きょうのにっき 2024/10/17

休日の僕の行動は9割方が思いつきである。

前々から人と予定を入れていた場合はともかく、なんにも予定のない休日、どこに行き何をして何を食べるかは本当にその日の気分次第なのだ。なので気分次第でこうして2日連続noteを更新してみたりする。女心と秋の空なんていうが、その慣用句に僕の心も加えてほしい。

今日どうしてもやらなければいけないことが、電気料金の振り込みとマイナンバーカードの更新だった。近ごろ、どこの医療機関を受診しても、保険証を出す代わりにマイナンバーカードを機械にかざすことを求められることが増えている。今後、保険証に取って代わるらしいマイナンバーカードの有効期限が来月の僕の誕生日で失効してしまうというので、重すぎる腰をあげて市役所に出向く。

午後3時の市役所は、びっくりするほど混んでいた。人口約30万人の我が市、なるほど平日の昼間は人口の3分の1が市役所に集まっているのか、と思うほどの混み様だった。この街にはこんなにたくさんの人が住んでいたのね、と感じられる機会は花火大会と秋祭りくらいなので、まさか市役所で同じ街に生きる人々の生活の営みを感じることができるとは思わなかった。

市役所に来る機会などそうそうないので、最上階にある展望デッキに足を運んでみる。僕は展望台など、街の様子が一望できる高いところが大好きだ。この高さからだと、街を取り囲む海も山も、僕の実家も今住んでるアパート方面も一望できる。そして遠くに見える伊良湖岬。あ、海行きたい。

思いつき男、午後4時から海に行きたくなり、車を走らせる。ただ、今日も10月とは思えない暑さですっかり忘れていたけれど、実は季節は秋。伊良湖岬に到着した午後6時にはすっかり日も暮れていた。それでも、こんな時間の海に来ているらしき車は駐車場に何台か停まっている。近くに泊まっているキャンピングカーはなぜかエンジンは動いているものの、外から見えないように全面カーテンで覆われている。中でカーセックスでもしてるのかな、なんて非常に低俗なことを思ったりした。

夜の海は、本当に真っ暗で、さらに少し高潮の大きな波の音が少し怖かった。それでも伊良湖岬から伊勢志摩に向かって運行しているフェリーが出航するところを見られた。夜の海を行くフェリーは、本当に灯台の灯りを頼りにして沖に出ていくんだな、なんて様子を見ることができた。

とはいえ、1人で来る夜の海は怖いし寂しいし、実際の滞在時間は20分程度。往復に3時間かけて、目的地の滞在時間が一瞬というのは、僕にはよくあることだ。つくづく無駄の多い人生である。

帰り、夕食に近所のいわゆるTHE街中華に立ち寄った。以前来たのは1年以上前だったので何を食べたか忘れてしまったが、今日も主にボリューム感重視の食事を求めてやってきた男たちで賑わっていた。ここでもフィーリングでみそチャーシューメン(1130円)を注文する。

ところが、出てきたみそチャーシューメン、残念ながら明らかにハズレだった。みそもチャーシューもメンも美味しくなかった。「床のベタベタした中華料理屋は何を食っても美味い」という神話が崩れ去る音がした。

そして、もうひとつ気になることが。僕が不味いみそチャーシューメンを食べている間、店の電話が鳴り止まないのだ。次から次に掛かってくる、という意味ではなく、店の人間が明らかに電話を無視している。奥の厨房で働いている店主夫婦も、フロアで一生懸命中華を運んでいる学生バイトらしき2人の男子も、一切電話に出る素振りを見せない。というか、まるで電話など鳴っていないかのように振る舞っている。

彼らの絶対電話には出まいという強い意志と呼応するがごとく、電話を掛けている主も、20コールほど掛けては諦め、1分の休止の後また電話を掛けてくる。絶対同一人物である。電話って相手が出なくてもどのくらい待つか、どのくらいの頻度で掛け直してくるか、みたいなので、その人の性格が推し量ることができる、と僕は思っている。

そんな、思いつきで過ごした今日の1日、書くにも足りない日がほとんどの中で、書き起こしてみるとこれだけの文章になるのは、それなりに充実した1日だったように思える。ただの思いつきの、特別じゃない休日の1日も、今日はこうして書き残したことで後から「こんな日もあったな」と思い出せることができるのは、なんだか素敵なことのように思えるのだ。

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