NianticとWayspotの目指すものとは。
Ingress。
この稀有な存在の位置情報ゲームは、革新的なARゲームとして生を受け、
皆さんご存知のとおり、Ingress Primeとなり、いまに至ります。
我々が、わたくしが愛する、Ingress。
それはIngress Primeになっても変わりは無い、そう思っていました。
冒頭で”稀有な”とまず記したのは、ARゲームとしての革新性もさることながら、このゲームが人種差別や国籍の違い、母国語の違い、居住地の違い、
職業の違い、様々なプレイヤーの所属する「違い」を飛び越えてひとつのIngressという世界に没入させてくれる存在であったことが理由です。
確かにPCを使ったオンラインゲーム、それ以前のPBeMなど、世に様々なゲームは存在していました。
(PBMやPBeMについては、Wikipediaさんを参照ください。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB)
いままで存在していたゲームにおいても、相手の顔かたちや人種の違いがわからずにゲームに興じていることもあったでしょう。
しかし、それらと決定的に違っていたのは、Niantic社の姿勢がもたらす、
「アノマリー」や「ミッションデイ」といったオンラインイベントで、気軽に、それこそ世界中のプレイヤー(Ingress世界では、それを”エージェント=AG”と呼び習わします。)が顔を突き合わせ、オンラインからオフライン、またその逆へと入り乱れての交流が容易にして盛ん
であったことが挙げられるのではないかなと考えます。
アノマリーやミッションディで、それまで見知らぬ相手だったエージェントたちとオフラインで出会う前後で、国籍や人種、信仰の違いを君たちは気にしたかい?しなかったろう?と思うんですね。
差別などない世界で、ひたすら「家の外へ冒険に出かける」気持ちでゲームに臨み、興じていたのではないかなあと思うんです。
わたくしがIngressをはじめて数年は、家の周囲や地元でチマチマとCFを作ったり歩いているだけのプレイヤーでした。
しかし、それでも楽しかった!
その後、少しIngressの世界を知りたいと思うようになり、ポータル(いまはWayspotとも呼ばれていますね。ポケモンGOの世界で言えば、ジムやポケストップにあたる存在です。)を探しに自分が住む町の寺社仏閣や隣町のそれらに通うようになります。
まさに冒険です!
Ingressゲーム開始からそれまでの間に、それら多数のポータルを申請し作成していた隣の市に住む方とも友人になりました。
いやあ、羨ましかったですよ。
ゲーム開始当初は、各市にポータルが1つか2つ、あるかないかだったところから少しずつ石碑や神社、道標を調べて申請していった話などをうかがって
自分も申請してそんな発見をしてみたい、Ingressの世界に自分がポータルを作ってみたい!……と羨みました。
わたくしがポータル申請というものが存在するのだと知って実際に申請を開始してから、そうですね、たしか1~2ヶ月もせずにNiantic社によりポータル申請が差し止められることになりました。
(その後、皆さんご存知のとおり数年にわたり申請は行えなくなりました。当時記事が掲載されていたはずのGoogle+は現在存在していませんから、
プロジェクト・リュケイオン
ポータル申請再開に関するミスティの見解
http://ingress.lycaeum.net/2017/09/20170926-131033.html
や、
charingress.tokyo
再開したポータル申請はSeerメダルの実績になる?
https://charingress.tokyo/13694
の各ページを参照いただければ、ポータル申請再開時の熱狂具合など推し量っていただけるのではないでしょうか。)
わたくしはギリギリのところで初期のポータル申請を行えたわけです。
当時ポータルをLIVEさせたらSeerメダルというものがもらえました。
僅かな期間しか申請できませんでしたが、その中でもリジェクトされることは勿論ありました。あれこれ悩みました。
なぜLIVEしないのか。リジェクトされるのか。
結局、その当時は(期間が短かったこともあり)自分ではその理由をみつけられませんでした。今なら「つまらないものを申請するからだよ」とわかるんですが、当時の自分には、それがわからなかった。
幸いにしてその僅かな期間ではあってもLIVEしたポータル数は10を越え、
最下位のSeerメダルを貰えました。
嬉しかったなぁ。
その後、ポケモンGOが世に出ました。
ポケモンGOは、いまや誰もが同意する、押しも押されぬモンスターコンテツです。プレイ人数もさることながら、その売上高たるや。
ForbesJAPANのこちらの記事を引用しますが、昨年2019年の売上高は約年間1000億円だとか。
ForbesJAPAN
2020/01/10 12:00
登場4年の「ポケモンGO」が年間1000億円売上、過去最高に
https://forbesjapan.com/articles/detail/31693
まさに、「素晴らしい成果です」。
お見事。
しかしながら、現在再開されたWayspot申請ですが、残念な内容のポータルがIngress PrimeのIntelMap上に残ったままになっており、それがポケモンGOに反映されている状況があります。
それを否定はできないでしょう?
