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野良歴5〜8年

保護してうちで暮らすという決断をするまでに、結構な労力と時間とお金を使いましたが、保護は始まり。

パトラを保護して、避妊、堕胎手術、ワクチン等もろもろしていただいて、
獣医さんからパトラの状態の説明を伺っている時に

「歯がすごく悪いから、はやくどこかで診せに行った方がいいと思います」って言われて。

え??また麻酔するの?ついでになんとかしてくれたらよかったのに‥って思ってしまった私なんですが‥

まぁ今から思うと、一度にいろいろやりすぎて無茶だと思われたのかな。はい。かなり弱っていたので、体力の回復ですよね、まずは。

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野良猫が長いことの試練

ってことで、うちの暮らしに少しずつ馴染んだ頃、せたじがお世話になっているうちのかかりつけ医さんに診ていただくことにしました。(まだケージに入ってた頃)

たしかに、シャーーー!って言うパトラのお口、すごくくさかった。ケージ越しで、この距離感でのこの漂う臭い。

あぁ、なるほど、歯が悪いとこんな口臭がするのね‥ってなもんで。


パトラにもし薬品がかかっているとしたら(※下記の保護時のnoteをご覧ください)
そのままにするのはちょっとなぁ‥なんて思いもあり、麻酔して歯を診ていただき、健診していただくついでに特別メニューでシャンプーをお願いする事にしました。

麻酔が覚める頃にお迎えに行った時、なんとびっくり、既に抜歯されていました。

めちゃくちゃ悪かったらしくて、獣医さんに「いち早く抜かないと腐って頬に穴が開くところだった」って言われて、ゾッとしました。

確かに、受け取ったパトラの小さな歯は緑黒くなってた。。すごく汚かった。でも、なんだかパトラさんが何年もひとりで頑張ってきた証みたいに感じてしまって、愛しく哀しく感じて持って帰りました。

野良猫ちゃんは生まれた時から当たり前に医療にかかれないから、野良での暮らしが長ければ長いほど、体の不調もでてくるものなのかもしれません。

『普通の状態(健康)』になるまでのサポートはなかなか大変です。医療費ももちろんかかります。まだ信用していない人という存在に医療を施される猫ちゃんと、それが正解なのかと葛藤しながら見守る保護主。両者の心身に、対応する獣医さんや看護師さんの苦労もあります。

でも、猫ちゃんって基本的に病院が嫌いだと思うけれど、不調のままずっと過ごす事もやはりすごくかわいそうなことだな‥って私は思いました。

だって、歯が腐るなんて、本当に痛くてしんどかったと思う…

診察中はいつもパトラに頑張ろう、一緒に頑張ろう、偉いね、大好きだからねって言葉に出して伝えます。

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その後、更に他にも悪い歯があるから、きちんとした先生に診てもらった方がいいって、話になって。

どうやらかかりつけ医さんでは、ライセンス的に牙などの難しい抜歯はできないとか‥

(ここで獣医さんにも専門医という存在がある事を初めて知りました)

そして日本ではたった1人しかいないらしい、アメリカ獣医歯科専門医の方にみていただくことになり、2014年に抜歯の大手術を経験しました。(ちなみにお財布すっからかんになたよ…)

上の牙2本含む、計6本抜きました。

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術後は食欲が落ちてしまったり、怖かったのか暗い場所に逃げ込んで出てこなくなってしまったり、本当にかわいそうで申し訳なくて‥

その後復活して、今に至りますがね。

一緒に暮らす試練


パトラでとにかく苦労するのは、病院関係と食事です。
病院では爪切りしてもらう時、どこにそんな力隠してたの?ってくらい大暴れ。(家では抱っこや爪切りは、全力でもがいて危なすぎてできない)

キャリーに入れるのも一苦労。年の経過と共に少し慣れてきたのかスッと入る時もあれば、タイミングが悪いと家中ひっくり返しまわります。何度か流血騒ぎも起きています。(病院以外は本当に温厚なんですけどね‥)

でも看護師さんがすごい猫ちゃんの扱いが上手な方なので、今日まで何とかなっています。(引っ掻いてしまった時は菓子折をもって謝りに行きました)


ただ、他の猫ちゃんみたいに口の中に薬を入れて飲ませるとか、そういうことはできないです。(今これですごく悩んでいます)

ご飯の好みもかなり激しくて、その辺も苦労しています。
柔らかいものや缶詰には口をつけない。気が向いた時だけちゅーるとスープを舐めるくらいです。(ちなみに、先に保護したパトラの娘チビも、全く口にしないそう。)

だから薬をごまかして飲ませることに本当に苦労しています‥
食べるのは決まったカリカリオンリー‥あとはフリーズドライのササミが嗜好のダントツ繊細な子です。

(先週も病院に連れて行った私はパトラから信用を失い、今日も大嫌われていて泣いてる。でも昔よりは診療もスムーズになってきた‥かもしれません。少なくとも流血はないかな)

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それでも共にずっと一緒


本当に苦労するけれど、やっぱり保護したことに後悔したことは一度もなくて。
毎秒かわいいから本当に困るな‥てくらいで。

いや、いろいろありますが、それ以上の素敵な気持ちをいただいているような気持ちです。

できるだけ長い時間を一緒にご機嫌に過ごしたいと思っています。


歯の手術をした時に、「パトラは8歳くらいじゃないかなぁ」って言われて。

だから、少なくとも保護時に5〜8歳くらいの猫ちゃんだったのかなぁと思っています。

野良猫ちゃんの寿命の平均って3年ほどだっていうじゃないですか。(乳児の時に亡くなる子がたくさんいるからだって話もあるけれど)

だから、パトラさんすごいなぁって。実力あるなって。賢いのかな。
きっと野良で暮らしていた時、虐待した人もいたかもしれないけれど、ところどころで助けてくれた人もいたのかもしれない。


伝えたいなぁ、なんて時々思います。助けてくれた人がいたとしたら。

パトラ、ここで生きてるよって。

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