoがこだわっていた「skirt」終わりからのこの曲の入りはこだわっただけあって鳥肌物。

4.好きにさせて
初聴で1番に好きになった曲。楽しいのに、切ないaikoの十八番みたいな作風。この曲のあなたは少し弱気というのがギャップで、簡単に思い通りにできるかと思いきや、どこか鈍くて気持ちが届かないのほほんとしたあなたにあたしが振り回されてしまうという歌詞が複雑で良い。

5.鮮やかな街
こんな優しい曲調なのに、歌詞がドキッとするほどエッチ。自分には見当たらない水色の思い出を自分なりに考えてみる。ラストの唐突に終わる感じのクールさがまたドキッとする。

6.ガラクタ
悲壮感が半端ないミディアムテンポの失恋ソング。こんなにつらいなら一生会えないくらいなら良いのに、君は今も自転車圏内の近さで生活しているというリアルさがキツすぎますね。ちなみに僕はゴミが捨てられない人間なのでガラクタボールペンがたくさん家に転がっています。

7.いつ逢えたら
「今の二人をお互いが見てる」と地続きだったので、このアルバムに入っていることが驚き。感情が強い新曲群の中で、メロディーも相手を思う歌詞も優しくて、癒されます。

8.blow
ジャジーなゆったり曲調なのに、タイトルのblowはボディーブローのblow。最初髪乾かす方のblowだと思ってた。振り向いてくれない相手を犬に例えてますが、自身が犬になるパターンの曲は何曲も思い浮かぶけど、相手が犬のパターンは初?記憶違い?

9.願い事日記
タイトルの並びが「星の降る日に」と並ぶと綺麗で好き。歌い出しをaikoと一緒に歌おうとするけど、まだ練習が足りないのか、タイミングがずれる。願い事、約束を結びたがる君なのに、「ごめん、やっぱあれなしねー!」って、言っちゃいそうな君、罪作りですねー。

10.星の降る日に
聴けば聴くほど好きになる曲こと、「星の降る日に」。LLP24に参加した人には、ライブのあの景色が浮かぶはず、よね?冬のイメージしかなかったけど、夏の星座にぶら下がって聴くのもありだな、と思った。

11.アンコール
「好きにさせて」同様、明るい曲調で、悲惨な片想いを歌う曲。今後ライブでやったら、「アンコール良かったよね?」という会話がこの曲のことなのか、本当のアンコールのことなのか、混乱させそう。「Last」を1曲目にやるくらいだから、「アンコール」をアンコールでやるとは限らないよ。なんならバンメン紹介でやる場面が浮かんでくる。

12.よるのうみ
ラスト前にラスト曲かと見紛うほどの壮大さ、海繋がりもあり「ウミウサギ」を彷彿とさせます。LLAで初披露観れた人、大変羨ましい。「いつかは終わるのだから笑いたいの」という歌詞が大変aikoらしい。「弱気な日も雪が降る日も」のとこのメロディーが狂おしいほど好き。

13.赤い手で
アルバムのラスト曲の雰囲気ってなんだろう。この曲も夢に見てしまったあなたを思う苦しさを歌いつつ、どこか諦観の念と一緒に、好きという感情の愛おしさを肯定するような貫禄があって。ラスト曲にしかない味わい。

思いつくまま、曲の感想を書き殴ったレビューなのであしからず。全体的にジャジーでソウルフルな、楽しく聴けるアルバムだと思いました。なんか軸は「星の降る日に」の感じがあるなぁと思ってます。

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