否定されるのであれば、あなたの周囲は、実に充実した内容のWayspotで満ち溢れています。Wayspotそのものも、Description(説明文)も、ポータルを作成された先達や現在Wayspotを申請しLIVEさせている良識あるトレーナーやエージェントに恵まれた地域です。
まさにカナン。
現代のエル・ドラード。
他の地域では簡単には見つからないシャングリ・ラですよ。
羨むべき場所です。
現状がルールに則っていなければ、その方法や権利をゲームの仕組みのなかで与えられているのだから、ユーザー間で「削除申請」なり「修正申請」を行って正してゆけばいだろう、と言われるかもしれません。
が、それが行えていないのが現状です。
さらに、NIANTIC Wayfarer!で示された基準に沿わないようなK12ポータルや
どうでもいい町内掲示板、看板などがWayspotとしていまも続々とLIVEしています。
Niantic、あなたはどこへ向かうのですか。
ハンケ氏の理想は、どこへ?
ファミ通Appさんのこちらの記事を読むと、
開発タイトルは10以上であり、新たな取り組みがなされているとの見出しが軽快に踊ります。ほんとうにそうであれば、楽しみですし、わくわくする体験がまたできるのだろうなとの期待に胸ふくらみます。
ファミ通App
開発タイトルは10以上!! 『Ingress』や『ポケモンGO』を手掛けるNianticの新たな取り組みと指針
https://app.famitsu.com/20200616_1653730/
しかし。
Ingress PrimeやポケモンGOでの、残念なWayspotとそれを正す仕組みが実践されていない現状で、協賛企業の方たちが
「薬局店頭にある、毎夜仕舞われていて、いつ無くなるかもわからない
薬品メーカーの販促店頭用ディスプレイや、
自衛隊基地のなかにあるWayspotなんて利用して大丈夫なの?」
と、及び腰になりはしないか、いちユーザーとして少々心配ではあります。
モンスターコンテンツと化したポケモンGO。
世界に比類ないコンテンツだと思います。
それに資しているIngress Primeも素晴らしい。
Niantic社の資産です。
けれど。
もしかしたら数十年単位の契約でポケモンGOに関しては約束をとりかわしているのかもしれない。そのような内容は、わたくしのような末端でIngressをささやかに楽しんでいる人間にはわからないことですし、畑違いのことでよく物もわかっておりませんけれども、
それでも恐れるのは、
いつか、ポケモンGOやその後に続くNiantic社の位置情報ゲームの幾つかが
Nianticと(もしかしたら)袂をわかつときがきたら、
そこに残るのは、誰かの家の敷地内にひっそりと建つ氏神様のちいさな社殿や、通勤路上の量産された大量生産された下水マンホールの蓋情報などが入り混じったデータではないでしょうか。
それとも「○○年○○月の時点のDBデータを取り込むから問題ないよ。ははは」なんて答えが返ってくるのでしょうか。
もしそうなら、少し寂しい思いがします。
ハンケ氏の著作を読んだあと、彼の熱いハートにわたくしの魂も震えましたよ。ああ、こんなに志のあるひとが作成したゲームをいままで楽しんでいたんだな、これからもIngressをプレイしていきたいなと強く思いました。
その思いはいまも変わりません。
変わりませんが、ここしばらくのWayspot申請再開や、対象者拡大後のフォローアップの不味さを感じてもいます。
(以前は、Ingress にあるポータル情報を自治体と協力して、未来に残す石碑や寺社仏閣のデータベースができるのではないかとの話をTwitterで伺うこともありましたが、だれかの畑の隅にあるいつ撤去されるかもわからないような案山子だの、31アイスクリームの店頭にそのときだけ空気を入れて膨らまされた店頭ディスプレイなどをWayspotとして残すような状態では、自治体との未来へ残すデータベース……などは夢のまた夢でしょう。個人的には素晴らしいことだと思えたので、残念でなりません。)
さらに、Niantic社がみずから定めているNIANTIC Wayfarer!基準に反する内容をお伝えしているIngress Forumsでの、自社規定も守られていない
「削除申請をかたくなに拒否する姿勢」には大いに首を傾げざるをえません。「日本の法律にも反していますよね? 御社で定めたルールにも反していますよね?」と説明しても、削除申請を拒否するコピペ文章が貼り付けられるだけの現状です。
いったい、Niantic、何を見ているの?と信じたい気持ちが揺らぎもします。
いいな、大好きだな、と思うIngressを生み出したNianticだからこそ、
ブレずに、不味いものは不味いという姿勢を貫いて、
膿を出してほしいと思うのです。
現在の(とくに日本において)Wayspot申請におけるユーザー教育、周知、
継続しての審査権テストの導入、既存の怪しげなWayspotの削除を実施するだけで十分に(現時点でWayfarer!申請やWayspotが抱える)問題点は改善できると思うのですよ。
取りとめも無い内容になりました。
話もあちらこちらに飛びました。思っていることの1/10も言えたとは思いませんが、少しでも伝わればいいな。
(あー、推敲はしていないので途中おかしいところはあるかもしれませんが容赦くださいね。)
嫌いだったら、あなたのこと
ここまで言いませんよ、Niantic。
2020/11/23
MagicalThorn