ハロー!10年前
新年早々、大好きなハロプロの過去の楽曲がサブスク解禁となった。以来、特に大好きだったBerryz工房の楽曲を毎日聴き、Berryz工房について毎日考えている。
Berryz工房が無期限活動停止(事実上の解散)をしてから10年が経つなんて信じられない。当時高校生だった僕は、ファンになってせいぜい2年程度の浅いファンだったものの、こんなにカッコよくていかつくて個性的なお姉さんたちが同じグループで活動していた奇跡に感動しながら、グループのラストを噛み締めていたのを思い出す。同じ感想を昨日のことのように、なんなら今もグループが続いているかのようなテンションで考えられている自分にある種の感慨を覚えつつ、ちゃんと10年の月日が流れているという事実に戦慄する。
10年前。高校2年生だった僕は、漠然とした不安と将来に対する絶望の中にいたように思える。高2のクラスにまったく馴染めなくて、たかだかあと1年ちょいの高校生活が永遠のように感じていた。高校を中退して大成した芸能人の話なんかをネットで調べたりして、今こんなとこでくすぶってる自分は何かを秘めているんじゃないかなんて10代にありがちな月並みの世間知らずを爆発させていた。
そんな17歳の自分に、今の27歳の自分の現状を伝えたら、どう思うだろう。過去の自分を完全な他人として切り離して考えれば、頭でっかちな甘えたガキにありのままを伝え、夢想家の思想をぶち壊してやりたいという意地悪が頭に浮かぶが、そんなことをしてなんか色々ドロップアウトをして、未来である今が下方修正される結果は恐ろしいので、まあだいぶオブラートに包んで話すであろう。
まずは、自分にはひとと違う何かがあるのではないかという非凡さを欲しがるくせに、人から後ろ指さされない普通の生き方を望んでいた17歳の自分へ。まず安心してほしい。普通の大人、社会人にはなれている。君は人の振りみて、ではないがそれ相応の振る舞いを人から学んで自分のものにしていくことはかなり上手なので、ここ10年の間でかなり世渡り上手にはなる。君が望めば普通の人生も容易いし、27歳の現状もおおむね「普通」である。良かったね。
ただ、ひとつ忠告しておきたいのは、誰からも後ろ指さされない「普通」には君はなれないし、そこを目指してもそこに君の幸せはない。昔から、君は周りに同化することを最優先にする癖があった。周りがそういう空気であれば、自分の感情を抑え込み、「正解」を学習しようとしてるよね。その性質のおかげで、君は色々と遠回りをすることになるだろう。本当の自分とはなんなのか?みたいな悩みに長年苦しめられることになるから、その時感じたこと良いことも悪いことも抑え込まずに、「自分はこういう人間なんだ」と落とし込む練習をしておいた方がいいと思う。
…とここで、一旦過去へのメッセージを中断。周りが薦める道を歩もうとした結果頓挫し、一度就職を失敗したことや、ゲイであることを自覚し、結婚や家庭を持つ人生を諦めたことなどは、豆腐メンタルの17歳に伝えるのは酷なのでやめておこう。時間がかかっても、彼自身が自分で経験するしかない。
もうひとつ伝えておくとしたら、17歳の自分が望んだ形ではなくても、僕がそこそこ幸せだということだ。すべてオールOKというわけにはそりゃいかないが、まあ80点くらいの10年後を過ごしている。その事実さえあれば、まあ少し苦しい今も超えていくモチベになりそうじゃない?君は心配症なので、ざっくり大丈夫だよくらい伝えても、調子に乗って色々サボるタイプじゃないことは知ってるし。
なんか、過去の自分とはいえ、若者相手に講釈たれてドヤ顔してる文章を書いてしまったことはいささか気持ち悪いが、Berryz工房を聴きながら、やたらと当時の自分が顔を出してきたので一言くらい声かけてやるか、とこんな文章を書いてみた。27歳、こんな調子です。37歳の自分〜、こんな10年前の自分どうですか〜?